ワトリーは、心地よい香りが漂うミルクテールにいた。店内はいつものように暖かく、店長のエミリオと親友のエイミーが、彼の隣に座っていた。ワトリーはあくびをしながら、
どこか眠そうな様子を見せていた。

ワトリー、あれから毎日見回りしてるのか?

ワトリー

うん。町内の住人達と見回りしているおかげで、まだ放火はされてないのだ

エイミーは優しく微笑みながら言った。

ワトリーくん偉いわ。住人たちまで動かすなんて、きっとワトリーくんの行動に心を動かされたのね

ワトリー

エイミー、ありがとう

エイミーは目を輝かせ

そうだ、今日は私も参加するわ。なんかドキドキしちゃう

ワトリー

でも、エイミーに何かあったら
彼氏が心配するのだ

うふふ。大丈夫、今日は絶対ついて行くんだから

ワトリー

わかったのだ、エイミー、ボクについてきて

ワトリーくん私を守ってね♡

なんだこの2匹

夜、見回りの時間になり、
エイミーとワトリーは街を見回っていた。
エイミーは怪しい猫影を見つけた

ワトリーくんあれを見て

ワトリー

ん?あれは

1匹でこそこそ足早に歩いているわ

ワトリー

後をつけてみるのだ

2匹が着いていくと、その影は
廃墟の中に入っていった。

ここがあの廃墟ね

ワトリー

あやしい奴がいなくなったのだ

中に入ったのかしら?
窓からそーっと覗いてみましょう

2匹は勇気を出して中を覗くと、ジミーの姿が
あった。ジミーはライターの火をつけ、
何かを燃やそうとしていた。

ワトリー

ジミーだ!

怪しい奴だわ!!

エイミーは窓を壊して叫んだ

何をやっているの?

びっくりしたジミーは腰を抜かした。

うわぁああ

中に入ると、ジミーは慌てて言った。

お、おれは頼まれている
ここの管理人だ

こんな時間になんで
ここに来たのだ?

見回りしろって言ったのはお前だろ。屋敷も俺が管理人なんだから、見回りに来たんだよ

2匹は顔を見合わせ、納得した。誤解が解け、
一件の不穏な空気が和らぎ、ワトリーとエイミーはまた一つ、街の猫との絆を深める出来事を
経験したのであった。

ちょっと待て!何を締めようとしてるの?ここの窓どうするんだよ!

ワトリー

ごめんなのだ、ちゃんと直すのだ

ごめんなさい

ま、まあオレも1匹でコソコソ来ちゃったから...

ワトリー

どうしてコソコソしたのだ?

あの近所のおばさんに見つかるとうるさいんだよ。

屋敷を売ろうと協力してるとか言われてさ

近所のおばさんバーバラ

その時、遠く住宅街の方角から消防車のサイレンが響き渡る。三匹は慌てて音のする方へ走った。

目の前には炎に包まれた一軒の家があった。
それは、なんとジミーの家の物置小屋だった

なんてことだ...

つづく

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