よし、捜査を続けよう!

はい!鑑識の結果、あのベタベタしたものは特殊なプラスチックで、低温の熱に溶ける素材だってわかりました。
マジックなんかに使われることもあるそうです。

それに、ナイフが撃てるように
改造されていましたよ

フェリックス

なるほど、もう一度現場に行ってみましょう。











3匹は現場に向かった。そこではゲンとワトリーが竹とんぼで遊んでいた。

ポテトは興味津々でワトリーに駆け寄った。

あ!ワトリー、それなに?

ワトリーが竹とんぼを見せる一方で、
フェリックスはゲンに話しかけた。

フェリックス

ゲンさん、実はボウガンですが、やはり改造されていたようです。

ゲン

そうか

フェリックス

あのベタベタした液体は特殊なプラスチックで、
低温で溶ける素材だとか。マジックに使われるようですが、ご存じですか?

ゲン

低温で溶ける…ああ、それなら知っている。
そんなものは小道具置き場にいけば簡単に手に入るさ

フェリックス

そうですか、知っていたのですね

ゲン

ボウガンに使うとは誰も思わないだろう!

フェリックス

確かにそうですね

ゲン

それでここへは何か用か?

フェリックス

ええ、滑車を調べにきました

ゲン

滑車を?

フェリックス

滑車はもう修理されました?

ゲン

いや...まだだけど...
なぜ滑車を?

フェリックス

セリアさんが亡くなったのはリハーサル中です。しかしゲンさんはロープを繋いでいた滑車はまだ、安全確認中だと言っていました。

フェリックス

安全確認ができていないのに
リハーサルなどするでしょうか?

ゲン

俺は確かにリハーサル前に確認した!

フェリックス

ではあの滑車を下ろしてください

どういうことだ?ボウガンでロープを切ったのだろう

フェリックス

はい、あくまでも確認のためですから

その時、後ろの方で遊んでいた
ワトリーとポテトが突然、

あー!!

あー!!

ゲン

どうした?

竹とんぼが天井に引っかかったのだ。

ゲン

オレが取ってきてやる、待ってろ

フェリックスは手を挙げて制止した

フェリックス

いいえ、ゲンさんはそのままで。ワトリー、取りにいけますね?

わかったのだ。
高いところは得意なのだ!

ワトリー気をつけて!

フェリックス

ではゲンさん滑車を
下ろしてください

ゲン

ああ、いいけど、あと5分でここら辺は停電になるぞ

停電?

ゲン

さっき連絡がきた。夜に電気の工事をするんで、朝まで停電さ

フェリックスは即座に天井にいる
ワトリーに呼びかけた。

フェリックス

ワトリー、すぐに降りてきてください!

わかったのだ。

フェリックスは深く息をつき、周囲を見渡した。

フェリックス

今夜は泊りになりそうですね

マジかよ...

フェリックスの言葉を聞くと
ゲンは突然、ワトリーとポテトに
向き直り

ゲン

そうだ!

小道具箱の中から何かを取り出した

ゲン

ワトリー、ポテト、夕食の後に花火大会だ!

わーい、楽しそうなのだ!

ポテトも勤務中ではあるが、
その目は興奮で輝いていた。

ワクワク

一方、ジョセフは
フェリックスに向かって低い声で尋ねた。

なあ、ゲンが犯猫だと思っているのか?俺にはそうは見えないが……

フェリックスは、ワトリーたちと一緒に楽しそうにしているゲンを見つめながら答えた

フェリックス

はい。ですがゲンさんは何かを隠しています。




その時、突然辺りの電気が消えた。
工事による停電が始まったのだ。
暗闇の中、ろうそくを持ったエマが入ってきて

エマ

今日は泊まるのですか?

フェリックス

ええ、私はここで大丈夫ですので。

エマ

ゲストルームがありますので、そちらでお休みください。

フェリックス

しかし、現場を荒らされてしまうと困るのですが……

それなら現場の証拠確保のために監視をつけとくさ

フェリックスは少し安心した様子で頷いた。

フェリックス

そうですか、
それなら安心しました。

フェリックスたちは
エマに案内されてゲストルームへ向かった。

つづく

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