イツシマ ケイジ

朝、起きる。
いつもの悪夢を、今日は見なかったね。

サヴァラン ブリュレ

え…?そうなの…?
不定覚悟してたんだけど…

イツシマ ケイジ

どうしてだろうね?
気になってふと時計を見ると…

イツシマ ケイジ

時刻は8:30を指しているね

サヴァラン ブリュレ

うそっ!?

サバキ ラン

やばっ…!

サヴァラン ブリュレ

って言って、準備して家出る!!

イツシマ ケイジ

OK。その勢いじゃ、テレビを見る余裕もないだろうね…

イツシマ ケイジ

今日は11月11日の土曜日。
明日、世界は終わるかもしれない。

サヴァラン ブリュレ

きょうもそれは言っていくんだね…

イツシマ ケイジ

大事なことだから。

イツシマ ケイジ

さて。駅に行けば、もうついていたようで、世時は君を待っているだろうね。

サヴァラン ブリュレ

遠めから見て、何か変わったところはある?

イツシマ ケイジ

うーん、いつも通りの世時に見えるね。

サヴァラン ブリュレ

そっか…話しかけるよ。

サバキ ラン

逸見、お待たせ。

イツミ セイジ

蘭サマ!おはよ~!!
元気だった?

サバキ ラン

まあね。そっちは?

イツミ セイジ

俺も元気!蘭サマと電話もしてたしね!

イツミ セイジ

んじゃ、行こうぜ!そういう話は電車でもできるし!

サバキ ラン

そうだね。行こうか。

イツミ セイジ

……

サバキ ラン

なに?ジーっと見ちゃって

イツミ セイジ

い、いや…なんか、いつもより、当たりが優しいような…って…

サバキ ラン

別にいつも通りにしてもいいけど…せっかく遊びに行くんなら、楽しくノンストレスのほうがよくない?

イツミ セイジ

ら、蘭サマ…!

イツミ セイジ

大好き!!

サバキ ラン

あ、おさわりはNGで。

イツミ セイジ

蘭サマ!!!

サバキ ラン

ほら行くよ。10時開園なんだろう?

イツミ セイジ

はーい!

サヴァラン ブリュレ

出発するよ。電車には何かある?

イツシマ ケイジ

人が極端に少ないね。あとはいつも通りだよ。

サヴァラン ブリュレ

んん、そっかぁ…

サバキ ラン

人、やっぱり少ないね。

イツミ セイジ

…まあ、あんなこと言われちゃ、減るのも無理ないよな…

サバキ ラン

…信じてる?

イツミ セイジ

なにを?

サバキ ラン

世界、本当に滅亡しちゃうと思う?

イツミ セイジ

……

イツミ セイジ

…しないよ。きっと月曜にはみんな、「ほら、やっぱり」って顔しながら、笑って過ごしてるから。

イツミ セイジ

だから、大丈夫だよ。

サバキ ラン

……そっか。そうだね。

サバキ ラン

まだ作りたいものも、盗みたいものもあるんだ。
お前とルナちゃんの成長も気になるし…

イツミ セイジ

…蘭サマ…

サバキ ラン

俺とジャッジが面倒みるんだ。
でかくなってくれなきゃ、こっちの名折れにもなる…励めよ。

イツミ セイジ

…………うん

サヴァラン ブリュレ

つっっっっっっら

イツシマ ツナグ

まさか、蘭がこんなに世時に献身的になる時が来ようとは…

イツシマ ケイジ

あはは!人生ってわかんないねぇ!

イツシマ ケイジ

さて…ほかに話したいこともなければ、何事もなく遊園地に到着するよ。どうする?

