そんなこんなあった数日後。

担当

やってられっか!!!

そういって、ぴは家を飛び出して行きました。

みぃ

行っちゃった…

ことの始まりは、いつもの喧嘩でした。
確かほんとにくだらない、下着を勝手に洗濯ネットにも入れずに洗ったぴに対して、酔っ払って帰ってきた星野が、ギャーギャーピィピィ騒いだのが始まり、とかそんな感じだったと思います。
普段であれば、そんな大きな喧嘩になることはないのですが、星野と会ってからのピの1年間は…

コロナになる
別の姫と喧嘩する
喧嘩して警察に呼ばれる
退店できなくなる←NEW

と言った感じで、ちゃんと充実した日々を過ごしていました。
大きな事件がなくても、やはり大金を稼いでくる星野、稼がせるホスト。という関係上、メンタルはヘラるし、態度はデカくなるし、痛客度は増すしで、とっても大変だったのでしょう。

しかし、

いくらストレスが溜まっていたとしても、今はなんと朝の4時。
全くもう。どこに行ったのよ。
星野を置いてけぼりにして全くもう。
そんな気持ちで

みぃ

GPS!GPS!

みぃ

あれ??

GPSで居場所を特定しようとしたら、なんと電源が切ってあったのです。
そこで星野、初めて

みぃ

…き、嫌われた??

これまで数々の悪行を尽くしているはずの星野。
実は嫌われたとしてもお金で繋がっているはずと言う、最低な気持ちからこんなはっきり嫌いを表明されたのはこの時が初めてでした。

みぃ

う、うえええええええんん!!!

泣きました。
警察によって引き離された時以上に泣きました。
だってあの時は帰ってくる確信があったから。
でも、今は明け方4時。
電車も動いてない、新宿の近くでもない、そんな場所で、GPS切られたらもう探しようはありません。
それでも、アホな星野はぴを探しに行くのです。

みぃ

陸さんいません、死んじゃいます。。。

ぶつぶつ呟きながら、シクシク女はほんとにキモかったと思います。
そして、呟きながら明け方4時の近所をとりあえず最寄駅に向かって歩きました。
20分ほど当てもなく彷徨って、見つかるはずもなく、しょんぼりを家に帰りました。
すると、家に電気がついています。
星野は確実に電気をけしていました。

みぃ

陸さんいます!!

IQ3の幼稚園児は走って家の鍵をあけます。
しかし、そこには誰もいませんでした。

みぃ

いない…

そして星野は、ハッと近所のコンビニに走って行きます。
そこにきっと愛するホストがいると思って、柄にもなく全力ダッシュをしました。
仲直りしてお酒を買ってあげよう。
星野は寛大な気持ちで走りました。

みぃ

…いない。。。

またもしょんぼりしながら家に帰ります。
すると、つけていたはずの電気が消えています。

みぃ

!!!

寝てるに違いない。
さすがにこんな時間だから眠かったのね。
そう思った星野は急いで、でも今度はあまり音を立てないように家に入りました。

みぃ

なぁぜなぁぜ?

またしても、誰もいません。
星野は失意に打ちひしがれました。
しかし、本当にこれで最後になってしまうかもしれないと思った星野は、最後にもう一度外へ探しに行こうとしました。
そして、玄関の鍵を締め直し、歩き出そうとした時。

担当

あ、いた

息を切らした担当の姿がそこにはありました。


ここは歌舞伎町ではありません。
しかし、真冬に部屋着でコートも着ずに、家のまえで泣きながら担当に抱きつく星野。
そしてそれを抱きしめ返し、あやしながら

担当

心配したじゃねぇーか笑

貴様が出て行ったからこんなことになったんだぞ。
そんな野暮なことは誰も突っ込まない。

なんて歌舞伎町らしい関係なんだろう。
これっていつまで続くんだろう。
星野、このままでいいのかな。
そうは思っても、この腕の温もり、この安心感。
共依存だとしてもどうでもいい。
今が良ければ、そして、担当が”今”ここにいてくれるなら・・・。

みぃ

そう、これが担当狂

みぃ

そう、これが、新宿・歌舞伎町

沼ったら、最後。
抜け出せるわけがない。
頭の中ではもう1年間警報なりっぱなしです。


だれが助けろ。。。

13話 担当、家を飛び出す

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