朝焼けが窓からこぼれ、ワトリーは事務所の
ソファーで小さな寝息を立てていた。その姿は、長い夜の疲れを感じさせるものだった。
フェリックスは、そんなワトリーを見つめながら、昨日ヴィクターに言われた言葉が心を刺す

「早くミミちゃんを見つけなくては」
という使命感が、胸を締め付ける。

そっと、ワトリーの肩を揺すり、
眠りから覚まさせる。

フェリックス

ワトリー起きてくれ話があるんだ

ワトリーはのんびりと目を開け

ワトリー

ん...何の話なのだ?

フェリックスは昨日の出来事を落ち着いて
語り始めると、ワトリーの目が徐々に
現実に焦点を合わせる。

ワトリー

わかったのだ、一度リリーちゃんに聞いてくるのだ

フェリックス

頼んだぞワトリー

2匹は事務所を後にし、朝の光を浴びながら歩き出す。街は目覚め始めていたが、彼らにとってはもっと別の意味での目覚めが待っている。いよいよ真相を解明する時が訪れようとしていたのだ。

話は戻り昨日の深夜

フェリックスがヴィクターの情報を聞き、事務所に帰ると、ワトリーが興奮気味に

ワトリー

フェリックス
泥棒の話を聞いてきたのだ

ワトリー

とんでもない事実を
知っていたのだ

フェリックスはコートを脱ぎながら、
深く息を吸い込んだ。フェリクスの心は、
ワトリーの言葉によって
一層高鳴りを感じていた。

フェリックス

落ち着いてワトリー
事実とは?

ワトリーの報告は、泥棒からの証言だった。
興奮気味に話していたワトリーだが
全て話すと安心したのか
倒れるようにソファーで眠ってしまった

フェリックスは、ワトリーの静かな寝息を背に、壁に掛かった時計の秒針が刻むリズムを聞きながら、深く考え込んだ。そして、心には確信が宿る。眠れる街が夜明けを迎える頃には、事件の解決への糸口が、手の中にあるだろうと。

つづく

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