朱華 緋奈子

うちがご飯つくるよー。こんな世話になちゃってるしねー


夕暮れ時になり、緋奈子もだいぶ回復したようだ。
ゆったりと寄り添ってくれた祈雨丸のおかげか、気持ち的にも随分と落ち着いた様子だった。

祈雨丸

おや、それはありがたい

祈雨丸(PL)

と素直に提案を受け入れましょう!心配ではあるが、本人が元気なことは確かであるし。
人の手料理は好きな龍でした

朱華 緋奈子

リクエストとかある? あー…凝ったものは無理だけど……

朱華 緋奈子

冷蔵庫を見ながら聞いたり。

祈雨丸

そうですね……
そういえば、以前作っていただいた…おむらいすの他に、得意としている物があるとか。それは、今の在庫で作れそうでしょうか?

朱華 緋奈子

えっ、あー、覚えてたんだ……。と、得意って言うか、一応作れるっていう程度だけど……

祈雨丸(PL)

では丁度、冷蔵庫には貰い物のサンマ、他に貰い物の栗が(全部もらった)

GM

全部貰い物www

朱華 緋奈子

あ、秋刀魚とか栗あるじゃん。使っていい?

祈雨丸

ええ、是非。頂いたはいいものの、どのように消費したものかと、悩んでいたのです

朱華 緋奈子

(……お供え物?)…んじゃ、ちょうどいいね。今日の夕飯は栗ご飯と秋刀魚の塩焼きでーす

祈雨丸

ふふ、良いですね。とても楽しみです

朱華 緋奈子

では、慣れない手つきながら、緋奈子は料理に着手しますね。たまに危なかったりするけど、なんとか進めている。祈雨様はその様子を眺めている感じでしょうか?

祈雨丸(PL)

眺めていたり、もう使わないだろう調理器具を洗ったり……近くにはいる感じですね……過保護かな…

GM

過保護……優しさ……

GM

ではそんな中、ふと祈雨様はとある気配に気が付きます。
神社の鳥居のあたりでしょうか。祈雨様なら誰かが来ていると感じ取れそう。

祈雨丸(PL)

ふふ……
その気配は、祈雨丸が感じ取ったことのないものでしょうかね?

GM

そうですね……、知らない気配です。ただ、違和感を覚えるかもしれません。
どこか不安定な?そんな印象。そして、知らない気配ですが何か既視感のようなものも覚える。

祈雨丸(PL)

ほう……
そうしたら……そちらに向かう方向で動こうかな……そうだなぁ

その‟不安定な”印象は、前の晩のこともあり、
祈雨丸に警戒心を抱かせた。
しかし、その一瞬のこわばりを
緋奈子には気付かせないように。
すっと、緋奈子の背後の柱に、
愚者には見えない魔法名の一文字を刻印として刻む。

祈雨丸(PL)

(何かあったときに、俗呪・転移ですぐテレポート出来るように保険)

祈雨丸

そういえば、敷地の門の戸締りを忘れていたかもしれません。暫し確認しに行きますね

朱華 緋奈子

ん。りょーかい


と少し振り返って頷く。

朱華 緋奈子

って、あ!吹きこぼれる!

祈雨丸

……火傷にはお気を付けくださいね?

祈雨丸(PL)

と微笑ましく見守り、鳥居にほうに行くのだ……

GM

はい!では、祈雨様は鳥居のほうへと向かう。








鳥居のところには、一人の男と、その後ろには一人の少女が立っていた。
男のほうは羽織を着ているが、少女はどこか西洋人形のような印象を受ける。

あァ、悪いねェ。あんた、ここの神主さんだろ?

男のほうが軽い調子で祈雨丸に話しかけてきた。
一方少女は、無表情のまま無言で立っているだけだ。

祈雨丸

ええ

祈雨丸

どのようなご用件でしょうか、参拝でしたら、明日の日の出以降に承っておりますが

つとめて、冷静に、しかし冷ややかに

いやいや。ちょっと人を捜してるんだよ


としかしその冷ややかさを意に介した様子はない。

祈雨丸

おや、然様でございますか

祈雨丸(PL)

と男が笑ったので微笑みを返すぞ! 誰を?とは聞かない……

こっちのほうに来たと思うんだがなァ。……あんた見てないかい? 年のころは16,7くらいの、赤い髪した女の子なんだが

祈雨丸

ほう。確かに、そのような女性には見覚えがあります。……ですが、
 それ以上は、何とも。貴方がもし探偵などというご職業であれば協力も辞さぬつもりでしたが……私はまだ貴方方のお名前も伺っておりませぬゆえ

