銀色の……

Chapter1-1:佐藤ノボル

コンビニのバイトってさ。
『レジだけ打ってりゃ良いって』言うヤツいるじゃないっすか。

アレ言ってるのって、絶対コンビニでバイトした事ないヤツだと思うんですよ。
レジ以外にもあるんですよね。あの、その~やる事。

品出しとか、発注とか、前出しとか、面陳とか……え?『メンチン』知らないっすか?
ペットボトルとか、カップ麺とか商品名が前になるようにクルっとするんですよ。
クルっと。

あぁ。そうです。そうです。『面陳列』っす。
なんてーか、あれっすよ。あのーその一種の……アレっす。気遣いっすね。
ははは。

……って取材って、こんな話でいいんですか?
え?
あ、今から本題なんっすね。

ほぉ……最近、変わった事?

なんだろ……毎日、バイトして家に帰って寝ては、またバイトっすからね。

変わった事ってイキナリ言われても―――あぁ。
そう言えば、始まりましたよね。


『中華まん』

はい?
そんな事じゃなく?
え?外?……なんすか?
……なんすかぁ?

え?……

は?なにあれ?ありましたっけ?
あんな、銀色の……???

……突然、眼鏡をかけた女性が『取材だ』って来たけど……アレの事を聞きたかったのか。
あんなの、いつからあったんだ?
めっちゃ、光が反射してんじゃん。

……つづく

Chapter1-1:佐藤ノボル

facebook twitter
pagetop