オリバー君とマネージャーが個室へと
姿を消すと、管理局内は先ほどまでの熱狂が嘘のように静寂に包まれた
オリバー君とマネージャーが個室へと
姿を消すと、管理局内は先ほどまでの熱狂が嘘のように静寂に包まれた
そうだ、以前オリバー君からサインをもらったんですよ、見ます?
ノアは明るい声を上げた。
彼の目は嬉しさで輝き、
受付の棚の奥を探り始める。
あった、これです
ノアがサインを見せようと振り返ったとき、
フェリックスの姿はそこになかった
あれ?
一方、フェリックスは密かに
オリバー君の個室へと足を運んでいた。
コンコン
はい
あなたは?
私はフェリックスと申します。
この街の探偵です
探偵?何の用ですか
オリバー君のサインをいただきたくて参りました
サインだと?
ダメに決まっている、帰れ!
奥からオリバー君の声がした。
誰?
なんでもない、探偵が単にサインを求めているだけだ
へぇ、探偵さんってボク興味ある
中に入って!
オリバーの言葉に、マネージャーはすぐさま
素性もわからない者と
話してはダメだ
えぇ、少しぐらいいいだろう
待ち時間、暇なんだよボク~
だめだ
マネージャーは最終的には
部屋の奥からサイン色紙を取り出し、
これをあげるから帰ってくれ
これは?
オリバーのサインだ!
帰れ!
バタンと扉が閉まりフェリックスは
手にしたサイン色紙を見つめながら、
何やら思案にふけるのだった。
つづく