おっと!そいつは悪かったな。名乗るのが遅れたのは詫びるぜ。なァに、怪しいもんじゃねぇ。俺は朽木玄。

朽木 玄

『鞍馬神流・廻鴉』のもンだ。
にしても……妖魔が神主してる神社とは、面白いもんも探せばあるもんだなぁ

男はそう言って、祈雨丸を不躾なまでにじっと見つめる。
そこにあるのは興味と好奇心。

祈雨丸

シノビでしたか。成程……鞍馬神流とは随分な手練れであるとお見受けいたします

祈雨丸(PL)

と社交辞令のように言いつつ

祈雨丸

生憎、貴方方と肩を並べる”隠忍の血統”だという意識はあまりないのです。祈雨の事は、ただの物言う蛇とでもお考え下さい

祈雨丸(PL)

そう言う目には、慣れている……。振り払うのも億劫である……

朽木 玄

はっは!あんた面白ェなァ!

祈雨丸

ええ、変わり者は自覚しております

祈雨丸(PL)

少女の方もちらりと見たりするが…どうかな…

少女

……

少女は何も言わず、何の感情も浮かんでいない顔をしていた。
目だけはじっと祈雨様を見ている。
それは、どちらかというと”観察している”という印象を強く受けた。

朽木 玄

あァー、悪いな。こいつは人見知りでな。俺の従者みたいなもんだ。あまり気にすんな


その視線に気が付いた朽木は、少し申し訳なさそうな様子で言う。

祈雨丸

分かりました。観察がお好きな主従なのですね

祈雨丸(PL)

と少女から視線を外し、朽木さんに向き直る……

朽木 玄

……さて、身分は明かしたぜ。協力してくれるンだろ?

祈雨丸

はい、貴方の……いや、貴殿の流派、その仕事についても理解致しました。……ですが

祈雨丸

貴殿の追うハグレモノは、生憎祈雨の友人でありまして

朽木 玄

……そいつは困るなァ。俺も仕事でな。
 あンまり邪魔されると、こっちも面倒なんだ。俺は“罪人”を追ってるだけだぜ。いくら友人っつっても、罪人をかばうのはお勧めしねぇよ?

祈雨丸

罪人……はて、あの子が誰ぞ殺めでもしましたか?

祈雨丸(PL)

とその強調された言葉に首をかしげる

朽木 玄

……あァ、何も聞かされてねェのか。それじゃあ教えてやるよ。

朽木 玄

『昨日、朱華緋奈子は朱華家の相伝の儀である緋継の儀を襲撃。次期当主となる朱華綾緋に重傷を負わせ、逃亡した』

朽木 玄

こういうわけ、だ

少しの沈黙のあと、

祈雨丸

……なるほど

と小さく溢す。
しかしその声色には、
不可思議なほどにその事実以上の驚きの色はない

朽木 玄

……ありゃあ?なんだ、納得か?


少し意外そうな顔をする

祈雨丸

そうですね……納得、と言いますか。やはり……

祈雨丸(PL)

と悲痛な表情をにじませつつ

祈雨丸

申し上げましょう。
朱華緋奈子にそのような事件をする動機はない

祈雨丸(PL)

きっぱりと答えておこう

朽木 玄

……くっ、はっは! なるほどねェ!

朽木 玄

そう思いたいならそう思っておけばいいんじゃねェか? こちらとしちゃ、動機なんざどうでもいいんだ。必要なのは”事実”のみ
『朱華緋奈子が儀を襲撃した』。その事実がありゃ、それだけで動くのには十分ってわけだ

祈雨丸

ええ。ですがこちらも……『その意志すらなかったものが、前触れなく事件を引き起こした』という不可思議に対し、動かざるを得ない

祈雨丸

魔法(あの)気配も、未だ消えぬゆえ

朽木 玄

………

その時、背後で足音がした。
そして、能天気な声も。

朱華 緋奈子

きーやん? もうすぐご飯できるけど……


一瞬。     

一瞬で、あなたは男の殺気が膨れ上がるのを感じるだろう。
そして次の瞬間には、緋奈子の目の前に刀を振り上げた男の姿があった。

朱華 緋奈子

あまりの速さに、緋奈子は反応ができない。
振り下ろされる刀。

GM

割って入ってもOKです!

祈雨丸(PL)

割って入る!

