文化祭の準備が本格的に始まり、
校内は慌しい雰囲気になっていた。

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

学級委員の田所くんが
インフルエンザにかかったのは
知ってるわよね?

中島 陽太(なかじま はるた)

はい。
朝のホームルームで
言ってましたね

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

田所くんはしばらく
休みことになったから、
文化祭の実行委員が
来栖さん一人になっちゃったのよ

中島 陽太(なかじま はるた)

そういや、そうですね。
こりゃ大変だ……

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

そういうわけで、
代わりに中島くんが男子の
実行委員をやってくれる?

中島 陽太(なかじま はるた)

俺がですか?

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

来栖さんのことで
悩んでたじゃない。
もっと仲良くなれるチャンスよ?
じゃあ、よろしくね

中島 陽太(なかじま はるた)

チャ、チャンスって言われても
そんな急に……
って、もういないし

中島 陽太(なかじま はるた)

いきなり実行委員に
されちまったんだが……。
何すりゃいいかわかんねえよ

来栖 珠來(くるす みらい)

倉敷先生から聞いたわ。
私が指示するから、
手伝ってくれれば
それでいいわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

おう、それならお安い御用だ



珠來に言われて、
下の階から書類の山を運んできた。

中島 陽太(なかじま はるた)

重かった~。
これで頼まれた物は
全部持って来たぞ

来栖 珠來(くるす みらい)

ありがとう、助かったわ

中島 陽太(なかじま はるた)

お? やけに素直だな

来栖 珠來(くるす みらい)

私だって、お礼くらい言うわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

いい心がけだ。
褒美としてガムをやろう

来栖 珠來(くるす みらい)

フフッ、何が褒美よ



珠來は楽しそうに笑って、
ガムを受け取った。



──翌日。

来栖 珠來(くるす みらい)

多数決の結果、
うちのクラスの出し物は
お化け屋敷に決まりました



クラス中の拍手によって
ホームルームは終了した。

中島 陽太(なかじま はるた)

究極のメニューVS
至高のメニューは
駄目だったか……

来栖 珠來(くるす みらい)

だ、駄目に決まってるじゃない。
なんで採用される可能性があると
思ったわけ?

中島 陽太(なかじま はるた)

そうだな、海原雄山ポジの奴が
いないもんな

来栖 珠來(くるす みらい)

まさかと思うけど、
自分が山岡士郎のポジションに
立てるとでも思ってんの……?

中島 陽太(なかじま はるた)

え?
そりゃまあ、色々と
シミュレートはできてるし

来栖 珠來(くるす みらい)

……まあいいわ。
お化け屋敷で我慢しなさい

中島 陽太(なかじま はるた)

そうだな!
これから張り切って
準備しないとな!

来栖 珠來(くるす みらい)

陽太は実行委員なんだから、
サボっちゃダメよ?

中島 陽太(なかじま はるた)

サボるわけねえだろ?

珠來と遅くまで残ることが多くなり、
自然と会話の数も増えて行った。


その一方で……。


文化祭の準備で生徒会室への出入りが多くなり、
生徒会の顧問である沙穂先生とも
親しくなれた気がする。

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

あら、二人とも。
これから生徒会室に行くところ?

来栖 珠來(くるす みらい)

はい。
倉敷先生もですか?

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

ええ、そうよ。
一緒に行かない?

中島 陽太(なかじま はるた)

はい、行きましょう!

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

入るわよ~

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

どうぞ~……
って、陽太!
元気でやってるか?

中島 陽太(なかじま はるた)

あ、裕貴さん!
ども!

来栖 珠來(くるす みらい)

陽太って、成瀬先輩と
知り合いだったの?

中島 陽太(なかじま はるた)

裕貴さんは俺の部屋の
隣りに住んでて、
前にお世話になったんだよ

来栖 珠來(くるす みらい)

へえ~。
成瀬先輩って面倒見が
いいもんね

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

なあなあ。
陽太って、最近よく
沙穂先生と話してるよな

中島 陽太(なかじま はるた)

そ、そうですか?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

この前、言ってたもんな。
沙穂先生に憧れてるってさ~

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

そうなの……?
知らなかったわ

来栖 珠來(くるす みらい)

……ッ!

中島 陽太(なかじま はるた)

な、何言ってんだよ裕貴さん!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

照れんなって

中島 陽太(なかじま はるた)

照れてるとかじゃなくて、
まずいんですってば!!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

ん……?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

もしかして来栖の前で言ったら
駄目な話だったか?

