フェリックスは、目の前に座るアレクに向けて、手紙を差し出した。

フェリックス

アレクさん、この手紙に見覚えはありますか?

アレクは眉をひそめながら、その手紙をちらっと見ただけで、冷たく言い放った

アレク

さぁ、見たこともないですね。

フェリックス

ではこの金のキーホルダーはどうでしょうか?

フェリックスはスマートフォンを取り出し、金色に輝くキーホルダーの写真をアレクに見せた

アレク

全く知りませんね。

フェリックス

そうですか。この手紙とキーホルダーは失踪した少女たちに送られていたものです。

アレク

私には関係ありません

アレクの声は平坦で、
まるで事務的な応対のようだった。

フェリックス

以前、オリバー君のサインをあなたからいただきました。

アレク

ええ。覚えていますよ

フェリックス

その色紙にある肉球紋と、
この手紙の肉球紋が一致していたとすれば…

アレク

バカバカしい、そんなはずないだろう!

フェリックス

はい。この送り主はとても慎重な方のようです。肉球紋は一切残っていませんでした。

アレクは立ち上がり、声を荒げた。

アレク

では何の証拠もなしに来たのか? 仕事の邪魔だ、帰れ!

しかしフェリックスは動じず、
決定的な情報を提示した。

フェリックス

管理長はあなたからこのキーホルダーを持った少女が現れたら人間界のゲートを開けるよう言われていました。

アレク

ふん、くだらない。私がそんなことを言うわけないだろう

そのとき、扉が開き、
ワトリーが息を切らせながら入ってきた。

ワトリー

フェリスあったのだ!

ワトリー

アレクのパソコンからアイドルやモデルになりすましてメールのやり取りをしていたのだ。

アレク

それが何だと言うのですか?マネージャーがタレントに代わってファンへの営業活動をしているだけですよ

アレク

この業界では珍しいことではない

フェリックス

実はこの手紙をもらった少女は、友達に目印となるキーホルダーを渡してしまったようです

フェリックス

犯人は選んだはずのネコとは異なる少女が現れ、誤って人間界へ送ってしまった。犯人は焦り、他のターゲットを探しているはずなんです。

アレク

面白いな、そんな証拠があるなら見せてもらおうか。まさかメールのやり取りで犯人扱いしてるわけではないだろうな。

つづく

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