彼女と再会したその時……瞬時に気が付いた事がある。

???

あの頃の――と違う

 離れていた時間が俺の想いが……彼女を狂わせたんだと。
 目の前の現実が……俺に理解させた。

 もう戻れない……そんな事はわかりきっているのに……。
 どうして俺達は……再会してしまったんだろう……。

 そうして俺は又……罪を重ねる。
 だって彼女を守れなかったのは……俺の最初の罪だから……。

 入学式も無事終わり、暫くすると身体測定がある。
 星華男子高は今日がその日で、午前中で学校が終われる日だった。

 明彦と敬一は共に帰り支度をしながら雑談をしていた。

明彦

ケイは身長高くて良いよな。180って……俺と10㎝も差があるのか……羨ましい限りだ

敬一

それはどうかな? 
知ってるアキ君。キスしやすい身長差って12cmって言われているんだよ。ユズちゃんは確か157㎝ってこの間の身体測定で言ってたもんね。ほぼ理想じゃん、ほら

明彦

ぶっ


 明彦は思わず呻いた。

敬一

ま、そのユズちゃんは今日普通に授業だもんね。一緒に帰れなくて残念だったよねー


 結月達精華女子高の身体測定はつい先日終わったばかりだ。通常授業に戻っているというのは明彦も知っていた。

敬一

それじゃあ帰ろうか。待ち人も居ないのにダラダラ残ってても仕方無いし


 言いながら敬一は荷物を持って綺麗なウインクを決めた。

敬一

ほらアキ君、置いてくよ?

明彦

わ、待ってよケイ!

 言った通り本当に置いていく勢いで歩き出す敬一を明彦は慌てて追い掛けた。
 この後まさかあんな出会いがあろうとは……その時は誰も思っていなかった。

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