来栖 珠來(くるす みらい)

どうしてそこで私が
出てくるんですか

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

げっ、聞こえてるし

中島 陽太(なかじま はるた)

うう、裕貴さん……

来栖 珠來(くるす みらい)

ふたりでコソコソ
しなくてもいいですよ。
陽太が誰に憧れていようと、
ぜんっぜんっ関係ありませんから!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

わ~お、
わかりやすいツンデレ

来栖 珠來(くるす みらい)

ツンデレってなんですか!

中島 陽太(なかじま はるた)

ひ、裕貴さん……。
珠來を煽らないでくださいよ~

来栖 珠來(くるす みらい)

とにかく、私はもう行きます!

中島 陽太(なかじま はるた)

あっ、じゃあ俺も……

来栖 珠來(くるす みらい)

あんたはついて来なくていい



珠來は怒った様子で、
走って行ってしまった。

倉敷 沙穂(くらしき さほ)

あらあら……

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

あちゃ~。
悪かったな、陽太……。
来栖を追っかけてやれよ

中島 陽太(なかじま はるた)

は、はいっ!

中島 陽太(なかじま はるた)

おい、待てよ珠來!



急いで珠來の後を追いかけたが、
姿を見失ってしまった。

中島 陽太(なかじま はるた)

くそっ、どこに行ったんだ?

日下部 苺香(くさかべ いちか)

あ、陽太ちゃん。
どうしたですか?

中島 陽太(なかじま はるた)

苺香ちゃん!
珠來を見なかったか?

日下部 苺香(くさかべ いちか)

珠來先輩……?
さっき屋上に向かって
走って行ったのを見たですよ

中島 陽太(なかじま はるた)

ありがとう!



階段を一気にかけ上ると、屋上に珠來がいた。

中島 陽太(なかじま はるた)

珠來!
なんで急にいなく
なっちゃうんだよ?

来栖 珠來(くるす みらい)

……ほっといてよ

中島 陽太(なかじま はるた)

(珠來のやつ、
何をツンツンしてんだよ……)

来栖 珠來(くるす みらい)

アンタって、
やっぱり女好きのスケベね

中島 陽太(なかじま はるた)

もしかして……
沙穂先生のことで怒ってんのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

バカッ!
そんなわけないでしょ!

中島 陽太(なかじま はるた)

一応言っておくが……
沙穂先生に憧れてるのは、
あくまで先生としてだよ

中島 陽太(なかじま はるた)

それに、最近よく話すって
いっても真面目に
文化祭の話をしてただけだよ

来栖 珠來(くるす みらい)

別に言い訳なんか
しなくてもいいわよ……。
私には関係無いし

中島 陽太(なかじま はるた)

だってお前、怒ってるだろ?

来栖 珠來(くるす みらい)

うるさいわね。
自分でもどうしてムカツクのか
わかんないのよ

来栖 珠來(くるす みらい)

あんたが、私の知らない間に
他の女の人の話をしていても
関係無いはずなのに……

中島 陽太(なかじま はるた)

珠來、それって
もしかして……
俺のこと……

来栖 珠來(くるす みらい)

何よ?

華胡(かこ)

ま、待て陽太!
それは早計じゃ!!

中島 陽太(なかじま はるた)

(華胡は黙っていてくれ!
今言わなくちゃいけない
気がするんだ!)

中島 陽太(なかじま はるた)

俺のこと、
好きなんじゃないのか!?

来栖 珠來(くるす みらい)

…………

華胡(かこ)

言ってしまったか……

中島 陽太(なかじま はるた)

(なんだよ?
何が駄目なんだよ?)

華胡(かこ)

見てみろ。
珠來の呆れ顔を

来栖 珠來(くるす みらい)

…………

華胡(かこ)

ずっとポカーンと
口を開けておるだろ

中島 陽太(なかじま はるた)

どうなんだっ、珠來!?

華胡(かこ)

えっ、そこで押すか普通?

来栖 珠來(くるす みらい)

ぷっ……!
くくくっ……!

中島 陽太(なかじま はるた)

み、珠來?
なんで笑うんだ?

来栖 珠來(くるす みらい)

あんたってウヌボレ屋ね。
どれだけ自信があるのよ

中島 陽太(なかじま はるた)

ウヌボレ……?

中島 陽太(なかじま はるた)

(うぬぼれてる=
勘違いをしている=
珠來は俺を好きじゃない?)

中島 陽太(なかじま はるた)

(これってまさか……
振られたのか!?)

華胡(かこ)

だから言ったじゃろうに……。
もう少し様子見が
必要じゃったのじゃ

中島 陽太(なかじま はるた)

(ウウッ……)

来栖 珠來(くるす みらい)

仕方ないわね……。
あんたの面白さに免じて、
機嫌を直してあげてもいいわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

えっ、いいのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

まあ、今後の心がけ次第ね!

