呪いを解く方法が見つからないまま
時は静かに過ぎていった。

その間、メイは何かを探すかのように、
一心不乱に剣術の練習に没頭していた。

夕刻、彼女は翔太と手合わせをしていた

翔太は部隊の中でも銃の腕も剣の技量も
トップクラスであった。

練習を見ていたタケルは飽きたように

おまえら、いつまでやってるの?早くエリナちゃんのところに行こうぜ

しかし、その声はメイと翔太の耳には届かない。

メイは必死に翔太に食らいつき、攻撃を続けた。

翔太

メイ、強くなったな!

メイ

まだまだ!

翔太はメイが遅くまで自主練を
していることを知っていた。

そうか、じゃあ行くぞ!

メイ

こい!

あーぁ・・・
(ゴロン)

練習が終わると、三人は紅葉庵に向かった。


タケルがメイの話に腹を抱えて笑っていた

タケル

ぶはははは!!

メイ

ちょっとタケル、笑わないでよ!

タケル

なんで和真先生を襲うんだよ!

メイは和真との出来事を話していた。

メイ

分からないけど、ライオンになったつもりで和真先生を見たらつい...

翔太も笑いをこらえながら

翔太

メスライオンに見えたの?
(プププ・・)

メイ

わからない

タケル

まぁ和真先生は綺麗な
顔してるからな、オレもイケるかもしれない

翔太

イケるって?

タケル

あの顔で恥ずかしがってる仕草されたら、オレも猛獣になっちゃうかも

三人は和真のことを妄想し、顔を赤くしていた。

翔太

た、確かに

メイ

翔太までやめて、もう和真先生に顔合わせられない

タケル

メイって、すぐ弱気になるから、心配だったんじゃないの?

メイ

心配って?

タケル

だって、そういうところを、敵に狙われるかもしれないだろ

メイ

そうかな

メイは彩の地部隊の隊員に拉致され
暴行された記憶がよみがえっていた。

あの時、自分がもっと強かったら

体だけではなく心も弱かったメイを
あの隊員たちに見透かされていたのかもしれない

タケル

それに和真先生は医者だから、その辺は気にしなくてもいいんじゃない?

メイ

そうゆう問題?

三人は笑い合いながら、紅葉庵の温かい
雰囲気に包まれていた

翔太

そういえばタケルとエリナちゃんの関係はどうなった?

タケル

はは。もうエリナは俺のものさ

タケル

いてー!!

誰が俺のものよ!誤解するようなこと言わないで!ふん。

そんなぁ~(しょんぼり)




そんな中、3人の話題は最近の
魔獣の動向に移った。

信国では魔獣が増え、
制御できないほど暴れているという。

そのため、信国は各地に援軍を要請していた。

その要請が武蔵帝都にも届き
彼らは信国への援軍を決めた。


他の部隊も合流するってことだよな

翔太

そうだ。特に美智(みち)国の
司令官は相当な切れ者だと聞いているぞ

メイ、知ってるか?
美智(みち)国の司令官はすごい美人なんだぞ

タケル

その上、ドがつくS嬢だ。
あ~、あの足で踏まれたい~

・・・

メイ

...た、タケル

タケル

ん?

変態!知らない

いたたた・・エリナちゃんまって!誤解だよ!!


束の間の友との楽しい時間が終わる、
再び魔獣を討伐する日々が戻ってくる。

メイにはまだ呪いを解除する術が分からないものの、自分にできる事を精一杯やろうと心に誓っていた。

つづく

つづく

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