深夜の静けさが屋敷を包む中、ジョセフは不敵な笑みを浮かべながらその古びた扉を押し開けた。
深夜の静けさが屋敷を包む中、ジョセフは不敵な笑みを浮かべながらその古びた扉を押し開けた。
あの幽霊が人形なら怖くはないな、どれどれ高価な絵画を拝みに行こうかヒヒ...
ジョセフの目的は、この屋敷の地下に眠ると聞いた絵画たち。月明かりさえも届かないその
暗がりに、一歩踏み入れた。
一方、ワトリーは別の戦いに身を投じていた。
会長が土地を売る決意を示したのだ、
周囲の住人たちもそれに納得し始めた今、
ワトリーは下請け会社への張り込みを続けていた。どうにかして、その裏で糸を引く猫が現れる瞬間を捉えようとしていたのだ。
何か動きがある
はずなのだ!
その夜
屋敷に1台のトラックが静かに近づく。
地下へと向かう影が2つ。
ジョセフの目論見とは別の、
何者かが絵画を持ち出そうとしていた
美術品を持ち出しトラックへ運んだ
その瞬間
ライトが彼らを照らし出した。
そこまでだ
動くな!
?!
ライトの中には、
ジミーと下請け会社のネコがいた。
ジミーやっぱり嘘を
ついていたのだ
こ、これは...その...
そこに不動産屋のイーサンが現れる
その絵画をどうするつもりですか?
た、大切な絵画を保管しようと思っただけさ
??
ジミーなんだこいつらは?
そ、それは
...
ジミーは下請け会社と結託して住人を追い出そうと計画をしていたのだ
そんな矢先に貴重な絵画が眠っていると知り、屋敷が取り壊される前に盗み出そうとしていたのだ
違う聞いてくれ!
た、確かに
絵画に興味はあるが、
住人を追い出すなどということはしていない
それはそこのイーサンの仕業だ
イーサンは屋敷を売る
気なんてない
ワトリーも知ってるはずだ!
何を言っている?私はこの屋敷の真の価値を理解する者にのみ、屋敷を売却するつもりだ
絵画がトラブルの元になることを避けるために、適切に保管していただけのことだ
イーサンは
2階に人形を置いて、幽霊に見せかけるよう仕組んだ。誰もこの屋敷に近づけないように、私に頼んできたんだ。
いたずらにこの屋敷に入られては困りますから、あなたに頼んだのです。
それに、放火事件もイーサンの仕業だ。2階には放火に使われたタンクがある。それが証拠だ
タンク?
なんのことだ?
ジミー、それはもともとジミーが持っていた物を2階に隠したのだ
俺が持っていただと?
俺はそんなもの知らないぞ
おかしいと思ったのは
ジミーの物置が放火された時、奥の方が異常に燃えていたのだ。外に破裂したタンクがあって、それは除草剤だと言っていたのだ。
そ、そうだあれは除草剤だ
除草剤であればジミーの家の庭は破裂し散布された除草剤で近くの花や植木が枯れてもおかしくないのだ
でもジミーの庭はきれいなまま
花や植木は枯れていなかったのだ
なっ!
それにあのタンクに描かれていた会社のロゴは下請け会社の取扱製品だったのだ
除草剤なんかじゃない。あれは下請け会社からもらった可燃性の液体タンクだったのだ
ま、まて、そもそも火事があった日にワトリーといただろう、アイリバイがあるんだぞ
そのトリックはこうだ。最初にジミーの
家に行ったとき、棒のようなものが燃えた
跡を見つけた。そこから、他の物とは違う
微かな香りがしていた。
それはバーバラの家にあった
お香だったのだ
ジミーはそれを火薬だと言っていたが、火薬を使うと着火が早すぎてしまう。しかし、お香であれば風の影響を受けにくく、また燃焼時間もゆっくり取れる。そのお香を使って、燃え尽きた先に燃焼する液体がばらまかれていた
お香が燃えつきるまでに誰かに会う必要があった
ちょうどボクたちが見回りをしていたのを知っていたジミーはわざと怪しい振りをして屋敷に入ったのだ
そんなのデタラメだ、俺がやったという証拠にはならない!
ワトリーはさらに追及する。
今回、会長にお願いしてわざと家の土地を売るという噂を流した。その噂を聞いて、きっと
裏でつながっている猫に動きがあると
思って張っていた。
それがジミーだったのだ
だからなんだ。俺が繋がっているなんて証拠はない。そのタンクだけが証拠だとでもいうのか?
その時、ジョセフが静かに口を開いた
それは私が聞いた。まんまと屋敷の絵画を盗みに来たジミーと
そこの社員の会話をな!
(キマった)
この夜、古い屋敷で繰り広げられたドラマは、
真実と嘘、信頼と裏切りが複雑に絡み合い、
やがて明かされることになる。
つづく