本部の会議室では、緊迫した空気が流れていた。
今回の事件は、ただならぬ事態に発展していた
メイが襲われ、
魔獣によって一人が殺されたのだ。
その事実を前に、彩の国の司令官である
鷲尾が激昂していた。
本部の会議室では、緊迫した空気が流れていた。
今回の事件は、ただならぬ事態に発展していた
メイが襲われ、
魔獣によって一人が殺されたのだ。
その事実を前に、彩の国の司令官である
鷲尾が激昂していた。
どういうことだ!私の隊員が一人やられているんだぞ!
すぐにその魔獣を捕まえろ
國光は、冷静さを失わずに答えた
たしかに魔獣にやられたようだね
ですが、なぜ隊員たちは
人目につかないあの場所に
いたのでしょうか、そのうえ
我々の隊員が打撲で腫れ上がるほど暴行されていたのは、あなたの部隊が関与している可能性が高いと考えられますが。
それがどうした、単なる喧嘩だろう。お前らの隊員が無能すぎるんだ!
もし軍を出動しないというのなら、俺たちが討伐するまでだ。
この言葉に、國光は静かに目を細め、
鋭い視線を鷲尾に向けた。
魔獣を狩るのは好きにすればいいさ。しかし、次に僕の隊員に手を出すことがあれば...
な、なんだ?
僕は容赦しないよ。魔獣の前に君たちを殲滅させる
その言葉は氷のように冷たく、
相手の心を貫いた。
鷲尾は「くっ!」と思わず息をのむと、
その迫力に圧倒され、慌てて部屋を後にした。
よろしいんですか、この地で魔獣狩りをさせて
うーん。ま、先に見つけて討伐しちゃいましょう。
全く...
このやり取りの中で、緊張が高まる一方、
それぞれの立場と思惑が交錯していた。
鷲尾の激昂、國光の冷静さ、そして凌の懸念。
この三者三様の対応が、
今後の波乱に満ちた展開を予感させるのだった。
一方、メイはこの度の事件により、
3日間の待機命令を受けていた。
部屋で報告書に向かいながら
ふと窓の外を見る、
今頃、みんな魔獣討伐の準備してるのかな?
その声には、仲間たちと共に戦場に
立てない悔しさが込められていた。
メイは椅子から立ち上がり、
部屋の隅に置いてあった
練習用の木刀を手に取った。
病院で蓮と誓った、強くなるという思いと、
魔狼に言われた言葉を胸に、
メイは決意を新たにし、
静かに部屋を出て練習場へと足を運んだ。
こんにちは。作者のしおまるイカです。続きをご覧になる前に、蓮とのエピソードを追加しました。そちらを見ていただくか、読み飛ばして先に進んでも大丈夫です。
蓮とのエピソードは11話の下にある
「揺れる心、交錯する視線」です。
2人の距離がグッと近くなっちゃいますw
では引き続きお楽しみください。
蓮との練習が終わり
外に出ると、周囲を見渡し
「ここって意外と広いんだな〜」と感じた。
彼女の目に留まったのは、
見慣れない道の奥に建つ小さな教会だった。
教会がある
メイはそっとその建物に近づき、
中の様子を窺った。
目に飛び込んできたのは、美しく彫刻された
洋風のデザインが施された室内。
中は静寂に包まれており、
誰もいない様子だった。
メイは何かに引かれるように教会の中に入り、
椅子に腰を下ろした。
教会の静けさに包まれ、まるで暴行されたことや魔獣の討伐で味わった恐怖と苦しみが
嘘のように感じられる瞬間だった。
過去の傷はまだ癒えていないが、
この場所にいると少しだけ心が
安らぐのを感じる。
しばらくすると、メイのこめかみに
冷たく固い金属の感触が触れた。
「動くな」という声が背後から聞こえ、
メイは身動き一つできずに凍りついた。
恐る恐る後ろを振り返ると、
そこにはシスターが立っていた。
こんなところで
サボっている人発見〜
彼女の名前はリディア。
シスターの格好をしており、
目には眼帯をしている。
彼女の手には、見たこともない
美しい模様が入った銃が握られていた。
え、シスター?
教会なんだからシスターがいても可笑しくないでしょ
そっか...でもその銃は?
この銃は対魔獣専用の銃なのよ
この対魔獣専用の銃は、魔獣の鋭い歯や爪、
そして固い甲羅から作られている。
これらの魔獣は強力な呪いによって
護られており、そのために魔獣の体から
作られた銃にも同様の呪いが施されている。
この銃を使うことは一般の
人間にとって極めて危険であり、
使用するたびに使用者は呪われ、
最終的には命を落とすか、
あるいは魔獣へと変貌してし
まうことさえあるのだ。
このような銃を扱うには、
ただ強靭な体力と精神力を持つだけでなく、
魔力を浄化する能力も必要とされる。
メイたち隊員に与えられている銃は、
比較的力の弱い魔獣から作られたものであり、
呪いの影響はほとんどない。
しかし、
その銃は中級クラスの魔獣には効果が薄い。
リディアが制作する銃は、隊長クラス専用のものであり、霊獣の強大な魔力を秘めている。
部隊長の蓮や副司令官の凌もまた、
浄化能力に長けているが、
國光はそれをさらに超える別次元の
浄化能力を持っている。
彼はその能力を、魔力を籠めた銃や
刀を扱うことでさらに発揮する。
この特別な武器は、強大な魔獣との戦いで
絶大な効果を発揮し、
その持ち主にとっては貴重な戦力となるのだ。
メイがその特別な銃についての説明に耳を傾けていると、教会の重厚なドアがゆっくりと開いた。
その瞬間、美しい光が差し込み、
さわやかな風が室内を満たした。
風がメイの頬を撫でるように通り過ぎ、それとともに、そこに立っていたのは國光の姿だった。
リディアは目を輝かせながら「國光さま〜」と叫び、彼に駆け寄り抱き着いた。
國光もリディアを優しく抱きしめ、
彼女の高揚した気持ちを受け止めていた。
あ〜浄化されるぅ〜
メイはその温かなやり取りに微笑みを浮かべた。
その時、國光がメイの方を見て、
もう大丈夫なの?
は、はい!!
良かった。
國光さま、
新しい銃ができました〜
ほぉこれはこれは
國光はその銃から魔力の凄さを感じ取っていた。
試しに撃ってくださいね
そうだね、じゃあ行こうか。
メイちゃんも付き合って
私もいいのですか?
どうせ待機命令中でひまでしょ?
と冗談交じりに言い、三人は練習場に向かった。
つづく