事件が発生した時、団長は事務所で
経理の仕事をしていた。一方、

マリーナとロイズは客席でセリアのリハーサルを見ながら、自分たちの出番を待っていた。

エマは照明を当てており、
ゲンは2階の部屋で小道具の整理をしていた。

そ、その……へ、蛇女さんは?

...

蛇女からの返事はない。


その様子をみてエマが代わりに答えた。

エマ

その時間は猛獣小屋の掃除をしていたはずです。時間通りに働いていますので。

そうか
(ホッ)

ロイズさんとマリーナさんは客席で見ていたんですね?

マリーナ

ええ、でも見ていたわけじゃなくて、自分の出番を待っていただけよ

ロイズ

僕もずっと見ていたわけではないよ

セリアさんに何か変わったところはありませんでした?

マリーナ

特にないわ……あ、そういえばさっき、ロープが刃物で切られたって言ってたわね

はい

マリーナ

ロイズはナイフの名手よ。吊るされたロープをナイフで切るなんて、余裕でできるはず

ロイズ

ちょっと待って!僕と一緒にいただろう!僕にそんなことできるわけがない!

マリーナ

さあ、どうかしら。ロイズが席を立った時があったわ、あの時にロープを切ったのよ

ロイズ

あの時はトイレに行ったんだ。それに、トイレから帰ってきた時にはまだセリアは生きていた

1階のトイレは
使用中止になっていたのだ

ロイズ

そうさ、
だから2階のトイレを使った

ゲン

そういえば、2階に来ていたな

エマ

ええ、ロイズを見ました

ロイズ

僕は何もしていない!

しばらくの沈黙のあと、マリーナは腕時計をちらりと見て、苛立っている様子だった

マリーナ

もういいかしら、私、
予定があるの

それでは、皆さん、どうぞお戻りください。また後でお話することがあるかもしれません。

団長グレイ

ジョセフさん、折り入って話がしたいんだが

ああ、いいだろう

ではボクも!

団長グレイ

ジョセフさんだけで結構です

そうですか…

フェリックスたちの調査を手伝ってくれ

そう言うと、ジョセフと団長は
他の部屋に向かった。

なぜボクが手伝いに回る?

では、私はもう一度2階の調査を。ワトリーとポテトで詳しく事件当時のことを調べてください

分かったのだ

ポテト、一緒についてくるのだ。

はぁ。

ポテトはしぶしぶワトリーの後を追ったが、
突然立ち止まり

ん?ちょっと待って。普通ボクが先に行くべきでしょ!

そうなのか、
ポテトはお手伝いなのだ?

手伝いはあなた達のほうですからね!

分かったのだ

しかし、ポテトは再び立ち止まり、
もじもじとしながら聞く。

あ、あの、それでどこに行けば……?

まずは詳しく事件当時の事を聞きにいくのだ。

わかった、行こう!

二匹は肩を並べて歩き出し、
事件の真相解明に向けて動き出した。

ワトリーとポテトは、エマがいる猛獣小屋に
向かった。小屋の中から猛獣の
唸り声が聞こえると、ポテトはワトリーの
後ろに隠れた。

今唸り声が...!!

いないのだ

べ、別の場所に行こうよ

その時、ポテトは背後に不気味な気配を感じ
ゆっくり振り向くと...

...

ぎゃぁぁぁぁ!

ワトリーもびっくりして振り向いたがすぐに
鉄仮面の猫に気づき笑顔で尋ねた

エマはどこにいるのだ?

...

ワトリーは怖くないのか?

君の名前は?

...

その時、エマが小屋に戻ってきて2匹に声をかける

エマ

名前はカオリよ。私が名付けたの。ほとんど言葉は話せないわ。

そうなのか

エマ

ええ、こちらが言っていることは少しわかるみたい

な、なんで鉄の仮面を?

エマ

ふふ、知りたい?その仮面の下を見ればわかるわよ

ワトリーはカオリの包帯でぐるぐる巻きにされた手足を見て、心配そうに尋ねた

怪我をしているのだ?

エマ

いいえ、こうしないとみんな
不気味がって近寄らないのよ。

そうなのか..
でもエマはカオリの
友達なのだ

エマ

友達?団長に頼まれて面倒を見ているだけ、私は猛獣使いだから

猛獣ってクマとかライオンとか?

エマ

今はトラとライオンだけがいるのよ。

怖くないんですか?

エマは怖がっているポテトに優しく話しかけた。

エマ

知ってる?私たち猫は、トラやライオンの祖先とも言える存在なのよ

エマ

だから、彼らよりもずっと長い歴史を持っているの。

エマ

私たちの本能には、
彼らを制する力が
宿っているのよ。だから、
何も怖がる必要はないわ。

で、でも食べられたりしたら...そう思うと怖いですよ

エマ

私は猛獣使いよ。

そう言うと、小屋から一本の
釣り竿のようなものを持ってきた。

その先にはふわふわした毛玉がついている。

それをゆらゆら揺すると、
ポテトとワトリーが反応した。

な、なんだ、体が勝手に…!!

目が離せないのだ!!

二匹はそう言いながら
毛玉を追いかけて遊び始めた。

つづく

こんにちは。作者のしおまるイカです。
亡くなったセリアさんの画像をアップするのを忘れてました。
1話にアップしました。
戻るのが面倒くさい方はこちらに貼っておきましたので見てくださいね

とても美しい方ですね。

美しいが俺のタイプではないな

別にあなたのタイプは聞いてませんけど?

先輩は今流行っている
アイドルグループ
「私たち♡爪とぎ姫猫ちゃん」に夢中ですもんね!

これからイベントがあるんだ
だからこの事件をさっさと片付けたいのさ

先輩、まさかもう犯猫の目星が!?

え?いや...それはまだ...

先輩、本当にすごいです!捜査らしい捜査もしてないのに、もう犯猫を見つけたなんて!

お、おぅ。。
(ここは一旦逃げよう)

この2匹は放っておきましょう
では引き続きお楽しみください

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