珠來の家に入りまず驚いたのは、
その内装の豪華さだった。

中島 陽太(なかじま はるた)

改めて思ったけど、
珠來ってものすげー
お嬢様なんだな……

来栖 珠來(くるす みらい)

それはわかったから。
早く私の部屋に行くわよ!

中島 陽太(なかじま はるた)

俺が入ってもいいのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

そのままだと
風邪ひいちゃうじゃない。
タオルくらい貸してあげるわ

中島 陽太(なかじま はるた)

あ、ああ……サンキュ

珠來の部屋には、
ランジェリーを着けたモデルのポスターが
何枚も貼られていた。

中島 陽太(なかじま はるた)

へえ……
さすが大手下着メーカーの
ご令嬢だな

来栖 珠來(くるす みらい)

やめてよ、その言い方

中島 陽太(なかじま はるた)

なんでだよ?
本当のことだろ?

来栖 珠來(くるす みらい)

なんか恥ずかしいのよ

中島 陽太(なかじま はるた)

ふーん、そういうもんか?
俺なら自慢しまくっちゃう
けどなあ

来栖 珠來(くるす みらい)

アンタのそういう単純なとこ
うらやましいわ……

中島 陽太(なかじま はるた)

単細胞みたいな言い方すんなよ



ランジェリーのポスターをよく見ると、
珠來がモデルになっている物もあった。

中島 陽太(なかじま はるた)

(うおっ!
珠來がポスターに載ってる!?
本物のモデルみたいだな)

中島 陽太(なかじま はるた)

いてーっ!
何すんだ!?

来栖 珠來(くるす みらい)

じろじろ見ないでよ!

中島 陽太(なかじま はるた)

いいだろ、ケチ

来栖 珠來(くるす みらい)

アンタの、そのやらしい目で
見られるのがイヤなのよ

中島 陽太(なかじま はるた)

やらしい目でなんか見てねえよ。
キレイだな、とは思ったけど……

来栖 珠來(くるす みらい)

えっ……

中島 陽太(なかじま はるた)

(うわっ、何キザなこと
言ってんだ俺!)

来栖 珠來(くるす みらい)

バカなこと言ってないで、
これに着替えなさいよ。
あと、タオルも使っていいわよ



珠來は少し照れた様子で、
Tシャツとタオルを渡してきた。

中島 陽太(なかじま はるた)

えっ、着替えるって……

来栖 珠來(くるす みらい)

濡れたままだと、
風邪ひいちゃうわよ?

中島 陽太(なかじま はるた)

珠來ってさ、
けっこう優しいとこあるよな

来栖 珠來(くるす みらい)

よ、余計なこと言ってないで、
早く着替えなさい!
私はアッチ向いてるから



珠來がクルッと背中を向けたのを見て、
着替えることにした。

中島 陽太(なかじま はるた)

(ん?
ベッドの脇に何か落ちてる。
レースが付いてるけど……)



よく見ようとすると、華胡が先に手に取った。

華胡(かこ)

これは、おなごが
乳房(ちぶさ)に着ける物
ではないか

中島 陽太(なかじま はるた)

(ブ、ブ、ブラジャー!?
珠來の!?)

華胡(かこ)

ほう、おぬしらはぶらじゃあと
呼んでおるのか



華胡が珠來の物と思われるブラジャーを、
まじまじと見ている。

華胡(かこ)

このぶらじゃあとやら、
前に草むらで拾ったぱんつと
同じ柄じゃな

中島 陽太(なかじま はるた)

(あ、本当だ……。
同じ柄のブラがなんでここに?)

来栖 珠來(くるす みらい)

ねえ、もう着替え終わった?

中島 陽太(なかじま はるた)

あっ。
ちょ、ちょっと待ってくれ!

華胡(かこ)

ふむ……

中島 陽太(なかじま はるた)

(うわーっ!
華胡、ブラを広げんな!)

来栖 珠來(くるす みらい)

何やってんの……?
って、それ!!!

中島 陽太(なかじま はるた)

へっ?

華胡(かこ)

後は任せたぞ、陽太



華胡は広げていたブラジャーを、
俺の手に握らせた。

中島 陽太(なかじま はるた)

(華胡!
テメエ!!)

来栖 珠來(くるす みらい)

キャーッ!!
見ないで!



真っ赤になった珠來に、
ブラを取り上げられてしまった。

来栖 珠來(くるす みらい)

アンタってやっぱり、
変態じゃない……

中島 陽太(なかじま はるた)

ちがうっつーの!
こ、これは……そう!
タオルを置こうとして、
間違って取っただけだよ!

来栖 珠來(くるす みらい)

本当……?