サヴァラン ブリュレ

いっぱいあるけど…立て続けに話すとボロでそうだし、とりあえずいいかな。

イツシマ ケイジ

OK。じゃあ、君たちは無事ゆうぐれ遊園地に到着するね。

イツシマ ケイジ

遊園地もいつもよりずっと、人気がない。

イツシマ ケイジ

しかし誰もいないというわけではなく、見渡せば少ないながらも客の姿はあるだろう。
いちおう、遊園地として営業はしているようだ。スタッフの姿などもあるね。

イツシマ ツナグ

遊園地には、ジェットコースター、お化け屋敷、ショートフィルムを上映する映画館、観覧車のほか、遊園地にありそうなアトラクションは大体あるぜ。

サヴァラン ブリュレ

へえ、結構おっきいところなんだね。

イツミ セイジ

ついた~!!
蘭サマ、何から行く!?

サバキ ラン

そっちから決めなよ。消費したかったからとはいえ、もとは君のチケットなんだから。

イツミ セイジ

え…いいの?じゃあ…

イツミ セイジ

映画館行きたいな!今やってるショートフィルム、なかなか面白そうで…

サバキ ラン

OK。じゃあ行こうか。

サヴァラン ブリュレ

映画館に行くよ。

イツシマ ケイジ

OK。じゃあ…

イツシマ ケイジ

もともと人が少ないせいか、映画館には君たち以外の入園者はいないね。
暗い映画館の中で君たちは、ぽつりとふたりだけ席に座って映画を見ることだろう。

サヴァラン ブリュレ

そもそも、開園してすぐ行くような場所でもないしね。

イツシマ ケイジ

言われてみれば、そうだね!

イツシマ ケイジ

じゃあ、ここでアイデアを振ってくれるかな?

サヴァラン ブリュレ

D'ac

サバキ ラン
アイデア80→98ファンブル!

サヴァラン ブリュレ

ふぁっ!?

イツシマ ケイジ

あはははははは!!!!

イツシマ ツナグ

いや…むしろここまでよく頑張ったと思うぜ…?一回もファンブル出さなかったもんな…?

サヴァラン ブリュレ

お、おねがい…!SAN値だけは…!!

イツシマ ケイジ

どうしようかな~
……それじゃあ…

イツシマ ケイジ

映画の内容は、SFチックな恋愛映画のようだ。遊園地で上映される子供向けのショートフィルムにしてはできのいいそれに、君はどんどん引き込まれて行ってしまうね。

イツシマ ケイジ

映画は後半、佳境を迎える…その時、君のほほに何か熱いものが流れる…これはなんだ…?そう。涙だ…!

イツシマ ケイジ

君は不覚にも流れてきた涙を止めることができない…上映が終わる前に何とか止めようと四苦八苦した結果、クライマックスシーンに集中できず、内容を見逃してしまうね…!

サヴァラン ブリュレ

うええええ恥ずかしい奴だこれ!!!

イツシマ ケイジ

くしくも涙は止まらず、そのまま館内の明かりがともる…当然、

イツミ セイジ

けっこー面白かったな、蘭サマ♪

イツシマ ケイジ

と世時は笑顔で君に話しかけてくる。しかして…

イツシマ ケイジ

君は子供向けショートフィルムを見てボロ泣きしている姿を、世時に見られてしまうよ!

サヴァラン ブリュレ

あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!

イツミ セイジ

ら、蘭サマ!?

サバキ ラン

うっ…まって…みないで…いま、ひどい顔して…!

イツミ セイジ

かわい……じゃなくて…!と、とりあえず外出よう!!ね!?

サバキ ラン

情けない…

イツシマ ツナグ

ごめんめっちゃ笑った

サヴァラン ブリュレ

また蘭に変な設定が…

イツシマ ケイジ

あはは!それじゃあ、映画を見て少し落ち着いた後…次はどうする?

サヴァラン ブリュレ

心機一転したいね…ジェットコースター行こうか…

イツミ セイジ

大丈夫蘭サマ…?

サバキ ラン

大丈夫だよ…行こう。

イツシマ ケイジ

ジェットコースターはやっぱり人が少ないみたいだ。あまり待たずに乗れるよ。

サヴァラン ブリュレ

蘭も怪盗だし、スピード感のあるアトラクション好きなんじゃないかな。

イツシマ ケイジ

そうだねぇ…じゃあ、POW×5振ってみようか。

サバキ ラン
POW×5(65)→26成功

イツシマ ケイジ

じゃあ君は、臆することなくジェットコースターに乗り、楽しむことができるね!

