フェリックスとワトリーが、古びた石畳を歩きながら、アイスクリーム屋さんに足を運んだ。午後の陽光が窓ガラスに反射し、店内は温かみのある光で満たされていた。

フェリックスはこの時間にある猫が
訪れることを知っている。
それは街のゲートを厳重に管理する、
管理長ウィリアムだった。

フェリックス

こんにちは管理長さん

ワトリー

こんにちはなのだ

フェリックス

今日はお嬢さんと
一緒ではないようですね

管理長

なんだまた君か
いきなり失礼じゃないか。

フェリックス

休憩中すみません。

フェリックス

少しお話よろしいですか?

ため息をつきなら、管理長は応じた。

フェリックス

実はこの前、管理局にお伺いしたら偶然、オリバー君が来ていまして、ロビーが大変な騒ぎになっていました。

管理長

そうですか
いつものことです

フェリックス

その後、マネージャーさんと
話す事ができまして、
サインを貰えたんです。

管理長

あのマネージャーがあなたに?

フェリックス

ええ。
ちょっと強引なやり方でしたが。

フェリックスの顔には満足げな
微笑みが浮かんでいた。

ワトリー

そんなこと聞いてないのだ

管理長

それが何か?

フェリックス

管理長もサインを貰いましたか?

管理長

ええ、娘にせがまれてね

フェリックス

あのサイン、偽物じゃないかと
疑ってます。

管理長

偽物?

フェリックス

はい。マネージャーからもらった時に、紙袋の中に何枚もサイン色紙が入ってました。そしてマネージャーの手にはインクがついていたので、もしかしたら偽物かなと

管理長

あの雄猫がやりそうな事ですね

管理長

私のは本物です。直接書いてもらえましたから、娘もすごく喜んでくれてね。

フェリックス

そうですか、ところで...

つづく

pagetop