来栖 珠來(くるす みらい)

実行委員として頑張るって
約束するなら、一緒に帰って
あげてもいいわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

もうちょっと素直な
誘い方はできないのかよ?

来栖 珠來(くるす みらい)

私はいつも素直よ!

中島 陽太(なかじま はるた)

(そういうことに
しといてやるか)

──放課後。

来栖 珠來(くるす みらい)

帰るわよ、陽太

中島 陽太(なかじま はるた)

テニス部はいいのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

今日は休みなのよ

中島 陽太(なかじま はるた)

ふーん……。
じゃあ校門に行って
車の迎えを待つか

来栖 珠來(くるす みらい)

今日は来ないわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

なんで?

来栖 珠來(くるす みらい)

歩いて帰りたい気分だから、
来なくていいって言ったの

中島 陽太(なかじま はるた)

そっか。
歩くのは健康にいいしな!

来栖 珠來(くるす みらい)

そうじゃなくて、
あんたと歩くのが……

中島 陽太(なかじま はるた)

なんか言ったか?

来栖 珠來(くるす みらい)

ううん、なんでもない。
あんたってグイグイくるくせに
変な所で鈍いわよね……

中島 陽太(なかじま はるた)

はっ???

来栖 珠來(くるす みらい)

ところで、お化け屋敷の内装を
担当してる子から完成予想図を
渡されたんだけど……

中島 陽太(なかじま はるた)

おお。
ちょっと見せてくれよ

来栖 珠來(くるす みらい)

これなんだけど……。
もう一ひねり欲しい所
なのよね

中島 陽太(なかじま はるた)

じゃあさ、
こういうのはどうだ?

来栖 珠來(くるす みらい)

何よ?

中島 陽太(なかじま はるた)

これは、本当にあった話だ。
昔、この辺で高校生の姉の帰りを
待っていた男の子がいたらしい

来栖 珠來(くるす みらい)

こ、ここの近くなの?

中島 陽太(なかじま はるた)

そう。
しかしその男の子は不幸にも、
交通事故で死んでしまったんだ

中島 陽太(なかじま はるた)

それ以来、この近くを
女子高生が通るたびに、
こんな声が響くようになったそうだ

中島 陽太(なかじま はるた)

おねえちゃん……
おねえちゃぁ~ん……って

来栖 珠來(くるす みらい)

キャーッ!!



大きな叫び声をあげて、
珠來が腕に抱きついてきた。

中島 陽太(なかじま はるた)

うわっ、いきなりなんだよ!

来栖 珠來(くるす みらい)

だ、だって陽太が
変な声出すから……っ!



身体が密着していることに気づき、
恥ずかしくなってすぐに離れてしまう。

中島 陽太(なかじま はるた)

(柔らかかった……。
じゃなくて!
なんか話さないと気まずい!)

中島 陽太(なかじま はるた)

え、えーっと……

来栖 珠來(くるす みらい)

あのっ……そ、そういえば!
私、あんたのLINEって
知らないのよね

中島 陽太(なかじま はるた)

そ、そうだったな

来栖 珠來(くるす みらい)

文化祭の連絡事項がある時に
不便じゃない。
ほら、交換するわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

ああ……

中島 陽太(なかじま はるた)

(今日は珠來に抱きつかれて
しかもLINEを交換して
もらえるなんて、
ラッキーだったな!)

中島 陽太(なかじま はるた)

(……ん?
沙穂先生から
LINEがきてるぞ)

『文化祭の手伝い、
がんばってるね。
成瀬くんが中島くんを
からかってたけど、
気にしちゃダメだよ』

中島 陽太(なかじま はるた)

(ちゃんとフォロー
してくれるなんて、
優しいなぁ沙穂先生は)

『でも、中島くんが
私に憧れてたって聞いて、
ちょっとうれしかったな』

中島 陽太(なかじま はるた)

(そうかぁ、
そんな風に思っていて
くれたのかぁ)

『文化祭で、生徒会は
メイドコンテストをやるの。
顧問の私もメイド服を着るから、
見に来て欲しいな』

中島 陽太(なかじま はるた)

(沙穂先生もコスっちゃうのか!?
行く、絶対に行く!
……と、即行で返信っと)

鼻の下を伸ばして、
デレ~っとしておるな

中島 陽太(なかじま はるた)

な、なんだよ。
悪いのか?

いいや、悪くはない。
むしろ今日のおぬしは、
えらかったぞ!

中島 陽太(なかじま はるた)

俺、なんかしたっけ?

今日はぱんつの力を借りずに、
珠來とうまくやったではないか。
明日もこの調子で頑張るのじゃぞ

中島 陽太(なかじま はるた)

ああ、その事か。
任せとけって!