中島 陽太(なかじま はるた)

(うう、思いっきり俺を
警戒して見てるぞ)

来栖 珠來(くるす みらい)

まあ、そんな所に置いた
私が悪いわね……。
怒ってゴメン

中島 陽太(なかじま はるた)

良かった。
そんなに怒ってない
みたいだぞ

中島 陽太(なかじま はるた)

気にすんな!
目の保養にもなったし、
むしろ大歓迎だ!

来栖 珠來(くるす みらい)

め、目の保養……?
やっぱりド変態じゃない!

中島 陽太(なかじま はるた)

(うああああっ!!
しまったあああ!!)

華胡(かこ)

お前はなぜよりによって
そういう言葉を選ぶのじゃ

中島 陽太(なかじま はるた)

(ブラジャーを押し付けてきた
お前に言われたかねえ!)

来栖 珠來(くるす みらい)

はあ……



珠來はため息をついて、
ブラジャーをしまっている。

中島 陽太(なかじま はるた)

(これは気まずい……。
何か話さないと)

中島 陽太(なかじま はるた)

えっと……あのさっ!
この珠來が出てるポスターって、
何かのイベントの告知か?

来栖 珠來(くるす みらい)

……だから、それは見ないで
って言ってるでしょ



珠來はポスターをはがして、
クルクルと巻いてしまった。

中島 陽太(なかじま はるた)

(うわぁ、更に気まずく
なってしまった……)

来栖 珠來(くるす みらい)

それじゃあ、私……
ピアノの練習があるから、
隣の部屋に行くわね

中島 陽太(なかじま はるた)

えっ?
じゃ、じゃあ俺、
もう家に帰るよ

来栖 珠來(くるす みらい)

まだ服が乾いてないじゃない?
練習は1時間くらいで終わるから
待ってなさいよ

中島 陽太(なかじま はるた)

お、おう……



珠來は部屋を出て行ってしまった。

中島 陽太(なかじま はるた)

華胡、いつもの頼む!

華胡(かこ)

む? どうした?

中島 陽太(なかじま はるた)

これじゃ珠來が戻って来ても
気まずいままだろ?
だから、パンツの力を貸してくれ!

華胡(かこ)

しょうがないのう……

中島 陽太(なかじま はるた)

うおおおお!
力がみなぎってきたぜえええ!!

華胡(かこ)

力がみなぎっているのは
おぬしではない。
ぱんつじゃ



不意に、隣の部屋から
ピアノの演奏が聞こえてきた。

中島 陽太(なかじま はるた)

(珠來がひいてるのか?
なんだか聴いていて
気持ち良くなってくるな……)

華胡(かこ)

ふむ……なんとも形容しがたい、
可憐な音色じゃな……

中島 陽太(なかじま はるた)

ああ……。
昔はよく、下手くそなピアノを
聴かされたもんだけどな

中島 陽太(なかじま はるた)

ん? 演奏が止まったぞ

華胡(かこ)

練習が終わったのかもな

来栖 珠來(くるす みらい)

今、誰かと喋ってなかった?

中島 陽太(なかじま はるた)

い、いや?
気のせいじゃないのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

そう?
それはそうと、
待たせて悪かったわね

中島 陽太(なかじま はるた)

いや、別に?
気にすんなよ

中島 陽太(なかじま はるた)

(ふう、良かった。
パンツの力のおかげで、
機嫌が直ったみたいだな)

中島 陽太(なかじま はるた)

なあ、珠來……
お前ってさ、ピアノが
すげー上手になったんだな!

来栖 珠來(くるす みらい)

き、急に何よ。
まさか聴いてたの?

中島 陽太(なかじま はるた)

聴こえてきたんだよ。
昔はつっかかりまくって、
聴いてられなかったのにな

来栖 珠來(くるす みらい)

悪かったわね……。
どんな人でも、
長く練習してれば上手になるの!

中島 陽太(なかじま はるた)

うん、確かに上手くなってた

来栖 珠來(くるす みらい)

……もうっ


珠來は少しだけ頬を赤くして、
そっぽを向いてしまった。

中島 陽太(なかじま はるた)

誰かに聴かせたことあるのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

え? んー……まあ、
ピアノの先生に勧められて
たまに発表会に出るけど……

中島 陽太(なかじま はるた)

そういうのじゃなくてさ、
友達やクラスの奴に
聴かせたりはしないのか?

来栖 珠來(くるす みらい)

き、聴かせられるわけ
ないじゃない

中島 陽太(なかじま はるた)

もったいないなあ

中島 陽太(なかじま はるた)

……あ、そうだ!
文化祭で演奏してみたらどうだ?

来栖 珠來(くるす みらい)

文化祭で?
そんなのダメよ……

中島 陽太(なかじま はるた)

なんでだよ?
あんなに上手いんだから、
恥ずかしがることないだろ

来栖 珠來(くるす みらい)

そういうんじゃなくて、
学級委員は生徒会の手伝いが
あるから難しいのよ

中島 陽太(なかじま はるた)

そうなのか……

来栖 珠來(くるす みらい)

それに、文化祭でピアノの演奏を
するなんて前例が無いもの。
先生が許可しないと思うわ

中島 陽太(なかじま はるた)

そうか……

中島 陽太(なかじま はるた)

よしっ!
俺が先生を説得してやる!

