うちのぼくちゃんの話
うちのぼくちゃんは本当の名前を
内野ぼうといいますでもみんな、
うちのぼくちゃんといわれていました。
おかあさんまでぼくちゃんといいます。
ある日ぼうくんは、さんぽに出かけました。
ちかくのおばさんまで
うちのぼくちゃんの話
うちのぼくちゃんは本当の名前を
内野ぼうといいますでもみんな、
うちのぼくちゃんといわれていました。
おかあさんまでぼくちゃんといいます。
ある日ぼうくんは、さんぽに出かけました。
ちかくのおばさんまで
ぼくちゃん。
1人でどこにいくの。
といってくるのです。
ぼうくんはもう自分の名前が
ぼくちゃんじゃないかと
思うくらいぼくちゃんぼくちゃんと
よばれていました。
そのうちに知らない人にも
声をかけられるくらいです。
あなたがぼくちゃん
っていうのかわいいねぇ
と
しらないだれかさんがいいます。
するとまた
本とうだ。
かわいいこね。
とだれかがいいます
ぼくちゃんは、
中学生になってもこうこう生になっても
まだぼくちゃんぼくちゃんと
いわれているので、まだ、
おとなになっても
ぼくちゃんいいてんきですね。
と
、いわれてるそうです。
お
わ
り
何これ? 超怖いんだけど
と思った貴方。
そんな貴方はナンチャイと同じです。
このサイコな文章は
ワイフがガキンチョの頃に残した文章。
自己紹介のような挨拶を
何気に読んでしまったが最後。
句読点もなく次の文に続いていき
おかしいなと首をかしげながらも
読み進めていくうちに
珍妙な雰囲気に包まれる。
気付けばぼくちゃんの疑問以上の
異常な疑問を抱え込まされている。
何処かで聞いた事ありそうな
登場人物達のリアルな言葉、
その息遣い。
それに負けず劣らずの
ミステリアスでカオスな世界。
誰にでも理解出来る単語なのに
決して理解不可能なメッセージ。
そして突然の終幕に、
脳内を占拠するのは謎ばかり。
読了後には敗北感すら押し寄せてくる。
それがうちのぼくちゃんなのです。