僕たちは地下道を通り、
再び岩礁地帯へとやってきた。
通り過ぎた区域は
地の欠片の力で埋め戻しつつだから
どうしても時間がかかってしまったけど。
でもそれは仕方ないよね。
僕たちは地下道を通り、
再び岩礁地帯へとやってきた。
通り過ぎた区域は
地の欠片の力で埋め戻しつつだから
どうしても時間がかかってしまったけど。
でもそれは仕方ないよね。
あとはここを出れば
サカマタンの群れが
泳いでいるはずです。
では、魔法攻撃を主体に
戦っていきましょう。
いくら楽しくても
皆殺し――えっと、
遊びすぎないでね♪
だって情報を
聞き出さないと
いけないんだから。
分かりましたぁ!
一匹くらいは
会話ができる程度で
許してあげてね。
それ……
ソニアさんへの
注意事項ですよね……。
てへっ♪
ま、まぁ……ソニアさんのことだから
大丈夫だと信じてるけどね……。
なんだかんだでしっかりしてる人だし。
……いつもというわけではないけど。
よしっ、出撃ぃ~!
はいはい……。
張り切るソニアさんの号令で
僕たちは外へと飛び出した。
早速、サカマタンは
僕たちの姿を見つけると
猛スピードで突進してくる。
あーあ、あれじゃソニアさんの思うつぼ。
攻撃してくださいと
言っているようなものだよ。
……ご愁傷様。
アイスレイン!
ソニアさんの周囲に発生した
無数の氷の矢が
サカマタンの群れに向かって飛んでいく。
確かに見た目は雨のようだけど
天と地が逆になった点は異なる感じかな。
でもサカマタンたちは
ダメージを食らいつつも
突進をやめない。
もしかして思ったほど効いてないっ!?
ソニアさんほどの魔法の使い手でも
威力が弱いのっ?
つまりサカマタンは氷系魔法に対して
耐性があるのかな?
ドンガラさん、
サカマタンは氷系魔法の
耐性があるんですか?
そんなことはありやせん。
確かに多少の耐性は
あるかもしれませんが
普通に効くはずですよ。
でもソニアさんの
魔法が……。
手を抜いてるだけよ。
あれ、威力が弱いから。
少しずつ弱らせて
長く楽しむ
つもりなんでしょ。
え……!?
確かにソニアさんの表情には
焦りの色なんて微塵も見られない。
むしろ実に楽しそう。
……うん、シンディさんの言葉、
充分にあり得る。
あ、皆さんは
分かっていると思いますが、
この場で使ってはいけない
系統の魔法があるのは
理解なさってますよね?
と、言うと?
ははは、トーヤ殿は
魔法があまり得意では
なかったんでしたね。
では、せっかくですから
学んでいきましょう。
学校の授業みたい……。
水中という環境で
最も効果が薄い系統は
分かりますか?
そりゃ、火や炎系
ですよね?
正解。
では、最も効果が
あるのは?
うーん……。
水中なら氷系や水系が
無難だとは思う。
でも最も効果があると言ったら
疑問が残るよなぁ。
水中生物に氷系ならまだしも
水系は耐性持ちが多そうだし。
もしかして爆発系ですか?
効果は高いですけど
最高の威力ではありませんね。
じゃ、電撃系?
味方の損害を無視すれば
それはありかもしれませんが。
あ……そっか……。
電撃系だと敵だけじゃなくて
味方にもダメージを与えてしまう
可能性があるもんね。
威力を収束させた電撃弾みたいに
工夫をしない限りはね。
だって水を伝って電気が
流れて来ちゃうもんね。
あっ!
僕は大事なことを忘れていた。
以前、
タックさんに教えてもらったじゃないか。
だからこそこの世界へ来たわけだし。
次回へ続く!