イツミ セイジ
POW×5(60)→10成功

イツシマ ツナグ

世時も無事楽しめたようだぜ。
なれたもんなんだな!!

サヴァラン ブリュレ

これ、フリーフォールもいけるんじゃない?あるかな?

イツシマ ケイジ

うん、あっていいよ。
高さは…90mだね。

サヴァラン ブリュレ

うわそこそこ高い…

イツシマ ツナグ

俺ならぜってー乗らない…

イツミ セイジ

……い、行く…?蘭サマ…?

サバキ ラン

…せっかく来たんだしね…乗る…?

イツミ セイジ

……ええいままよ!!行こう!!

サバキ ラン

よし…!死ぬときは一緒だ!!

イツミ セイジ

え…ら、蘭サマそれって…

サバキ ラン

勘違いすんなフリーフォールのことだよ!!!!

イツミ セイジ

あはは!わかってますよー行こう!!

イツシマ ケイジ

じゃあ、そうだなぁ…

イツシマ ケイジ

高さもそこそこってことで、POW×3で行ってみようか。

サヴァラン ブリュレ

よし…男見せてくれ、蘭…!

イツシマ ツナグ

せっかくだから一緒に振るぜ!みせてやれ世時!!

サバキ ラン
POW×3(39)→93失敗

イツミ セイジ
POW×3(36)→40失敗

イツシマ ケイジ

あはははは!!
二人そろって足腰立たなくなっちゃうくらい、怖かったみたいだね…!

サバキ ラン

や、やばかった…内臓が…内臓が、ふわって…ふわ~~~って…!

イツミ セイジ

ち、地上…地面に足が付くって、幸せなことだな…!

イツシマ ケイジ

さて…そんなこんなで遊んでいると、お昼の時間だね。どうする?

サヴァラン ブリュレ

レストランとかある感じ?

イツシマ ケイジ

うん。レストランもあるし、軽食ワゴンみたいなのもあるよ。

サヴァラン ブリュレ

軽食ワゴン?

イツシマ ツナグ

ほら、あれだよ…焼きそばとかフライドポテトとかが紙パックに入ってる…

サヴァラン ブリュレ

ああ!八木〇動物公園にあるみたいな!!

イツシマ ツナグ

そうそうそれ!!

サヴァラン ブリュレ

じゃあ…せっかくだからワゴン行こうかな。

イツシマ ケイジ

OK。じゃあ、いい感じの席も取れて、ワゴンにありそうなものなら何でも食べられるよ。

サバキ ラン

俺は焼きそばにしようかなぁ…逸見は?

イツミ セイジ

うーん…どうしようかな…

イツミ セイジ

…あ、じゃあおにぎりセット

サバキ ラン

え?なにそれ…?

イツミ セイジ

ん?…おにぎり二つと、ポテトかから揚げがセットになってるやつ。知らない?

サバキ ラン

なにそれそんなのあるの…!?

イツミ セイジ

あるある!これが、結構ボリュームあるんだぜ!内容にしては安いし!!

サバキ ラン

そうなんだ…!やっぱ俺もそっちにしようかな…

イツミ セイジ

いいんじゃない?結構いっぱい動いたし、塩味のきいたおにぎりはおいしいと思うよ~!

サバキ ラン

…決めた!俺もおにぎりセットにする!!

イツミ セイジ

やった~!!おそろいだ~!!

サバキ ラン

飲み物は?俺買ってくるよ。

イツミ セイジ

え…?いいの?

