薄曇りの空の下、フェリックス、ワトリー、ジョセフの3匹は、街で一番洗練された外観を誇るタレント事務所のガラス扉を押し開けた。清潔なロビーは、受付の猫が彼らの出で立ちを見て、ほんの一瞬だけ表情を固めた。だが、ジョセフが警察であると名乗ると、即座に内線電話を取り、
緊急性を込めた声で何者かを呼んだ。

間もなく、部屋からアレクが現れた。
ジョセフは一歩前に出て、容赦ない口調で告げた

アレクだな。連続少女失踪事件の容疑でここを捜査する。

アレク

なんだって!!

管理長が白状したんだ。お前に頼まれて、あの日ゲートを開けたってな。

アレク

いったい何の事ですか?私にはさっぱりわかりませんよ

フェリックス

こんにちはアレクさん

アレク

何のつもりだ!こんなことをするなんて、訴えるぞ!

フェリックス

ジョセフ、私は少しアレクさんと話がしたいんだが

ああ、手短にな。俺たちはとにかく事務所の捜査をする。

アレクとフェリックスが部屋に残されると、空気が一変した。フェリックスはアレクに近づき、その目をじっと見つめた。アレクは何かを隠している、フェリックスの直感がそう告げていた。そして、この対峙が真実を引き出す鍵となることを、フェリックスは確信していた。

つづく

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