屋敷の地下室は冷たく、静まり返っていた。
その陰で、ジョセフは息を潜めながら、
ジミーと社員の会話を盗み聞きしていた。
社員が驚きの声を上げる。

やったなジミー、
まさかこんなぼろ屋敷に高価な
絵画が眠っていたとはな

おれも驚いたよ、どうりであの
イーサンが売りたくないはずさ、

会社の命令じゃなければ
俺たちで山分けできたのによ

そうだな

これを持ち出したらここに火をつけてすぐに逃げよう

ああ、それにしても住民を追い出すために放火するなんて危ない奴だな

放火といっても脅しただけで本気で家を燃やそうとは思ってないさ

ここに警察がいるとも知らず、バカなやつらだな

残念だったな

!?

そ、そんな...嘘だろ

そして、この会話が決定的な証拠となり、
ジミーと社員は警察に捕まることとなる。

じゃあ、
あとは署で話を聞こうか。
(くぅ~キマった!)

ジミーと社員は、
ジョセフに連れられて屋敷を後にした。

ワトリーありがとう
君のおかげでこの屋敷が守られたよ

ワトリー

歴史的な建築物だと聞いたのだ、守られてよかったのだ

その時、ワトリーの目がふと2階の窓に留まった。

窓辺には、ひとりの少女が立って
いるように見えた。彼女は静かに外の景色を
眺めているようだった。

ワトリー

あれ、イーサン、
人形を忘れてるのだ

人形?出した覚えはないけど

それは確かに不思議な事だった。ワトリーは
もう一度、確認するために2階の窓を見上げたが、そこにはもう誰もいなかった。
ただの一瞬の幻だったのだろうか。

あれは一体何だったのか、ワトリーにはわからなかった。しかし、何か不思議な気配を
感じ取っていた。それでもワトリーは、
屋敷に向かって手を振った。

のちに、ジミーは企業から大金をもらい、住民を追い出すよう命じられていたと告白した。
その告白は、この地域に住む人々にとって
衝撃的なものであったが、
同時に彼らが直面していた
脅威が去ったことを意味していた。

この事件により、開発の話は水泡に帰した。
住人たちは、一時は追い出されかけた地区に、
再び戻ってくることができた。

ジョセフの評価は、この事件の解決によって大いに上がり、彼の名は警察署内外で尊敬を集めるようになった。そして、その成功の陰で、
ワトリーも協力者として表彰されたのだ。

屋敷周辺の住人たちも、この二匹に深い感謝の意を示していた。事件が解決した後、彼らは会長の家の前に集まり、感謝の言葉と共に手作りの料理や花束を持ってきた。ワトリーは戸惑いながらも、心からの喜びを感じていた。

ワトリー、ジミー達がなぜ絵画を盗みに来るとわかった?

ワトリー

開発を進める上で屋敷を壊さないといけないのだ、その前に価値のある絵画を手に入れようとするはずなのだ

ワトリー

地下に絵画があるの
を知っているのは
イーサンとジミーだけなのだ

それでジミーを張っていたんだな

ワトリー

そうなのだ、会社のトラックで出かけたからきっと盗みに行くと思ったのだ

ワトリー

ジョセフに屋敷で見張っていてと言ったけどまさか地下にいるとは思わなかったのだ

フッ、警察官の感ってやつさ

ワトリー

ジー

な、なんだ?

ワトリー

ジミー達が来なかったら盗もうとしていたとか?

ば、バカ言うな!

さーて仕事、仕事、俺はヒーローだからな♪

ワトリー

怪しいのだ

結果的にジョセフの行動が、
犯罪の解決につながったが、
ジョセフの真の目的は不明だった
つづく

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