銀閣寺

まず、ルールブックを見て、元々行く予定だった銀閣寺に行くことにした。

りすちゃん

哲学の道って
いいよねぇ~

佳純

うん。

そんなことを言いながら、銀閣寺へ。
そこで生まれて初めて御朱印をいただいた。

佳純

……

はっきりとは覚えていないが、銀閣寺の入口のすぐ横に御朱印の窓口があったように思う。

佳純

ここでもらっちゃうとさ
お参りの前にもらうことになるよね。

りすちゃん

そうだね。

佳純

中に入って
お参りを済ませてからいただこうか。

りすちゃん

そうだね。

銀閣寺の中に入る。

佳純

素敵なお庭だねえ。

りすちゃん

銀閣寺に来るまでの
哲学の道もセットでいいよね。

佳純

うんうん。

お庭を散策してお参りをして銀閣寺を出て、御朱印をいただきに入口に戻った。

佳純

こ……
これを出せばいいのかな?

りすちゃん

そうじゃない?
御朱印って書いてあるし。

記憶が定かではないが、たしかこういうルートをたどった気がする。今思うと、ここまでしなくてもよかったのではないかと思う。

佳純

『御朱印』っていう文字は
見たことがあったけど、
何だか知らなかった。

地味にそっとあったから、それまで気にしたことがなかった。

佳純

御朱印って
ここでいただけるんですか?

緊張しながら窓口の女性に聞いたと思う。

今は御朱印を
書ける人がいません。

そんなことを言われたような気がする。

佳純

はい?

言っている意味がわからなかった。

佳純

御朱印
いただけないんですか?

今なら
ハンコだけになるよ。

と、言っていたように思う(たぶん)。

佳純

ハンコとスタンプは違うのか?

旅行案内の人が言ったことなどが、頭の中でグルグルしてしまっていた。

佳純

御朱印って
どこでいただけばいいんですか?

このままでは御朱印がいただけないと思って焦ってしまった。

ここ

窓口の上には御朱印という文字が書いてあった。

佳純

御朱印を
いただきたいのですが。

文字じゃなくて
ハンコだけど
いいですか?

窓口の女性が何を言っているのかわからなかった。

佳純

御朱印はスタンプラリーじゃないって
それをまた言われているのか?

そう思ってしまった。

佳純

あの……えっと……
御朱印ラリーをしていて……

だから
御朱印を書く人がいないから
ハンコになるけどいいですか?

意味がわからなかった。

佳純

御朱印は
ハンコじゃないんですか?

……

少し絶句していたような気がする。

ハンコです。

意思疎通ができていなかったように思う。

佳純

御朱印
いただけないんですか?

ハンコの御朱印なら
できます。

まったく意味がわからなかった。

佳純

…………

りすちゃん

たぶん
いいんじゃない?

りすちゃんがそう言ってくれたから、

佳純

お……
お願いします。

よくわからなかったけど御朱印帳を渡した。

ここが初めてなの?

まっさらな御朱印帳を見てその方は言った。

佳純

はい。
すみません。

別に
いいんだけど……

テキパキと御朱印を押した女性は御朱印帳を返してくれた。

300円です。

御朱印帳の他に、御朱印をいただく時にもお金がかかる。

佳純

あっ
ありがとうございます。

現在では考えられない緊張のしかただった。
しかし、戻ってきた御朱印帳の1ページ目には

佳純

すごい
とっても綺麗なハンコだよ。

りすちゃん

ほんとだ~。

私とりすちゃんはびっくりしてしまった。
銀閣寺という文字も日付も赤いハンコもとにかく全てがハンコという御朱印だった。

佳純

ありがとうございます。

と、御朱印をくれた女性に言ったが、

……

なんか冷めた目で見られた。
その理由は後になって知ることになる。

佳純

もしかすると
こうなるのがダメだったのかもしれない。

と、今になって思うけれど、

佳純

これも素敵な
思い出のひとつです。

pagetop