夕暮れ時、街の灯りが一つまた一つと点る頃、
フェリックスと助手ワトリーは、
足早に警察署へと向かっていた。
彼らの目的は一つ。
失踪したミミちゃんに関する手がかりを
求めること。

フェリックス

こんにちは。私は
フェリックス・シャープクロウと申します

ワトリーはフェリックスの後ろに隠れている。

ジョセフ

何か用か?

フェリックス

実は、ある猫の行方について聞きたいのです。彼女は
ミミちゃんという名前です、
彼女が行方不明に
なっているのですが、あなたは
彼女のことを知っていますか?

ジョセフ

ミミちゃんという猫?ああ、
彼女の両親が捜索願いを出していたな。

フェリックス

そうですか。では、彼女の
捜索について何か進展は
ありませんか?

ジョセフ

さぁ、他にもたくさんの仕事が
あるからねぇ、彼女はただの家出だよ。すぐに戻ってくるさ。

フェリックス

そうではありません。彼女は家出ではなく、何か危険な目に
あっているかもしれません。
彼女は人間のアイドルに
興味があって、人間の世界に
行ってしまったのではないかと
推測しています

ジョセフ

人間のアイドル?ふん。我々は猫の世界の治安を守るのが仕事、
人間の世界に行ったとしても、手出しはできない。それに、
人間の世界に行くには、
特別な許可が必要だろう
彼女はそんな許可を持っていたのかね。

フェリックス

許可についてはまだ何も。。
では、彼女の友人や知人について何か知っていますか?
彼らから何か情報を得られないでしょうか?

ジョセフ

さぁ知らないね。彼女の両親に
聞いてみたらどうだ。
彼らが一番詳しいはずだろ。

ワトリー

捜索願いが出てるのになぜ
捜査しないのだ?

ワトリーがフェリックスの後ろから
ひょっこり顔を出した。

ジョセフ

警察も忙しいからな、ただの家出に捜査するはずないだろ

ジョセフからは、捜査への意欲が見えない
フェリックスは質問の角度を変えることにした

フェリックス

それでは質問を変えます。

フェリックス

ここ最近で家出をした猫の捜索願いが出されたのは何件ありますか?

ジョセフ

さあな。いちいち、家出猫のことなんか覚えてないね

フェリックス

では、何件か届け出が
あったんですね?

ジョセフは不満気に答えた

ジョセフ

どうせ反抗期で
家出したんだろう。
それ以外の何物でもない。

ジョセフ

そんなガキ猫どもを、
探す必要などない!

フェリックスは深いため息をつきながら

フェリックス

もう結構です、失礼します。

フェリックスとワトリーは警察署を出た。

ワトリー

警察は全く役に立たないのだ。
ジョセフはミミちゃんのことを
本気で探していないのだ。

フェリックス

どうやら彼は単なる家出と
見なしているようだな。
ミミちゃんに対する危機意識が
ジョセフには欠けている。
ミミちゃんの両親がなぜ私に
頼んだのか、その理由が理解できるよ。

ワトリー

でもこれからどうすればいいのだ?有力な手掛かりはないし、
ミミちゃんはどこにいるのかも分からないのだ

フェリックス

いや、あの警察官から情報をもらったよ。

ワトリー

情報?

フェリックス

ああ。捜索願いが出ているのは
ミミちゃんだけではないという
事だ。

ワトリー

何件か捜索願いが出てるか聞いた時に否定しなかったのだ

フェリックス

それと、「反抗期」
「ガキ猫ども」というワードが
出てきた。ミミちゃんのように
中学生位の猫が他にも失踪しているかもしれない。

ミミちゃん以外にも失踪した猫がいると
推理したフェリックス、
不安を感じつつも、ミミちゃんの行方を
探し続けることを決意します。

つづく

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