ワトリーとジョセフは、屋敷を後にし、焼け跡近くの道を歩いていた。空気はまだほのかに焦げた匂いが漂っており、二人の足取りは重かった。

ワトリー

じゃあこれから見回りをするのだ

え?これから

あ、そうだ。オレは警察署に帰って仕事があるから、ワトリー、あとは頼んだぞ。何かあったらすぐに知らせてくれ

ワトリー

わかったのだ...

ところでお前の相棒はどこいった?あの鼻につくやつ

ワトリーは一瞬言葉を失い、口ごもった。

なんだ、喧嘩でもしたのか?

ワトリー

この前、ヴィクターの依頼でルビーと会ったのだ、そのお礼がしたいってフェリックスがルビーを訪ねたのだ。

ワトリー

そしたら、ルビーがしばらく私のボディーガードしてほしいって

ワトリー

ボクも行こうとしたけどルビーに

フェリックスと2匹になりたいの、わかるわよね?

くそぉ~うらやましい奴め!

ワトリー

だからフェリックスが留守の間ボクが街を守るのだ

なるほどな、
しっかり見回りしろよ

ワトリーは一匹で屋敷の周辺地区を見回り始める。静かな夜、何かがこの平和を乱す気配はないかと警戒していた。すると、怪しい動きをする
猫影が見えた。ワトリーは慎重に近づき

ワトリー

何しているのだ?

わぁびっくりした

ワトリー

ボクは探偵のワトリーなのだ
連続放火事件の調査をしているのだ

この地区を出るんだ、内緒だぞ

そう言いながらおじさんは重い荷物を運んでいた

ワトリー

なんでこんな時間に引っ越すのだ?

おじさんは重たい荷物を地面に下ろし、
ため息をついた

ここ最近の放火事件しってるだろ?あれから夜も眠れなくてな。いつ自分の家が火事になるか怖いんだよ。すぐにでもここを出なきゃ

ワトリー

ボクが毎日見回りするから大丈夫なのだ

何いってるんだ。一匹で見回っても無駄だよ。犯人は土地勘があるやつだ。直ぐに逃げられるさ

しかも犯人が近所にいるとなるともう怖くて怖くて

その時、後ろから声が聞こえた

ジミーどこへ行く?

会長

声をかけたのは自治会長のチャールズだった

気持ちはわかるが、ここにはまだ住人がいるんだ。ここはひとつ、この探偵さんと一緒に街の見回りをみんなでしないか?

しかし、見回ってる間に、火事になったらどうするんだ?

だから手分けをして見回り、犯人に警戒させるんだ

ワトリー

会長、ありがとう。みんなでここをまもるのだ。

ジミーは納得がいかない様子だったが、会長の提案によって、仕方なく引っ越しをやめ、
その場にとどまることを決めた。その夜、街の猫は初めての共同見回りを行い、お互いの絆を深めながら、不安を少しでも和らげようとした。ワトリーの提案が、猫たちに新たな希望をもたらしたのだった。

つづく

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