来栖 珠來(くるす みらい)

はあ?
自分で言ってる意味
わかってる?

中島 陽太(なかじま はるた)

へっ?
そんなに変なこと言ったか?

来栖 珠來(くるす みらい)

先生を説得だなんて
言ったら聞こえがいいけど、
わがままをゴリ押しするのと
一緒じゃない

中島 陽太(なかじま はるた)

そうかなあ……

来栖 珠來(くるす みらい)

とにかく、私はそこまでして
文化祭でピアノを
弾きたいわけじゃないの!

中島 陽太(なかじま はるた)

(俺、余計なことを
言ったみたいだな……)

来栖 珠來(くるす みらい)

でも……

中島 陽太(なかじま はるた)

えっ?

来栖 珠來(くるす みらい)

……ありがとう



珠來は目も合わさずに、小さな声で呟いた。

中島 陽太(なかじま はるた)

お、おう

来栖 珠來(くるす みらい)

入っていいわよ

お嬢様、お茶をお持ちしました

来栖 珠來(くるす みらい)

ありがとう。
そこに置いておいて

はい、かしこまりました

では失礼いたします

中島 陽太(なかじま はるた)

紅茶のいい香りがするな

来栖 珠來(くるす みらい)

身体が冷えてるでしょ?
飲みなさいよ。
よかったらケーキも食べて

中島 陽太(なかじま はるた)

おっ、うまそー。
いただきますっ



チーズケーキの甘さと、紅茶の温かさに、
身体が癒されるようだった。

中島 陽太(なかじま はるた)

ここまでしてもらって
なんだか悪いな。
何かお礼をしないと

来栖 珠來(くるす みらい)

別にいいわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

あっ、そうだ。
俺も生徒会の手伝いってやつに
参加しようか?

来栖 珠來(くるす みらい)

えっ、本当?



珠來の瞳が嬉しそうに輝いたが……
すぐに下を向いてしまった。

来栖 珠來(くるす みらい)

でも……そんなの、悪いわよ

中島 陽太(なかじま はるた)

今更、気ぃ遣ったりするなよ。
いつもの生意気っぷりは
どうしたんだ?

来栖 珠來(くるす みらい)

生意気って何よ……。
自分は変態のくせに

中島 陽太(なかじま はるた)

そうそう、そうやって
憎まれ口を叩いてた方が
珠來らしいな

来栖 珠來(くるす みらい)

いっつも憎まれ口ばかりで
悪かったわね

中島 陽太(なかじま はるた)

(頬を膨らませてる顔
可愛いな。
でも言ったら怒りそうだし、
黙っておくか)

中島 陽太(なかじま はるた)

なんにしても学級委員は
大変だよな。
がんばれよ

来栖 珠來(くるす みらい)

いきなり何よ?
なんか裏でもあるの?

中島 陽太(なかじま はるた)

別に裏なんかねえよ。
ただ、偉いなって思っただけだ

来栖 珠來(くるす みらい)

ふうん、そう……。
陽太にほめられると、
なんか変な感じ!

中島 陽太(なかじま はるた)

変とか言うなよ。
それだったら
けなしてやってもいいんだぜ?

来栖 珠來(くるす みらい)

フフッ。
変だとは思うけど、
イヤだなんて言ってないでしょ?

中島 陽太(なかじま はるた)

はあ~。
どっちなんだよ……ったく



そうしている内に服は乾き、
珠來の使用人に車で送ってもらった。

中島 陽太(なかじま はるた)

いやあ~。
今日もパンツの力の
お世話になったなぁ

華胡(かこ)

おぬし……少し、ぱんつの力に
頼りすぎではないか?

中島 陽太(なかじま はるた)

そうかあ?

華胡(かこ)

ぱんつの力ばかり使わずに、
自分でも努力しないといかんぞ

中島 陽太(なかじま はるた)

はいはい、わかったよ

中島 陽太(なかじま はるた)

(まあ、華胡の言う通り、
自分の力じゃないと
意味がねえかもな)



ポケットからアパートの鍵を
取り出そうとした……がっ。

中島 陽太(なかじま はるた)

あれ、あれ……?
鍵が……?
無い! 無い!

華胡(かこ)

鞄の中にも無いようじゃな

中島 陽太(なかじま はるた)

家の鍵……
落としたあああ!

華胡(かこ)

雨振りしきる中、
野宿か……

中島 陽太(なかじま はるた)

いやだああああ!!