サバキ ラン

チケット代。
浮いたお金で、ルナちゃんと継留ちゃんにお土産買っていきなよ。

イツミ セイジ

~~~!ありがとう蘭サマ!!本当に大好き…!!

サバキ ラン

うわっ!?
は、離れろ気持ち悪い!!

イツミ セイジ

やだ!!

サバキ ラン

やだってお前なぁ…買ってこれないだろ?

イツミ セイジ

ああ…そっか、ごめん…

イツミ セイジ

んじゃ…飲み物はコーラで。一人じゃ無理そうなら呼んで!

サバキ ラン

OK。

サヴァラン ブリュレ

ワゴンでおにぎりセット2つと、コーラとスプライト注文するよ。

イツシマ ケイジ

OK。蘭が注文すると、作り置きされたそれは物の数分で出てくるね。

イツシマ ケイジ

しんなりした海苔と硬めのごはん…塩味のきいた二つのおにぎりには、それぞれ昆布と梅が入っていたね。
セットのポテトは塩味がまちまちで、しょっぱいものから、ほぼ塩がかかっていないものまで様々だ。

イツシマ ケイジ

普段食べたら味気ないその食事は、君たちをどこか、ノスタルジックな雰囲気に浸らせてくれるね。

イツシマ ケイジ

最近の世界滅亡騒動で摩耗した君の心を、それらは暖かく包み込んでくれるね…1D3のSAN値回復だよ!

サヴァラン ブリュレ

やった~~~~~!!慈悲だ~~~~~~!!!!

サバキ ラン
SAN値回復1D3→1
56→57

サヴァラン ブリュレ

やった…やった…!不定が一歩遠ざかった…!

イツシマ ツナグ

よかったな!

イツシマ ケイジ

それじゃあ…おなかを満たした君たちは、次はどこに行くのかな?

サヴァラン ブリュレ

うーん…一回食休みしたいよな…

サヴァラン ブリュレ

夢のこともあったから、あまり近づきたくなかったんだけど…観覧車行ってみる?

イツシマ ケイジ

OK。じゃあ、君たちは観覧車に向かうね…

イツシマ ケイジ

そのまま乗ろうと思ったけど、観覧車は激混みだね。みんな考えることは同じだったみたいだ。

サヴァラン ブリュレ

そっか…残念というべきか、安心したというべきか…

サヴァラン ブリュレ

うーん…じゃあ、そうだなぁ…

サヴァラン ブリュレ

ここ、ゲームセンターみたいなのある?
あればなんかいい対戦ゲームないか散策したいな。

イツシマ ケイジ

ああ、あっていいよ。東京ド〇ムシティにあるみたいなの想像してくれればいいよ。

サヴァラン ブリュレ

あ…じゃあ、maim〇iある?それで少し食休みしようかな。

イツシマ ケイジ

いいよ。普通に見つけられたね!

サバキ ラン

逸見、音ゲーできる?

イツミ セイジ

そこそこならできるよ。

イツミ セイジ

対戦する?

サバキ ラン

いいよ…じゃあ、勝ったほうは、負けたほうに一つ、なんでも命令できる…ってどう?

イツミ セイジ

いいね!
蘭サマ結構不器用だし、ここは余裕で勝たせてもらうぜ!

サバキ ラン

そう簡単にいくかな…?行くよ!

イツシマ ケイジ

うーん…じゃあ、D100振って、高い数値が出たほうの勝ちってことにしようか。

サヴァラン ブリュレ

いざ!!

イツシマ ツナグ

勝負!!

イニシアチブロール

D100→25

D100→51

イツシマ ケイジ

勝者、逸見世時!!

イツシマ ツナグ

やった~~~~~!!!!

サヴァラン ブリュレ

今日出目高めだから行けると思ったのに…!

イツシマ ツナグ

それじゃあ、世時は

イツミ セイジ

やった!!なにしてもらおうかな~♪

イツシマ ツナグ

ってルンルンで考え始めるぜ。

サバキ ラン

あ、あまり過激なものはやめてくれよ…?

イツミ セイジ

ええ~?どうしようかな~♪

サヴァラン ブリュレ

率直に怖い!!!!

イツシマ ツナグ

