次の日、メイは再び副司令官に呼び出された。
深呼吸をしてから、

ドアをノックすると、
「入れ」という凌の冷静な声が聞こえた。

メイは緊張しながら部屋に入ると、
副司令官の凌が冷静な目で彼女を見つめていた。

副司令官 凌

今回の件については報告を受けている

副司令官 凌

だが、鷲尾司令官が言った、
魔獣の呪いを解くとはいったいどういうことなのか、説明してもらおう

メイは一瞬ためらい、視線を落とした

メイ

はい..それは..

言葉が詰まり、

どう説明していいのか分からなかった。
しかし、このまま黙っておくわけにはいかない。

心を決め、彼女は口を開いた。

メイ

私の夢に魔狼が現れ、私を導いたと言われました。

凌は眉をひそめた。

副司令官 凌

夢だと?

メイ

はい、昨日の魔獣も私に呪いを解けと言ったんです

副司令官凌

....

凌は少し困惑した表情を浮かべた。
まさか夢の話だとは思わなかったが、
すべてが嘘だとも言い切れない。

魔獣がメイを襲わないことを考えると、
その話が本当なのかもしれない。

副司令官 凌

呪いを解く方法を知っているのか?

メイ

それが、まだ分からないんです。

副司令官 凌

わからない?

メイ

はい、その方法までは教えてくれませんでした。

凌はしばらく考え込んだ後、静かに言った

副司令官 凌

夢の話は不可解だが、無視できない。どんな兆しでも見えたら速やかに報告しろ。

メイ

はい

凌はメイの手首や首に縛られ、
紫に腫れあがった痕を見つめ
その表情には深い後悔が浮かんでいた


霜月、すまない。私があの時、
お前の希望を受け入れていたら、こんなことにはならなかった…

メイ

違います、副司令官の責任ではありません!

メイは手首の痕を隠そうとした

命の危機を感じたはずだ

凌はメイの両手を握った。

メイはその温かさに少し安堵し、

メイ

でも、助けにきてくれると信じていましたから


その瞬間、メイの瞳から一滴の涙がこぼれ落ちた






凌はそれを見て、衝動的にメイを抱き寄せ
彼女の頭を優しく撫でた。

本当にすまなかった

メイ

ふ、副司令官....?





その瞬間、凌は冷静さを取り戻し、

距離を取りながら

副司令官 凌

あ、ああ、もう戻れ

メイは驚きと恥ずかしさを感じつつも、
部屋を後にした。一歩一歩が重く、

心の中で様々な感情が渦巻いていた。

副司令官凌

私としたことが!
なぜあんな事を?

自分の行動に驚き、深く反省した。

そんな時、静寂を破るようにコンコンと
ノックの音が部屋に響いた。

副司令官 凌

入れ

報告いたします。鷲尾司令官が自害したそうです。

副司令官 凌

何?自害しただと?

はい。彩の地では、大和副司令官が新たな司令官に任命されるとのことです

副司令官 凌

わかった

隊員は一礼して部屋を出て行った。

副司令官凌

あの鷲尾が自害しただと?あの時、命乞いまでしていたのに、なぜ急にそんなことを?

心の中で疑念が渦巻く中、
凌は窓の外を見つめた。
灰色の雲はますます重くなり、
まるで彼の心の中の不安を
象徴しているかのようだった

つづく

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