頭を抱えていると、
隣の部屋から人が出てきた。

おっ! 
校門で女子に囲まれてた
スーパー転校生じゃん

中島 陽太(なかじま はるた)

(んっ? 
見覚えあるけど、
誰だっけこの人?)

華胡(かこ)

たしか優斗が、
こやつの写真をおぬしに
見せておった気がするが

中島 陽太(なかじま はるた)

(優斗が……?)

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

でも、いくらモテ期が
きてるお前でも、
こいつにはかなわないだろうな



そう言って優斗は、一枚の写真を出した。

中島 陽太(なかじま はるた)

誰だ……?
このイケメンは

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

3年生の成瀬裕貴
(なるせひろたか)先輩だよ。
見た目はかなりチャラいが、
生徒会長なんだぜ

中島 陽太(なかじま はるた)

ふうーん……

堀川 優斗(ほりかわ ゆうと)

生徒会の顧問は沙穂先生だろ?
成瀬会長が狙ってんじゃねえか
ってみんなヒヤヒヤしてんだよ

中島 陽太(なかじま はるた)

そうだ!
うちの高校の
生徒会長じゃないですか!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

よく知ってんなあ。
で、家の鍵を落としたんだって?

中島 陽太(なかじま はるた)

俺のひとりごと
聞いてたんですか……

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

あんだけデカい声で
騒いでりゃな。
部屋にいても聞こえたわ

中島 陽太(なかじま はるた)

す、すみません。
ところでこの辺に
ネカフェ有ります?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

あー、家に誰もいないから
ネカフェに泊まるのか

中島 陽太(なかじま はるた)

はい、
ひとり暮らしなもんで……。
それに今の時間じゃ大家さんと
連絡とれないでしょうし

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

じゃっ、うちに泊まれよ

中島 陽太(なかじま はるた)

えっ?
いいんですか?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

ああ。
この雨の中ネカフェまで
歩くのはキツイだろ

中島 陽太(なかじま はるた)

な、なんていい人なんだ~!
ではお言葉に甘えて!!

中島 陽太(なかじま はるた)

お邪魔しまーす

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

俺もひとり暮らしだから
気兼ねすんなよ。
その辺に座ってくれ

中島 陽太(なかじま はるた)

あっ、はい

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

晩メシまだだろ?
昨日のカレーが残ってるけど
食うか?

中島 陽太(なかじま はるた)

むっちゃ腹減ってたんすよ!
いただきますっ!!

中島 陽太(なかじま はるた)

(写真のイメージと
だいぶちがうな~。
女にモテることを鼻にかけた
嫌な奴かと思ってたのに)

華胡(かこ)

顔のいい男に対しての
偏見がすごすぎるじゃろ

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

はい、おまちどうっ



目の前に置かれたカレーに、
さっそく手をつける。

中島 陽太(なかじま はるた)

いただきます!
んまっ! んまああっ!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

そう言えばお前、
名前はなんて言うんだ?

中島 陽太(なかじま はるた)

中島陽太です。
先輩は成瀬裕貴さんですよね?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

なんでも知ってんだなあ

中島 陽太(なかじま はるた)

友達が新聞部なもんで、
いろいろ教えてくれるんですよ

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

へえ、情報通の友達がいんのか。
そういやお前、
来栖とも友達だよな?

中島 陽太(なかじま はるた)

なんで知ってるんですか?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

だって俺、テニス部だからさ。
前に、お前……えーと、陽太が
来栖とテニスコートで
話してんの見たし

中島 陽太(なかじま はるた)

そうだったんですか……。
女子しか見てなかったから
気づきませんでした

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

お、お前……。
かなりの女好きだな。
沙穂先生とか大好きだろ?

中島 陽太(なかじま はるた)

もちろんっ!
っていうか、男子なら全員
沙穂先生が好きですよね?

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

あんだけ美人で優しけりゃな。
でも、沙穂先生は大人の女だぜ?
俺たちなんか相手にしないだろ

中島 陽太(なかじま はるた)

またまた~。
生徒会の顧問だから、裕貴さんが
狙ってるってウワサですよ

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

ははは、おもしれーなそれ。
お前だって来栖を狙ってたり
すんじゃねーの?

中島 陽太(なかじま はるた)

なっ!
なんでそうなるんですか!!
違いますよ!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

照れんな、照れんな。
バラしたりしねーから
素直になれって

中島 陽太(なかじま はるた)

珠來は幼なじみだから
よく話すだけで、
俺は沙穂先生に憧れてるんです!

成瀬 裕貴(なるせ ひろたか)

ふうーん? そうなん?
まあ沙穂先生は
彼氏いないみたいだし、
ワンチャンあるからがんばんな

中島 陽太(なかじま はるた)

がっ、がんばりますっ!

華胡(かこ)

照れ隠しに
つまらぬ意地を
張りおって……

中島 陽太(なかじま はるた)

(ほっとけ!)

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