こちらも瞬時に緋奈子ちゃんの正面に割り込み、
その腕を盾に、刀を受け止める!
引き裂かれる袖、
そこからは白い肌にびっしりと鱗が覗いている。

止められた刀。
容赦なく腕ごと断とうと力が籠められるが、
それ以上進むことはない……!

朽木 玄

……へェ。反応できるとは、やるじゃねぇか

10m以上あった距離を一瞬で詰めた男は、
しかしどこか愉快そうに言う。

朱華 緋奈子

な、え、き、きーや、ん……!?


ようやく理解が追い付いた。

祈雨丸

世辞など不要

祈雨丸

……緋奈子さん、我が背から動かぬよう

振り向かずに言う……

朱華 緋奈子

う、ぁ…………

祈雨丸

一切の加減無き斬り込み。しかし、果たしてそれさえ避けられぬこの少女に……そのような事件が”ひとりで”起こせたと本気でお考えに?

朽木 玄

あァ。そんなもの、いくらでも考えようはあるぜ?今だって、あんたが間に入らなかったらどうなってたか……本当におとなしく切られてたかねェ?


くつくつと笑いながら、祈雨丸の腕をはじいて距離をとる。

祈雨丸

……。説明したところで、これは諦めそうにないな……

祈雨丸(PL)

と呟く。腕からは鱗が剥がれ落ちる……

朽木 玄

……にしても

朽木 玄

いいなァ、あんた。面白そうだ


にやりと口角を吊り上げ、そして刀を構えなおす。

祈雨丸

……娯楽で戦うつもりはありません。これは神域よりの警告だ、……今は、お引き取り願おう

朽木 玄

ふっ、はは、はは!

と、しかしその警告にむしろ笑みは狂気を増し、一歩踏み出す、
とその瞬間

少女

少女が初めて口を開いた。
その一言に、男がぴたりと止まる。
そして肩をすくめる。

朽木 玄

……仕方ねぇな。ここは退いた方が良さそうだ

祈雨丸

……

その切り替えを訝しむが、
帰ってくれるなら止めない構え……

朽木はあっさりと刀を下ろす。

朽木 玄

ま、別に見逃してやるわけじゃねェがな


と言いつつ緋奈子に向けて

朽木 玄

逃げ切れると思わんほうがいい。朱華家も直に動くだろうさ。時間の問題ってやつだ

朱華 緋奈子

……ッ!


ビクッと体を震わせる。
その様子を見て、朽木は踵を返す。

祈雨丸

貴殿を遣わしたのは朱華か?

振り返り、一瞬の沈黙。
そして口角を吊り上げ

朽木 玄

あァ、そうだ


とだけ。

祈雨丸(PL)

ほほう…では肯定に対しては何も答えず、見送りましょう……!

GM

はい……!では、二人は闇の中に消えていくでしょう……。


残されたのは、秋の冷たい風の中で青い顔をする緋奈子。

GM

では、ここでHOを公開します。


HO『朱華緋奈子』
度々神社に現れる越境者の少女。
朱華家の次女であり後継となると見込まれていたが、実際に跡継ぎとして選ばれたのは妹の綾緋だった。
緋奈子はこれを前向きに受け入れ螯ケ繧堤・▲■■■
これを不服とし、継承の儀式である"緋継の式"を襲撃。
綾緋に重傷を負わせ、家宝である舞扇を奪って逃走した。
それ以上でもそれ以下でもない。このHOには調査するような秘密は無い。


HO『"緋継の式"と襲撃事件について』
"緋継の式"は、朱華家に伝わる相伝の儀である。
次の家長となるものが、朱華家に代々伝わる扇を舞とともに受け継ぐ儀式―、といっても、現代では半ば形式的なものとなっているようだ。
今年は末妹である朱華綾緋が舞扇を受け継ぐはずだった。
しかし、朱華家次女である朱華緋奈子が儀式を襲撃、綾緋に重傷を負わせ、舞扇を奪い逃走した。
朱華家は廻鴉に依頼し、朱華緋奈子を誅すべく追っている。








GM

そしてここで緋奈子に対してシナリオアンカーを取得してください!
属性は任意ですが、宿敵はお勧めしません!!

祈雨丸(PL)

んふふ 祈雨丸は人間に対しては「尊敬」を取ることにしているので……今は「尊敬」で取得します!
人の営みを全うする、緋奈子ちゃんは頑張ってる、その命の在り方、自分にはまねできるはずもない。尊敬

GM

良き……

祈雨丸(PL)

狂信でもいい(過去の話)

GM

ふふwwwwww ヤバいことに……www

GM

ちなみにHOは二枚公開されましたが、概要にある通り、現状緋奈子のハンドアウトは調査の対象にすることがありません。『何も調査する必要がある秘密はないから』です。

祈雨丸(PL)

そのようですね……

GM

そしてここで今回のリミットについてお伝えしますね!リミットは、余剰含めて8サイクルです。

祈雨丸(PL)

大ボリューム!

