夕刻、訓練場は静寂に包まれていた。
その一角で、メイは木刀を握りしめ、
一心不乱に剣の練習を続けていた。
「強くならなきゃ」という彼女の囁きが、
時折、夕暮れの風に乗って運ばれる。
振るうたびに木刀の重みが手に響き、
手の平を見れば、まめがつぶれ血がにじんでいた。
夕刻、訓練場は静寂に包まれていた。
その一角で、メイは木刀を握りしめ、
一心不乱に剣の練習を続けていた。
「強くならなきゃ」という彼女の囁きが、
時折、夕暮れの風に乗って運ばれる。
振るうたびに木刀の重みが手に響き、
手の平を見れば、まめがつぶれ血がにじんでいた。
練習が終わり、医務室に向かう途中、
メイの心は不意に和真との出来事を思い出した。
診察とは言え、彼に見つめられたあの瞬間が、
まるで映画の一コマのように脳裏をよぎる。
どうしよう、
なんか顔を合わせずらいな
メイはそっと医務室のドアを開けた
すみません..
返事はなかった。ほっとした様子で中に入り、
絆創膏を探し始める。
しかし、その時、背後から突然
抱きしめられる
泥棒捕まえた!
あ、ご、ごめんなさい、誰もいなかったから
今日はどうしたの?
実はまめが潰れちゃって
練習がんばってるんだね、
ここに座って
メイを椅子に座らせた。慣れた手つきで消毒と
包帯を巻いている姿にメイは関心していると
アイはメイの目をじっと見つめた。
....
?
霜月くんって男の子が好きなの?
え?!
だって和真先生を見る目が違うんだもん
そ、そんなことないよ..
メイは真っ赤になりながら答えた。
和真への感情がなんなのか、
自分でもよくわからなかった。
アイはメイの目を見つめながら、
ゆっくりと顔を近づけてきた。
…
アイちゃん顔が近い(;'∀')
アイのこと、嫌い?
と囁き、メイの膝の上に軽く乗った。
き、嫌いじゃないよ・・・
メイは動揺しながら答えた。
アイはその返事を聞くと、
上着のボタンを一つ一つ外し、
メイに近づいていった。
な、なぜボタンを?!
そして....そっと唇を重ねた。
こ、これ一体どうすば・・・!!まさか初キスの相手が女の子なんて
しかし、アイの柔らかく女性らしい体に触れると、
ふと自分がかつて女の子だったことを思い出した。
その感触は、遠い記憶の中で忘れ去られていた
何かを呼び覚ますようだった
ああ、これが女の子の身体なんだ・・・自分が女の子だったことなんて、忘れていた・・・
アイはメイの緊張が少し和らいだのを感じ取ると、
さらに深くメイの唇に舌を滑り込ませた。
メイは驚きながらも、その感覚に心が揺れた。
柔らかく暖かい唇と、生々しい舌の感触が
何とも言えず、頭の中が真っ白になっていき
思わず、アイを抱き寄せてしまった。
アイ・・・ちゃん・・・
んっ…
アイが小さく声を漏らしたその時、突然、
はーい、そこまで!
メイとアイは驚いて彼の方を振り向いた。
和真の顔には、少し困ったような
笑みが浮かんでいた。
せ、先生に見られた!?
アイちゃん、ダメでしょ
と言いながら、
アイの頭をポンと軽く叩いた。
ご、ごめんなさい。でも和真先生
霜月君はちゃんと男の子だよ
そう言いながら、メイの股間を指さした。
メイはその瞬間、羞恥心で全身が熱くなるのを感じた
自分が今、男の体を持っていることを改めて
意識させられ、言葉を失った。
…!!
和真はその様子を見て、
少し困ったようにため息をつき
アイちゃん。もういいから…
メイちゃん、これは男の子なら普通のことなんだよ。何も恥ずかしいことじゃないから、気にしすぎないで
だが、メイの心は複雑だった。
うつむきながら、低い声で
私を試したの?
え、違うよ、
試したとかじゃないよ
しかし、メイの心の中では、和真に
男の部分を見られたこと、
そしてアイにからかわれたことが
複雑に絡み合っていた。
その思いが一気に噴き出し、
メイは怒りと羞恥心で声を震わせながら、
もう二度と私にかまわないで!
と叫び、医務室を飛び出した。
アイはその場に立ち尽くし、
困惑した表情で
えー、どうしよう先生!
大丈夫、混乱してるだけだよ
医務室の外でメイが走り去る音が
かすかに聞こえる中、
アイちゃん、少し時間をおいてから、メイちゃんに謝りに行こう、
時間が経てば冷静になれるはずだよ
うん、そうする
つづく