chapter1-3:庄司霧子、浅羽大

2人は、銀色の何かに向かって歩みを進めていた。
そんな中、違和感を覚える。
この銀色を見ている人がいない。
明らかに、奇妙な状況なのに誰も見向きもしていない。

この状況を含めて奇妙だった。

浅羽さん……何か変じゃないですか?みんな……気にしてない?

と言うか、気付いてない様にすら感じるな

ちょっと、周囲に聞き込みした方が良いですかね

聞き込みぃ?

浅羽はため息を漏らすと、おもむろにスマホを取り出すと、何かを検索しはじめた。

何やってるんですか?

Twitter

聞き込みは!

バカ。こんな建物があんのに、周囲が無関心ってのは奇妙すぎるだろ。

普通に考えりゃ気付くだろうし。
逆に、俺たちが知らなかっただけって事もありえる。
だったら、呟いてるヤツもいるかもしれねぇ

確かに……

ショージ。お前は頭がカタイんだよ。
もう、ガッチンガッチンの、コッチンコッチンだ。
ほら、言ってみろ。

……

あーーもう!
睨むな、睨むなぁ。
聞き込みして来い。自分で言ったんだから―――おっ!?

ありました?

高松慎吾、歌手のAKINOと熱愛発覚

は?

高松慎吾だよ!高校卒業してメージャーに行っちまったが『左の本格派』だぞ

浅羽さん……

わかってる!わかってるよ。
ちゃんとやるから、ショージは安心して行ってこい

安心できない状況だったんですけど!

じゃぁ多少、不安な気持ちを抱えたまま行ってこい!

……はぁ……

とりあえず『取材』とか言っておけば、何とかなるから。

ほらな!
安心できたろ

不安なのは、そっちじゃなく、浅羽さんの事です。

はいはい

聞き込みしてきますから、勝手に動かないでくださいね!

へいへーい

……つづく

chapter1-3:庄司霧子、浅羽大

facebook twitter
pagetop