2人で楽しく狩りをしていると
ふと男性が声をかけてきた。

「こんばんは」


フクは思わず振り返り、目の前にいる
男性アバターに視線を向けた。

男性アバターはフクたちよりも明らかに
高いレベルのようだった。

彼の自信に満ちた姿に、フクは思わず圧倒される。

良かったら一緒に狩りしない?

フクとシンシアは彼の提案に乗ることにした。
彼の名前はセルフ。

彼は強力な武器を持っており
モンスターを一気に倒す姿は圧巻だった。



フク

すごいですね(>_<)

シンシア

やりますなぁ~初心者の私たちではここまでできませんよ
(≧▽≦)

あそこだったら
もっとレベルが上がるよ





セルフは崩れたビルを指差し誘ってきた。

フクとシンシアは言われるがまま、
ビルの中へと足を踏み入れる。

だが、当然のことながら、

そこには高レベルのモンスターが待ち受けていた。
セルフだけが頼りの状況だった。



一通りの戦闘が終わった後

友達登録してもいいかな?

フク

あ、はい

シンシア

もちろん

フクは少しドキドキしながらOKを押す。

セルフは公開されている2人の
プロフィールを見た瞬間、

彼の態度が一変した。

なーんだ、おっさんかよ

フク

え?あはは、すみません。
それにしてもセルフさんは強いですね。

おっさんに用はねーんだよ

シンシア

そんな言い方はないだろう

チッ

セルフはそのまま走り去ってしまった。

フク

なんだ?

シンシア

ナンパ目的だったのでしょうか?

フク

プロフィールを
見たってことですね

シンシア

とりあえずプロフィールは非公開にしておきましょう

フク

でも、こんなところに取り残されたんじゃ、どうすることもできませんね

シンシア

誰かいませんかね…

フク

!?

シンシア

何か来ますよフクさん!

暗闇の中から何かが這いつくばって
こちらに向かってくるのが見えた。

音は次第に近づき、何か重たいものが
地面を這うように動いているのが感じられる

影がゆっくりと形を成し、
恐ろしいほどに不気味な姿が露わになった。

フク

あれは?(老眼でみえない)

シンシア

モンスターです!
逃げましょう!

触手のような物が、冷たくしなやかに
空気を切り裂きながら進んでくる。

闇に覆われたその存在は、艶のある黒い肌に
覆われており、ところどころに歪んだ
うねりが見えた。

すぐに応戦したが、フクの手は震え、
狙いが定まらない。

モンスターの触手は一瞬の隙を見逃さず
容赦なく彼らに襲いかかってきた。

その動きは信じられないほど素早く
フクが必死に銃を構える間にも、

触手は彼の腕を巻きつけ、引き寄せていく。

シンシアさん逃げて!

無念・・・

シンシアもまた触手に絡め取られていた。

絶望的な状況に2人は焦りながらも
何とか脱出の手段を探ろうとするが

暗闇の中で彼らの運命はどうなるのか
分からなくなっていった。

つづく

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