三方向からの刻弾は、無情にも旋風によって掻き消された。
ユフィ達は旋風で更に傷が増える。追撃を考えていたジュピターも旋風で体勢を崩され逆にダメージを負った。各自水薬で回復をするも、これ以上ダメージを受けると危険すぎる。
消えろ!!
いきます!!
当てるっ!!
ちっ!
またか!
ぅぐっ。
う、嘘……
掻き消したの?
三方向からの刻弾は、無情にも旋風によって掻き消された。
ユフィ達は旋風で更に傷が増える。追撃を考えていたジュピターも旋風で体勢を崩され逆にダメージを負った。各自水薬で回復をするも、これ以上ダメージを受けると危険すぎる。
刻弾も、
あんな簡単に……
ランディ、
七階への階段まで走るわ。
今の私達じゃ、敵わないわ。
逃げるんすか?
目前って言っても
階段までアイツから
逃げ切れるとは
思えないっすよ。
幸い攻撃的な魔物じゃないわ。
危険に違わないけど
このまま弱点どころか
ダメージを与える方法すら
分からないまま
ずるずる戦うよりはいいわ。
それに皆の水薬も
殆ど尽きているはずよ。
オイラ達がアイツを食い止める!
アデル達は走ってくれ。
分かりました。
さぁ、ロココ――!?
ああ!?
あれは確か!
ランディの持つハイドライトソードの剣身が、漆黒に染まっていく。
コフィンとの私闘時に見せた、剣に『魔気を佩かせる』というランディ固有の特技。剣に灰化するほどの負荷を掛けるが、切れ味を絶大に上げる最終手段だ。
切り札まで出させやがって……
柄を両手で握るランディは深く息を吸い込む。正伝剣術にある、一振りに全てを込める全身全霊の構え。
しかもコフィンの時に使用した剣と違い、いま手に持つ剣は、リアに買って貰った一級品のハイドライトソード。魔気を佩かせた時の切れ味は、誰もが想像出来ぬものだった。
ランディー!
ぶった切るっす!
くたばれ!!
…………
や……
やったっすか?
今のはよぉ、
俺の全身全霊の一撃……
間違いなくな。
ランディの右手にあるハイドライトソードが、光に溶ける様にぼやける。
あああ……
ランディの剣が。
そ、それに……
ハイドライトソードが跡形もなく消えるのを見届けながら、ジュピターの言葉にユフィが続ける。
「あの攻撃でも傷一つつけれないの……」
武器を失くしたランディは、歯を食い縛りながら宙を睨み上げていた。
失礼しました。
そしてコメントありがとうございます。
佩く(ハク)
で、『はかせる』です。
太刀を佩く
等に使います。
初登場の時にしか、ルビふってませんでしたね。すみません。