フェリックスと助手のワトリーは、
午後の穏やかな日差しを受けながら、
消えたミミちゃんの
手掛かりを追い求めるため、
彼女が最後に見かけられた
アイスクリーム屋さんへ向かった。
彼らが店の扉を押し開けると同時に、
冷たい空気が迎え入れ、 店内は静かで
色とりどりのアイスクリームが
カウンターのケースの中で誘惑的に輝いていた。
それは、まるで普通の日常を装っていたが、
フェリックスたちにはその日常が静かなる嵐の
前の静けさのように思えた。

外が見えるテーブル席に、茶色の猫で
中学生の制服を着た
りりーちゃんの姿があった。
フェリックスは優しく彼女に声をかけた。

フェリックス

こんにちは。私は探偵の
フェリックス・シャープクロウと申します

ワトリー

ボクはフェリスの助手、
ワトリー・ブラウンなのだ

りりー

探偵さんですか。
私に何か御用ですか?

フェリックス

はい。あなたの友人ミミちゃんが行方不明になっていることをご存知でしょうか?

フェリックスの言葉に、
りりーちゃんの顔色が変わった。
彼女は静かに頷き、

りりー

はい、知っています。最近
連絡が全く取れなくて、とても
心配しているんです

ワトリー

ミミちゃんに
何か変わった様子はなかったのだ?

りりー

はい。特に変わった様子は...

りりー

そういえば…ミミちゃん、
見たことがないキーホルダーを
持っていました。金色で、
きれいな石が付いていて…とても高価そうだったのを覚えています。

フェリックスの目は一瞬キラリと輝いた

フェリックス

そのキーホルダー、
どんな形でしたか?

りりー

鍵の形をしていて、中央にきれいな石が埋め込まれていました。

フェリックス

金色のキーホルダーですね。

ワトリーはメモを取っている

フェリックス

ミミちゃんはどこかへ行くと言っていませんでしたか?

りりー

私は門限があるので先に店を出ましたが、その後は分かりません。

フェリックス

ではミミちゃんはここに残っていたんですね?

りりー

そうだと思います。

フェリックス

ありがとうございます、
りりーちゃん。あなたの話が
大変役立ちました。

りりー

何もできなくてごめんなさい。
ミミちゃんが無事でいることを
祈っています

フェリックスとワトリーは、新たに得た
情報を元に次なる手がかりを追い求め
アイスクリーム屋さんを後にした。

続く

3話 金色のキーホルダーと消えた笑顔

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