ダイス目を過信して、突っ走ったからだぜ~!恨むなら、過去の自分を恨むんだな!

サヴァラン ブリュレ

か、覚悟だけはしておくよ…

イツミ セイジ

さって…次はどうする、蘭サマ?

サバキ ラン

命令は今じゃなくていいの?

イツミ セイジ

喜んだのはいいんだけど、急に言われるとたくさんありすぎて…

サバキ ラン

こわ…

サバキ ラン

お化け屋敷と観覧車だけは絶対やめておこう…!

サバキ ラン

そうだなぁ…

サヴァラン ブリュレ

トリックルームみたいなのってない?

イツシマ ケイジ

お、いいねぇ…あっていいよ!

サヴァラン ブリュレ

やった!じゃあそこで!

イツシマ ケイジ

OK。じゃあ、君たちはいろんな仕掛けがある屋敷からの脱出をテーマにした迷路にやってくるね。
タイムによって景品がもらえるよ。

サバキ ラン

よし…!適用能力と推理力はあるはず…!

イツミ セイジ

この迷路、結構難しいらしいよ…!
頑張ろうな!

イツシマ ケイジ

ということで…アイデア、DEX×5、CON×5で振ってもらおうかな。

サヴァラン ブリュレ

全部!?

イツシマ ケイジ

成功数で景品が決まるよ!

サヴァラン ブリュレ

よ、よし…振るよ!

サバキ ラン
アイデア80→15成功
DEX×5(40)→71失敗
CON×5(65)→17成功
 
 

イツシマ ケイジ

じゃあ、君たちはそこそこ速いタイムで迷路を抜けることができるね。
景品はクリア記念ピンバッヂだよ!おめでとう!!

サヴァラン ブリュレ

おお…結構豪華…!

イツシマ ツナグ

世時はもらったそれを、嬉しそうに受け取るな!

サヴァラン ブリュレ

ちなみに一番いい景品は何だったの?

イツシマ ケイジ

遊園地で使える商品券だよ。1,000円分くらいの。

サヴァラン ブリュレ

個人的にピンバッヂのほうが嬉しいな…DEX低くてよかった!

イツシマ ケイジ

さて、次の場所だけど…君がどこかに行きたいという前に、世時が

イツミ セイジ

ごめん、ちょっとトイレ行ってくる!
蘭サマはそこで待ってて!

イツシマ ケイジ

といって、その場から立ち去ってしまうね。

サヴァラン ブリュレ

さすがにトイレにはついていかないから…いわれたとおり待ってようかな。

イツシマ ケイジ

OK。では…

イツシマ ケイジ

君は世時に言われた通りそこで待っているけれど、彼はいつまでたっても帰ってこない。

サヴァラン ブリュレ

…え…?

イツシマ ケイジ

5分…10分…いや、もっとだ。トイレにしては長すぎるね。

サヴァラン ブリュレ

何かあったんじゃ…電話する!

イツシマ ケイジ

電話をしても相手は出ないね。コール音が鳴り続けるだけだ。

サヴァラン ブリュレ

探しに行く!その間もずっと電話かけ続けるよ!!

イツシマ ケイジ

OK。それじゃあ…

イツミ セイジ

蘭サマ~!!

イツシマ ケイジ

息を切らせた世時が、君のほうにかけてくるね。

サバキ ラン

逸見…!

サバキ ラン

おまえ…遅いよ…どこまで行ってたんだ!

イツミ セイジ

あー…えっと…ごめん、心配かけて…

サバキ ラン

し、心配は…!……ちょっと、したけど…

サバキ ラン

電話くらい出ろよ!!何回もかけたんだぞ!?

イツミ セイジ

えっ、うそ!?

イツシマ ツナグ

世時はそのまま鞄をあさり始めるな。すると、スマホはその奥のほうから出てきたな。
そのまま通知を確認すると、彼は深く頭を垂れる。

イツミ セイジ

ごめん…!全然気づいてなかった…!

サバキ ラン

もう…何もなくてよかったけど…連絡はちゃんと取れるようにしてよね…

イツミ セイジ

うん…

サバキ ラン

次から気を付けてくれればいいよ…
ほんと、よかった…

イツミ セイジ