GM

ギリギリ設計ではないのでそこはご安心を……。

祈雨丸(PL)

ありがとうございます…!

GM

クライマックス突入可能になったらお知らせしますね~!
そしてここで
魔力決定を
お願いします!!

祈雨丸(PL)

おっと!そうだこれマギロギだった

GM

実はマギロギです。びがみじゃないんだぜ

祈雨丸(PL)

んふふ、HP20くらいある感覚でいた……

GM

wwwwwww よみがえる記憶……wwwww

祈雨丸(PL)

ふふ、あれは黒い方が頑張り過ぎたんだ…

GM

どうしても人より早くなりたい黒い方…

祈雨丸(PL)

懲りない……
えっと、功績点は基礎ステータスに一切振ってないので、事実上の初期作成!

GM

がんばれぇ!!

祈雨丸

魔力,真の姿とか再生スパイスもあるし
1D6+3 → 4[4]+3 → 7

GM

おお!!悪くないぞ!!!

祈雨丸(PL)

悪くはないな!半分よりは上・・

GM

よかったよかった……!ほっとしました……!

祈雨丸(PL)

んふふ、まぁ……あとは出目ですね!(

GM

きっと何とかなるってェ

祈雨丸(PL)

調査駄目な蛇なんでェ……

GM

ほら…無理とかもあるし……
余剰もあるので……!!

祈雨丸(PL)

がががんばります!(無理は、こわい)








GM

ふふ……!
では、状況としては青い顔をして立ち尽くす緋奈子って感じですね!

祈雨丸(PL)

はぁい! では朽木さんらの姿を見送った後、緋奈子ちゃんの方に向き、顔色を確認

朱華 緋奈子

あ……

少しの沈黙ののち、表情をやわらげる。

祈雨丸

さて、今は去って頂きました。今宵、二度目の襲撃は流石にないでしょう

祈雨丸

お怪我は御座いませんね?

祈雨丸(PL)

慈しむように優しく声を掛けるのだ……

朱華 緋奈子

……へーき

と小さな声で答えた。

祈雨丸

それはよかった

朱華 緋奈子

きーやんは……

と少し目をさまよわせてから遠慮がちに見上げる。

朱華 緋奈子

‥‥きーやんは、今の……信じる?

と、事件について不安そうに聞く。

祈雨丸

仮に、彼の言うことが事実だとしても、祈雨はこの目で真実を見定めるまで、信じませんよ

朱華 緋奈子

……そっか

と少し安堵したように息を吐く。

朱華 緋奈子

あっ、っていうか、う、腕! 平気!?

祈雨丸

腕?……ああ、

祈雨丸(PL)

切れた袖がぷらーんとしている……衝撃でまばらに剥がれた鱗は、見るものによってはちょっと不気味かも知れない……

祈雨丸

大事ありません。直に消えるでしょう

祈雨丸(PL)

ダメージを受けた鱗はたぶん引っ込めることができない…みたいな

朱華 緋奈子

い、痛くない? ご、ごめん。うちがぼーっとしてたせいで……

朱華 緋奈子

オロオロ。手当したいけど傷はないのでどうすればいいのかわからない様子……不気味がる様子はない。

朱華 緋奈子

えっと、とりあえず、冷やす……? 打撲……かな……?

祈雨丸

痛みはありません、祈雨の鱗の強度はご存じのはず。……ふふ、それでは、あとで水を流しましょう。多少は治りも早くなりますから

祈雨丸

貴女はやはり……優しい人間なのですね

祈雨丸(PL)

と安堵のような、納得のような、優しい顔で微笑むぞ!

朱華 緋奈子

へ?

朱華 緋奈子

急に褒められたから一瞬きょとんとしてちょっと赤くなる……。

祈雨丸(PL)

ふふ
とても微笑ましく思いつつ、

祈雨丸

夜風は冷たいですね、内へ戻りましょう

朱華 緋奈子

う、うん……

朱華 緋奈子

…………優しい、だけじゃ

緋奈子は、とても小さく呟いた。

祈雨丸(PL)

それは聞こえなかっただろうな……


祈雨丸には見えない位置で、緋奈子の表情が曇っていた。









背景画像
NEO HIMEISM 様
https://neo-himeism.net/


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