と微笑みを浮かべる。
が、その微笑みは上辺だけのものだと、
手練れた忍であれば気付くだろう。
祈雨丸はまだ何かを警戒している。
まだ、朱華以外、誰もこの事実を知る筈がない
綾緋ちゃんのその言葉を聞いて、微笑みをすっと消すでしょう。
……成程
と零す。
……?
では、その様子に怪訝そうに眉を顰める。
…いえ、情報は得られました。此れ以上の長居は朱華家の迷惑となるでしょう。これにて失礼いたします
と微笑みを浮かべる。
が、その微笑みは上辺だけのものだと、
手練れた忍であれば気付くだろう。
祈雨丸はまだ何かを警戒している。
……待て。情報だと?
今の会話のどこに彼が警戒する要素があるのか、
それがつかめず、思わず綾緋はそう問う。
何か知っているのか?
……かの言葉が偽りであるかは…未だ断定できませぬが
と静かに呟く。
先日、祈雨に接触してきた者が『廻鴉』を名乗ったことは、偶然とは思えません。……より一層の警戒を努められよ、綾緋さん
本当に廻鴉か?それを騙った魔法の者か?という感じで悩んでる祈雨丸です。警戒してほしい
!?
廻鴉、という言葉に顔色を変える。
馬鹿な……
と呟きつつ、小さく頷いた。
ちなみに、廻鴉はところかまわずハグレモノを滅しに来るわけではないけど、廻鴉的には警戒対象になったハグレモノは何かと理由をつけてつぶしに来ることもあるんじゃないかな、とか思い、
ハグレモノ的には基本は下手な動きをして廻鴉に目を付けられるのは得策じゃないと考えてる……と言う感じかなぁというGM解釈も含まれます!
ほうほう…
忍にせよ、他の何者かにせよ、祈雨であれば打ち払える術がある。暫し…不安は尽きぬでしょうが、必ずや緋奈子さんを救い出しますゆえ、
辛抱召されよ
と最後に一瞬だけ、人を安心させるような笑みを見せましょう。
では、その微笑みに一瞬ぐっと黙った後、視線を落としつつ
……わかった。家の者は私がなんとかする。少しくらいは、緋奈姉さまへの本格的な追撃まで……時間を、稼げるだろう
……………お前に頼むのはやはり癪だがな……!!!
地を這うような声で。ぐぬぬぬぬぬ
……癪、ですか。いえしかし、此度は祈雨も友人を助けたいという一心。対価も見返りも有りはしません。ですから、思い悩む事は御座いませんよ
と何も分かってない蛇。
ふふふwww
ふふ、しかし、綾緋ちゃんは祈雨丸がただものじゃないとは気付いたとはいえ、龍だとは思っていないんだよな…?
そこまでは思ってないですね!!
少なくとも一般人ではない。警戒状態の朱華の屋敷に侵入し、自分がくるまでだれも気付かせないでいられる力量の持ち主である、ということから只者じゃないな、というのは勘づいているかな……。
まだその程度だった……ふふ、ただものじゃない人が何か変なこと言ってる程度だな…(?
妖魔である、とも思ってないですね!シノビだろうとは思っているかなぁ……廻鴉とかも言ってるし
ふふ、同業者ですね
姉さまが助けを求めた相手+ここに侵入するだけの力量がある+なんだかわからんが自信満々である+なんでもいいから縋りたい気持ちがある綾緋+『それはそうと姉さまをたぶらかしやがって!!!!』って言う感じですね!
何だかわからんが自信満々www
まぁ、願われると力が入ってしまうのは、事実ですがね
頼ってもらえてうれしいよ~~
わけのわからないことを……こんなのの何がいいの、姉さま……(ブツブツ)
聞こえてるけど、何の事だろう?な蛇。
シノビ、特にハグレモノ的には、他者からの願いってどれだけ重要かなぁっていうと……?とふと思った。
シノビは組織or我欲で生きてる印象だなぁ……どんなにシノビとしてお優しい人間であったとしても、【使命】として「自分が人を助けたいと思うから」ってのが強い気がする……
私もそんな印象ですな…だから、他人にどれだけ願われてもそれが自分の意志とそぐわないようなら棄却しそうなシノビ……
願われる、と言うこと自体にあまり価値を見出してなさそうなシノビ…
そろそろおいとましようかな……ってことで、最後に綾緋ちゃんに一礼し
祈雨はこれにて。この雨が厄災を流し、再び大地を固めますよう……雨龍の加護が、此処に在らんことを
と言って、…突然消えようかな(また異界経由で)
!?
ノーモーションで消えたのでさすがにぎょっとする!跳躍して消えるとかならシノビもありそうだが……
……一体……
ポツリと呟いた声に、しかし応える者はいなかった……
跳躍した素振りもなかった……。それに、この蔵の出入り口はここしかない。私が、まったく気づけないほどの……!?
突然消えたので驚かせてしまっただろうか、いやしかし、シノビであればこの程度児戯であろう(???)
立ち位置的に、扉のところに綾緋が立ってて奥に祈雨様だったから、綾緋の傍を通らずに物理的に蔵から出ることはできないはずなんだよなぁ~~~~!? 綾緋、冷や汗をたらす。
当主にばれたのだから、玄関から出てもよかったのでは……ああでも、お見送りなどしていただくのは申し訳ないし……(※するなんて言ってない)
異界を経由し、そしてもう次の瞬間には朱華の屋敷から離れた…林だか森だかの中に出現していた。
廻鴉……よくも朱華からの遣いなどと
と零すその目に慈愛などなく。
ああ、やはり……“嘘吐きという生き物は、嫌いだ”
と吐き捨て、再びその男を追うために姿を消した。
背景画像
NEO HIMEISM 様
https://neo-himeism.net/