橋本ピッツァの
気の毒な事件簿
前半
橋本ピッツァの
気の毒な事件簿
前半
副業の清掃アルバイト中の○○号室にて
足の踏み場もないほどに
散らかっている部屋。
タバコライター、
ゴム製大人の玩具二点、
幼女系漫画雑誌は
この施設のご愛敬、
上のラックには
生理用品の入った
肩掛けバッグや
スマホ充電器などが置かれていた。
何かめちゃくちゃ使用中感ある汚い部屋だなあ。これ本当に清掃入っていいのか？
ここが本当に退店した後
の部屋なのか、
フロントに確認の電話をするとOKとの事。
ホントかよ、めっちゃ怪しいけれども
と思いながら、
散乱物の中で貴重品と
おぼしきものを順次、
下の階のフロントまで運んでいく。
残りはゴミとみなし、
用具室の大きいゴミ箱に処分。
めちゃダル
往復で部屋に戻り、
入り口左手のタバコ置き場に
目をやるとある事に気づく。
銀色の灰皿の上には
透明の四角いビニール袋の
中に入った白い粉と
ミョウバンのような固形が入り混じっている。
いや、厳密にはこの固形の
ミョウバン体が砕かれて
粉になったものがある。
え、これってまさか…刑事ドラマやアウトロー映画で良く見るかの有名な…
ダメ絶対。覚せい剤。
灰皿の横には、
さっきはライターと思って
見逃していたガラス体のものが、
よく見るとストロー付きの
小型吸引器であった。
完全にアウトですやん！！
慌ててまた下のフロントに
その一式を持って行く。
当然、
他のお客様に見つからないように
裏口から回って
すいません、さっき貴重品回収した部屋から今度はこんなのが出てきたんですけれども
これってきっと覚せい剤ですよね？
三人いたフロントマンの
うちの一番温厚そうな一人が
ビニール袋を少し開け、
匂いを嗅いだ後に一言
…クリスタルだな。ヤバいなこれは本部に連絡しないと
…クリスタル（※１）って何！？
とりあえず、
その部屋にあった一式をフロントに卸し、
ゴミを片付けて、
違う部屋の清掃に入る自分。
当然、
自分は頭はクリスタルの事でいっぱい。
よく○○○○とかいうけど、あの薬を服用してからあの道具、アレを×××にして△△△した後の世界っていったいどんな涅槃が…
ていうか、あのスタッフさんなんでクリスタルなんて言葉知ってたんだろう？もしかして元警官？妙にあの瞬間、顔が凛々しかったし。
などと考えているうちに、
下のフロントから電話。
はい、お疲れさまです
橋本君、いったん清掃を止めて、下に降りてきてもらえないかな？
「さっきの○○号室だけど、他のスタッフが本当は外出だったのに退店扱いにしちゃったらしいんだ。それでお客様がゴミ箱の中身も含めて、忘れ物を再確認したいっていうんだけど、橋本くん案内してくれるかな？」
何いいいEEEeee!!!
※１…クリスタルとは、結晶状覚せい剤の種類の一つをさす。
後半に続く
「部屋の清掃しただけなのに」ロードショーですか(笑)
いゃ、説明しろって…明らかに危険じゃないですか…(^^;
