鷲尾は冷酷な声で命令を下した。

撃て!!

その瞬間、部隊の銃口が一斉に火を吹いた。
激しい銃撃が魔獣に降り注ぐ。

メイは目を閉じ、恐怖に震えながらも
魔獣の声が再び心に響くのを感じた。

メイの周りで戦場が沸き立っていた。
銃声が耳をつんざき、黒煙が立ちこめる中、

彼女は恐怖と混乱の中にいた。魔獣はその巨大な体で彼女を守るように覆いながら









「導かれし者よ、我らの呪いを解いて
解放してくれ...」

メイ

呪いを解く?どうすればいいの?

しかし、銃の煙が濃くなるにつれ、
魔獣の姿は次第に見えなくなっていった。

周囲の銃声と煙の中、やがて、銃撃が止み、
戦場に一瞬の静寂が訪れた。



煙が次第に晴れ、視界が開けてきたとき、
メイは恐る恐る目を開けた。



そこには信じられない光景が広がっていた。
魔獣の巨大な体は地面に倒れ、




その首は無惨にも切り落とされていた。
鷲尾は冷ややかな笑みを浮かべ、
血まみれの剣を手にして立っていた。

やったぞ、國光より先に討伐した

副司令官 大和

!!!

しかし、首のない魔獣がゆっくりと立ち上がる、その光景を見て鷲尾の顔色が変わった。

!!!

恐怖と驚愕が交錯する中、
鷲尾はメイの腕を強く引っ張り、
メイを盾にして後ろに後ずさりする。

メイ

ぐ!!

撃て!

号令をかけると、彩の地部隊は再び銃を構え、
魔獣に向かって一斉射撃を始めた。



銃弾の嵐が魔獣を襲うが、
それでも魔獣は立ち止まることなく、


怒りともに彩の地の部隊を薙ぎ払っていく。

メイ

やめて!呪いを解かなきゃ!

呪いを解くだと?

「やめて!!」メイは必死に叫び
続けるが攻撃は止まらず

鷲尾は苛立ちを露わにし、メイに銃を突きつけた

貴様、魔獣の言葉が分かるのか?

メイ

言葉は分からない、
でもそう感じたの!

貴様、魔獣か?

鷲尾は銃口をメイに向け、
引き金を引こうとした瞬間











部隊全体が青い光に包まれた。

な、なんだ?

大きな音とともに魔獣が一発の銃弾で倒れた。

國光の部隊が到着し、状況を一変させたのだ。















國光は激しい怒りを顔に浮かべて
鷲尾たちに近づいてきた。
蓮は、その冷たい銃口を鷲尾に向けている。

これは一体、何のつもりだ?

何を言っているんだ、こいつは魔獣だ。人間のふりをしているんだぞ!

お前たちには、我が部隊の者に手を出したら許さないと警告したはずだ!!

國光は、静かなる怒りの中で刀を抜き

殺す

その刃を空高く振り上げた。

ひぃ!ゆ、許してくれー!!頼む

國光の目は冷酷なまま変わらなかった。

その時、メイが鷲尾の前に立ちはだかり

メイ

國光様、
どうか冷静に考えてください

どけ!!

メイ

國光様、私なら平気です。どうか、人を殺めないで。この人達も同志のはずです!

メイの言葉は、國光の凍てついた心に静かに響き、その一瞬の沈黙が場の緊張を和らげた。

....

メイの言葉を聞いた國光の目に、
ようやく冷静さが戻る。

國光は刀を鞘に収め、後ろを向き

司令官 國光

さ、帰ろうか

「あ、リディアちゃんに
お土産もっていかなきゃね」と言いながら、

魔獣の死骸を拾うよう指示を出した。

蓮はメイを連れ、部隊と共に山を下りていった。

その場に残った凌は、鷲尾に問いかける。

副司令官

人間の振りをしている魔獣とはどうゆうことですか?

あいつは魔獣の言葉がわかるんだ。呪いを解くとかなんとか

副司令官

呪いを解く?

なあ、俺はこれからどうなる?

副司令官

今回の行為は、軍法会議にかけられることになるでしょう。國光様に逆らう行為は、
総帥に逆らうことに等しく、その罪の重さを十分に味わうことになるだろう

そ、そんな、ちょっと待ってくれ

副司令官

では失礼します






國光の部隊が去った後の静寂が、戦場に
残された者たちの間に重くのしかかる。

副司令官の大和は、その静けさを破るかのように鷲尾のもとへと歩み寄り、

彼の肩を優しく掴んだ

副司令官 大和

さあ立って、軍法会議のことでしたら私に任せてください

そ、そうだ、これはお前が全部やったことだ、お前が会議にかけられればいい

副司令官 大和

その通り、司令官は何も心配いりません、さあこちらへ、手当します

倒れた木の上に鷲尾を座らせ、
辺りを見回しながら、
大和は淡々とした声で言った。

副司令官 大和

それにしても多くの犠牲が出ましたね

ああ、しかしあの國光の隊員は魔獣なのか?

副司令官 大和

もうそれも気にする必要はありません

なんだって?どういう意味だ

大和は突如として銃を鷲尾に突きつけた。

あなたは終わりです

一発の銃声が、周囲の静寂を破壊した。
彩の地部隊の隊員たちは驚きながら
音のする方へと駆け寄ってくる。

副司令官 大和

司令官は責任をとり自害した

その瞬間、隊員たちの間には
動揺と不安が広がった。

だが、大和はその場を支配する冷徹な瞳で

一人一人を見つめ、力強い声で続けた。

副司令官 大和

これより、我々が新たな道を切り開いていく

副司令官 大和

犠牲を無駄にするな、全員、覚悟を決めろ。我らが未来を勝ち取る!

驚愕と悲しみの中で、それでも希望の
灯火を見つけた隊員たちは、
再び立ち上がり、前進を誓った。

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