深夜、フェリックスは、ヴィクターのバーへと足を運んでいた。絨毯が敷き詰められた長い通路を抜けると、VIPルームへと案内された。
扉を開けると、
そこには、ヴィクターが待っていた。

ヴィクター

仕事が早いね探偵さん

ヴィクターが微笑みながら言った。
フェリックスは冷静に

フェリックス

はい、ジョセフが素直に応じてくれました

ヴィクター

あのジョセフが?

ヴィクターは鼻で笑った

ヴィクター

それで?

フェリックス

ジョセフは盗品を横取りして売りさばいていたようです。これはその写真です

ヴィクターはその写真をじっと見つめ、
「やはりな」とつぶやいた。ヴィクターの
瞳には、確信とも取れる鋭さが宿っていた

ヴィクターは近くにいた部下に目で合図を送る。部下は、無言で頷き、その写真を持ち、
部屋から出ていった。しかし、そんな事実を追う暇はない。今、フェリックスにとって
重要なのは、ヴィクターが握る情報だ。

フェリックス

これで仕事は終わりました
今度はあなたの番です

ヴィクターはしばしの沈黙の後、「いいだろう」と応じ、人間界に関する秘密の情報を
フェリックスに語り始めた。
その話にフェリックスは、
焦りと憤りを隠せずにいた。

部屋から出ようと扉を開けた瞬間、
後ろからヴィクターが

ヴィクター

フェリックス

ヴィクター

急いだ方がいい

フェリックスは無言で頷くと、
足早にその場を後にした。

つづく

47話 ヴィクターの依頼解決編

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