一旦、冷静に判断をするために”背徳の宮殿”の二階から、調教で使われた縄を再利用して脱出を試みた、エリオット・アルテミス。
だが、下に降りている途中で、その縄が切れ彼は地面に落ちそうになったが、地面に叩きつけられる前に彼は、魔法の力で空中にその身体が浮いている。
夜空には丁度、三日月が輝く。その三日月に照らされてその夜に姿を見せたのは、エリオット・アルテミスから見ると、まるでその月の女神・アルテミスに見えた。
気高い綺麗な黄金色の髪。そして、妖しいまでに真っ赤な瞳。まるでその瞳は、ルビーのようにも見える。意志が強く、自立した大人の女性を感じさせる、しっかりとした表情の美女だった。
彼は思わず、こう思った。