……蘭サマ…

イツシマ ケイジ

…さて、そんなやり取りをしていると、時刻はもうすぐ日の入りだね。

サヴァラン ブリュレ

つまり…次のアトラクションが最後か…うーん…どうしようかな…

イツシマ ツナグ

…蘭が迷ってると、世時が

イツミ セイジ

あ…俺、観覧車行きたい!
そろそろ空いてないかな…?

イツシマ ツナグ

と言い出すな。どうする?

サヴァラン ブリュレ

え…う…うーん…
どうしよう、断る理由が見つからない…

サバキ ラン

…わかった。いいよ。行こう

イツミ セイジ

やった!蘭サマ早く!!

イツシマ ツナグ

世時は元気よく観覧車のほうに走っていくな。

サバキ ラン

あっ、こら置いていくな!!

サヴァラン ブリュレ

すぐ追いかける!!

イツシマ ケイジ

OK。じゃあ、君たちは再び観覧車にやってくるね。
先ほどの混みようが嘘のように、すんなり乗れるね。

イツシマ ケイジ

どんどんと観覧車が昇って行けば、街が一望できるようになるだろう。
夕日の明かりの中で、どこか人通りの少ない街だ。
いつもよりもずっと、静かに見える。

イツシマ ケイジ

美しい景色に思わず閉口し、静かな時が流れる…そんな中、世時が口を開くね。

イツミ セイジ

電車じゃ、あんなこと言ったけどさ…明日、本当に世界滅亡するのかな

イツミ セイジ

もし滅亡するとしたら、最後にこうして、デートできてよかった

イツシマ ケイジ

そういって、彼は穏やかに笑っている。

サバキ ラン

で、デートって…!

サバキ ラン

やめろよそういうこと言うの…!
もしかして、夕日に充てられて、変な思考になってるんじゃないだろうね?

イツミ セイジ

あはは!違うよ!!

イツミ セイジ

不安なのは、蘭サマだけじゃないってこと…あんまりそういうの、恥ずかしがらなくていいんだよ?

サバキ ラン

別に恥ずかしがってるわけじゃ…

イツミ セイジ

うそだ!だって、蘭サマプライド高いじゃん!

サバキ ラン

ま、まあ…そう、だけど…

イツミ セイジ

ほら~~~!

イツシマ ケイジ

二人を乗せたゴンドラは、ゆっくりと登っていく。
てっぺんについたとき、世時ははふと思い出したようにポケットをあさる。

イツシマ ケイジ

そして小さな包みをふたつ取り出すと、片方を蘭君に差し出すね。

サバキ ラン

え…なにこれ…?

イツミ セイジ

プレゼント。

イツミ セイジ

明日、世界が滅亡しないように、お守りだよー…なんてな

イツシマ ケイジ

包みを開けば、それは何の変哲もないブレスレットだった。
この遊園地で人気のお土産であり、夕焼けの色の石がシルバーのプレートに数個、はまっているものだね。

サバキ ラン

もしかして…さっき…

イツミ セイジ

あはは…ラッピング頼んだら、ちょっと時間かかっちゃって…ごめんね。

サバキ ラン

…まったく…お前った奴は…

サヴァラン ブリュレ

ブレスレットをつけるよ。

サバキ ラン

似合う?

イツミ セイジ

!…うん!すっごく、すっっっごく似合ってる!

イツシマ ツナグ

世時は片方の包みを開けて、おそろいのそれを取り出すな。で、同じように手首につけるぜ。

サバキ ラン

いいじゃん。お前、なんか飾りっ気ないし、ちょうどよく映えてる。

イツミ セイジ

ほ、ほんと…?
…ありがとう…

イツミ セイジ

…ねえ、蘭サマ。

サバキ ラン

なに?

イツミ セイジ

…さっきのお願い、思いついた。

サバキ ラン

い、今…!?

イツミ セイジ

ああ、えっと…決まったって言っといてあれだけど…いやだったらやらなくていいから…きくだけ…

サバキ ラン

…はあ…いいよ。
言ったの俺だし…ほら、何でも言ってごらん。

イツミ セイジ

あ、え、えっと…じゃあ…

