フェリックスとワトリーが、古びた石畳を歩きながら、アイスクリーム屋さんに足を運んだ。午後の陽光が窓ガラスに反射し、店内は温かみのある光で満たされていた。
フェリックスとワトリーが、古びた石畳を歩きながら、アイスクリーム屋さんに足を運んだ。午後の陽光が窓ガラスに反射し、店内は温かみのある光で満たされていた。
フェリックスはこの時間にある猫が
訪れることを知っている。
それは街のゲートを厳重に管理する、
管理長ウィリアムだった。
こんにちは管理長さん
こんにちはなのだ
今日はお嬢さんと
一緒ではないようですね
なんだまた君か
いきなり失礼じゃないか。
休憩中すみません。
少しお話よろしいですか?
ため息をつきなら、管理長は応じた。
実はこの前、管理局にお伺いしたら偶然、オリバー君が来ていまして、ロビーが大変な騒ぎになっていました。
そうですか
いつものことです
その後、マネージャーさんと
話す事ができまして、
サインを貰えたんです。
あのマネージャーがあなたに?
ええ。
ちょっと強引なやり方でしたが。
フェリックスの顔には満足げな
微笑みが浮かんでいた。
そんなこと聞いてないのだ
それが何か?
管理長もサインを貰いましたか?
ええ、娘にせがまれてね
あのサイン、偽物じゃないかと
疑ってます。
偽物?
はい。マネージャーからもらった時に、紙袋の中に何枚もサイン色紙が入ってました。そしてマネージャーの手にはインクがついていたので、もしかしたら偽物かなと
あの雄猫がやりそうな事ですね
私のは本物です。直接書いてもらえましたから、娘もすごく喜んでくれてね。
そうですか、ところで...
つづく