メイは重いため息をつきながら
医務室に向かっていた。
メイは重いため息をつきながら
医務室に向かっていた。
アイちゃんに謝らなきゃな
アイにキスされ、その場面を和真に
見られたことが恥ずかしくて、
「二度とかかわらないで」と言って
しまった自分を後悔していたのだ。
男の私から..いや、ボクから謝らないと
医務室のドアをノックした。
中から和真の声が聞こえてきた。
「どうぞ」
ドアを開けて中に入ると、
和真がいつもの優しい笑顔で迎えてくれた
こんにちは、メイちゃん
あの・・・アイちゃんは?
アイちゃんならもう帰ったよ
時刻は夕方を過ぎていたため、
アイはすでに帰宅していたのだ。
その言葉を聞いてメイは少しほっとした。
この前のことを謝りたくて
そう。じゃあ、また明日にでも来るといいよ
和真先生・・・やっぱり
男の子って、
その..性欲強いんですか?
ん?
ボク、初めての経験だったから、
自分の身体じゃないみたいな感じがして・・・
メイちゃん、ここに座って
誰にでも初めての経験はあるし、それに対して戸惑いや不安を感じるのは自然なことだよ
性欲というのは、人間の自然な
感情の一部で、決して恥ずかしいものではないんだ
和真の優しい声と話に、
メイは少しずつ心を開いていった
もし、不安なことがあったら、
いつでも相談していいんだよ
先生・・・
せ、先生も性欲強いんですか?
和真は一瞬驚いたような表情を見せたが、
すぐに笑顔を取り戻し
あはは。僕も人間だからね
もちろん興味はあるよ
そうか、私も友達同士で
エッチな会話してたよね
興味があるのは普通のことなんだ
でも先生が性欲強いなんて意外だな。だって、そういう風に見えないから
和真は少し考えるようにしてから、優しい声で言った
そう?僕はね、男性、女性関係なく愛おしいと思った人には、
もっと深く知りたいって思うんだ
和真はそっとメイの頬を撫でた。
メイは一瞬で真っ赤になり、
心臓がドキドキし始めた
先生、からかわないで!
ごめんね。メイちゃんが可愛すぎて、つい
和真先生にこんなことされたら、私・・・
軍隊の暮らしには慣れた?
あはは、成績は最下位で、この前も居残りで訓練しました。
男ばかりで大変だよね
はい・・・
え?
(まさか先生私の事バレてる)
でも仲間や上官のおかげで成長できましたよ!(お風呂も慣れたし、おしっこも立ってできるようになったし)
そっか。来た頃は体と心が分かれていたみたいだったから心配だったんだ
先生・・・ありがとうございます。(やっぱり優しい)
はぁ~でもアイちゃんとキスした後から
なんか体かモヤモヤしていて
変なんです
訓練とはいえ副官にも思わずしてしまったし
メイちゃんは、
自分でしたことある?
え?したこと?
マスターベーション
ま、マスター・・・
やっぱり同じ部屋に隊員がいるからやりにくいよね
まさか和真の口からそんな言葉が
出るとは思ってもみなかった。
い、いや、ボクは・・・
そういえば、翔太はどうしているんだろう?
したことないです
わかった。じゃあ今日はここでしてもいいよ
こ、ここで!!
今日だけね、特別。
僕は外に出てるから
無理です!無理です!
緊張しないで、
好きな人を思い浮かべて
先生...
和真はメイの様子を見て、少し申し訳なさそうに
って急に言われても無理だよね
ごめん。じゃあそろそろ・・・
ボク、やってみます!
え?
あの穏やかな和真先生の口から
そんなことを言われたら
できる気がしてきた!
ここまで話してくれる
和真先生の期待に応えないと!
決意を固めたメイは、
ベッドに向かいカーテンを閉めた。
和真はクスっと笑い、医務室を出ようとした
その時、カーテンが突然開いた。
振り返ると、メイが全裸になって興奮気味に
何かぶつぶつと呟きながら和真に近づいてきた。
ブツブツ・・・
め、メイちゃん(なぜ裸に?)
先生、ボクは獣になったつもりでやってみます!男らしく!
そう、百獣の王ライオンになったつもりで
メイちゃん、それは自然を勘違いしてるよ
落ち着いて
私は百獣の王...いや、僕は...いや、俺は...いや、我は百獣の王...
呼び方の問題じゃなくて!
そうか、呼び方は問題じゃない、自然のまま、思うままに!!
そう言うと和真に抱きついた!
ち、ちがう、一人でするんだよ
和真は必死に静止しようとしたが、
百獣の王になりきった
メイにはその声は届かなかった。
和真のズボンを下ろそうとしたその瞬間、
コンコン
先生、まだいるの?
アイが忘れ物を取りに戻ってきたのだ。
アイは部屋を見回したが、
誰もいないようだった。
その時、メイと和真は慌てて
ベッドの下に隠れていたのだ。
電気つけっぱなし
アイは電気を消して部屋を出ていった。
アイの登場で正気に戻ったメイは、
自分が裸になっていることと、
和真のズボンが
半分脱げていることに気づき、驚愕した。
ぼく!!先生に!!
落ち着いた?
すみませんでした
大丈夫。ここでしてもいいなんて言った僕が悪かったんだ
先生..
さあ、着替えて、今日は帰ろうか
はい
和真とメイは静かに服を整え、医務室を後にした。
部屋の中には、二人の複雑な感情が
まだ残っているかのようだった
つづく