イツミ セイジ

…………

イツミ セイジ

俺のこと、名前で呼んで

イツミ セイジ

…………

サバキ ラン

…………

イツミ セイジ

あ、あはは!や、やっぱいいよ!今のなし!えっと…じゃあ、そうだな…えっとーー

サバキ ラン

……世時

イツミ セイジ

………

サバキ ラン

世時…ほら、これでいいんだろう?
何か言ってよ。

イツミ セイジ

………あ…え、と…

サバキ ラン

どうしたの、世時?

イツミ セイジ

あ、あ、まってまってタンマ!!

サバキ ラン

なんだよ…

イツミ セイジ

い、いや…その…

イツミ セイジ

…だめだ…うれしすぎて、頭おかしくなりそう…

サバキ ラン

…ふふ…あはははは!!

イツミ セイジ

な、なに…!?

サバキ ラン

お前、ストーカーとか平気でやるのに、こういうことには慣れてないのな!

サバキ ラン

ほらほら、何度でも呼んでやるよ世時?
あ、ほら見ろよ!星が見え始めてきたよ、世時!

イツミ セイジ

や、やめて蘭サマ…!
ほんと…ダメだから…!!

サヴァラン ブリュレ

降りるまでこの調子でいじり続けようかな♪

イツシマ ケイジ

ふふ、OK♪それじゃあ、降りる頃には世時は顔が真っ赤になっちゃってるね!

イツシマ ツナグ

いや…ほんと…世時にとっては、アイドルに認知されてステージ中に名指しでファンサもらった状態だからなこれ…

サヴァラン ブリュレ

ああ~、いつもの仕返しができてよかった!!

イツシマ ツナグ

勘弁してやってくれよ~

イツシマ ケイジ

それじゃあ、君たちはそのあと、お土産を買って家路につくね。

イツシマ ケイジ

最寄りについたときにはすっかり日が沈んでしまっているね。

イツミ セイジ

今日はありがとうな!ほんと、楽しかったぜ!

サバキ ラン

いや…俺も、予想以上に楽しめたよ。誘ってくれてありがとう。

イツミ セイジ

あはは、それはよかった…!
もう暗いし、送ってくよ。

サバキ ラン

え、いいよ別に…女じゃあるまいし…

イツミ セイジ

いいからいいから♪

イツシマ ケイジ

宣言通り、世時は君を家まで送り届けてくれるね。別れ際、彼は

イツミ セイジ

また、月曜日にな!

イツシマ ケイジ

と言って、帰っていくね。

サバキ ラン

待って。

イツミ セイジ

うん?なーに?

サバキ ラン

…俺に、何か隠してること、ない?

イツミ セイジ

…………

イツミ セイジ

ないよ。

サバキ ラン

…そう。

サバキ ラン

…お休み。

イツミ セイジ

おう!おやすみー!

イツシマ ケイジ

……蘭君、目星振って。

サヴァラン ブリュレ

…………

サバキ ラン
目星52→36成功

イツシマ ケイジ

…じゃあ、君はーー

イツシマ ケイジ

逸見世時が、嘘をついている…そう思うね。

サヴァラン ブリュレ

…だよね…知ってたよ…!

サバキ ラン

逸見!!

イツシマ ケイジ

君がその嘘に気付いた頃には、世時はいなくなってしまっていることだろう。

サバキ ラン

逸見!!どこ行った!?
出てこい!!逸見!!

イツシマ ケイジ

どこに行けど、どこに声をかけようと、世時は見つからない。

サバキ ラン

逸見っ…

サバキ ラン

世時!!

イツシマ ケイジ

町中を駆け回り、疲れ果てた君は、いつしか意識を失ってしまうね。

サバキ ラン

世時……世時…!

サバキ ラン

……おいて、いくな…

イツシマ ケイジ

意識は闇へ、落ちていくーー

おやすみなさい、いい夢を。

怪盗は信者と和睦できるか?【スーサイデッドメアリンク】6日目

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