異世界に戻ったメイは、もう一人の自分から
告げられた真実に驚愕していた。

自分の母親がこの世界を呪い、
魔獣を作り出していたという事実。

メイはこの世界の呪いを解くこと、
そして母を救うことを決意した。

手がかりを求め、メイはリディアを
訪ねることにした。

リディアは魔獣用の武器を作っており、
呪いに関して何か知っているかも
しれないと思ったのだ。

教会のドアを開けると、
リディアがぴょこんと顔を出した。

メイ

こんにちは

リディア

あれ、メイだ!

メイ

聞きたいことがあって

メイは呪いを解く方法を訪ねた。

リディア

呪いを解く方法?

メイ

國光様は呪いを浄化できるでしょう。魔獣を倒さずに呪いだけを解くことは出来ないの?

リディア

浄化は完全に魔獣化した者にはあまり効果がないからね。
魔獣の呪いには呪いで対抗することしか考えていなかったな

メイ

でも何か方法はないかな

リディアの様子が変わり、少し寂しそうな目をした。

リディア

・・・

メイ

リディアちゃん?

リディア

いいこと教えてあげる

リディアは自分の眼帯を外した。



そこにはくり抜かれた眼球の代わりに、
ドロドロとした奇怪な物体が動き回っていた。

メイはその光景に驚愕し
一言も発せられなかった。

メイ

!?

リディア

私の目は魔獣に食べられ、
そして呪われたの

リディア

私の村を魔獣が襲ったとき、隠れていた私は引きずり出されたの。

だけどその魔獣はすぐには命を奪わず、苦痛に震え、絶望の叫びを上げさせることで、
その恐怖をたしなむかのように楽しんでいたわ

リディア

動けなくなった私を見た魔獣は、私の目をえぐり出しはじめた、

私は激痛と恐怖の中、魔獣は私の目を食べていたのを見た、

リディア

意識が薄れたその時、國光様の
部隊が駆けつけて私を救くってくれた。
体は浄化されたけど、片方は呪われたわ

リディア

でもね、その結果、魔獣を倒すための武器が作れるようになったんだよ

リディア

だからね

リディアはメイの襟を掴み、怒りに満ちた声で

メイ

え?

リディア

呪いを解く方法なんてないんだよ

リディア

私の家族、村の人々を殺した魔獣を絶対許せない!

國光様と力を合わせて、すべての魔獣を滅ぼす!

メイはリディアの悲しい過去を知り、
その怒りと悲しみを感じ取った。

メイ

リディアちゃん・・・


リディアの目には、深い絶望と怒りが宿っていた。
彼女の過去は恐ろしく、そして悲劇的だった。

メイはその重さを感じながらも、
呪いが呪いを生むことを強く感じた。


呪われた魔獣もまた、人間に呪われ、
負の連鎖が続いている。

その連鎖を終わらせなければ
ならないとメイは決心した。

つづく

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