──翌朝。

中島 陽太(なかじま はるた)

(うう、すげー眠い。
それに、なんか体が
だるいな……)

中島 陽太(なかじま はるた)

(毎日遅くまで
文化祭の準備をしてるから、
疲れがたまってんのかもなぁ)



するとスマホが鳴り、
珠來からLINEが入った。

『アンタのことだから、
まだ寝ぼけた顔してるんでしょ?
私の前でマヌケな顔
しないでよね』

中島 陽太(なかじま はるた)

(朝っぱらから
何が言いたいんだコイツは)

中島 陽太(なかじま はるた)

(……ん?
続きがある)

『ついでに言っておくけど……
いつも文化祭の準備、
手伝ってくれてありがとう』

中島 陽太(なかじま はるた)

(なるほどな、
本題はコッチか)

華胡(かこ)

どうした?
頬が赤くなっておるぞ?

中島 陽太(なかじま はるた)

う、うるせー!

日下部 苺香(くさかべ いちか)

陽太ちゃーん!
おはようですっ

中島 陽太(なかじま はるた)

おっ、苺香ちゃん。
おはよう

日下部 苺香(くさかべ いちか)

文化祭で、苺香は
白雪姫をやるです。
見に来てくださいです

中島 陽太(なかじま はるた)

へえー、苺香ちゃんの白雪姫か。
絶対に見に行くよ

日下部 苺香(くさかべ いちか)

約束ですよ?
それじゃ、またねですー

中島 陽太(なかじま はるた)

(苺香ちゃんは相変わらず
元気いっぱいだなぁ)

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

よう、陽太

中島 陽太(なかじま はるた)

裕貴さん!
こんちは!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

この間は悪かったな。
来栖と仲直りできたか?

中島 陽太(なかじま はるた)

ははは……。
なんとかなりましたんで、
気にしないでください

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

そっか、なら良かった。
そうそう、文化祭だけどさ。
テニス部に来いよな

中島 陽太(なかじま はるた)

何かやるんですか?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

いけね、授業が始まる!
んじゃ、またな~

中島 陽太(なかじま はるた)

(教えてくれずに
行ってしまった。
っつうか、俺も急がないと!)

──放課後。


今日も珠來の手伝いをすることになった。

中島 陽太(なかじま はるた)

テニス部って、
文化祭で何かやんのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

テニスのコーチングをするのよ

中島 陽太(なかじま はるた)

へえ、それで裕貴さんが……。
あれ?
珠來は準備しなくてもいいのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

私って学級委員でしょ?
実行委員も兼ねてるから、
クラスの出し物の方が優先ね

中島 陽太(なかじま はるた)

なるほどな

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

文化祭の話をしてんのか?
楽しみだよなー!

中島 陽太(なかじま はるた)

ああ、そうだな!
そういやあ、新聞部も
何かやったりするのか?

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

うちは展示だけだな。
でもイタズラされないように
交替で見張りをすんだよ

中島 陽太(なかじま はるた)

なんだ。
それじゃ一緒に
見て回れないな

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

ヒヒヒッ。
一緒に回る相手なら、
他にいるだろ?

中島 陽太(なかじま はるた)

相手……って、誰だよ?

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

すっとぼけちゃって。
なあ~?
来栖ぅ~?

来栖 珠來(くるす みらい)

うるさいわね。
私はそんなヒマ無いわよ

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

なんだって!?
お前ら文化祭デートするのかと
思ってたのに!!

中島 陽太(なかじま はるた)

デートって、お前な……。
冷やかすなよ……

来栖 珠來(くるす みらい)

バカ言ってんじゃないわよ。
実行委員はお化け役の
リーダーをやるの!

中島 陽太(なかじま はるた)

つまり俺も見て回る
暇は無いってことか

来栖 珠來(くるす みらい)

今ごろ何言ってんの?

中島 陽太(なかじま はるた)

はい?

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

二人とも、ご苦労なこって。
たまに遊びに行ってやるから
頑張ってくれ

来栖 珠來(くるす みらい)

アンタも、
なんで他人事なのよ

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

え?
だって俺は新聞部があるから
関係なくね?

来栖 珠來(くるす みらい)

アンタたち、
全然聞いてなかったのね

来栖 珠來(くるす みらい)

クラスの全員が当番制で
お化け役か受付をやるって
ホームルームで
決まったじゃない

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

な、な、なんだってーー!!
他校から遊びに来る女の子を
ナンパする予定だったのに!

中島 陽太(なかじま はるた)

残念だったな!
お前一人にだけ
楽しい思いはさせねーぜ!

来栖 珠來(くるす みらい)

はあ……。
コイツらってほんとバカ……

華胡(かこ)

(まったくじゃ)

pagetop