重苦しい空気の中、
フェリックスが冷静に追及を続けた

フェリックス

人の世界へ足を踏み入れるには、一定の手続きが必要です。
でも記録にミミちゃんの名は見当たりませんでした。

フェリックス

もしかして、あなたは正規の
ルート以外で人間の世界に行く
方法をご存じなのではありませんか?

マリアンヌ

知らないわ、私は不正に
人間の世界へ行ったことはない

フェリックス

では正規の方法で
行ったというのですね

マリアンヌ

もちろん。不正はしてないわ

フェリックス

エドワードに会いに?

マリアンヌ

ええ。でも会えなかった

マリアンヌはわずかに目をふせ、
その顔は望みを失った顔だった

フェリックス

あなたにもう一つ聞きたいことがあります。

フェリックス

私が最初にここへ調査に来た時、ミミちゃんが人間のアイドルに
夢中になっている事を教えてくれましたね。

マリアンヌ

はい。

フェリックス

どうして秘密にして
おかなかったのですか?

マリアンヌ

それは...

マリアンヌは答えようとしたが、
言葉は喉の奥で詰まってしまう

フェリックス

罪悪感からですか、それとも人間の世界に行ったとなればご両親も諦めるだろうと思ったからですか?

マリアンヌの目から涙がこぼれ、
自分を責めながら、彼女は話した

マリアンヌ

わたしが、あの時ミミちゃんに
そんなことを伝えなければよかったのです。。

マリアンヌ

自分の過ちが彼女の行方に
影響していることは、
よくわかっています...

その声は、後悔と自己非難に満ちていた。
フェリックスはその言葉を静かに受け止め、
深いため息をついた。

つづく

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