* * *
レヴス
ムーンドルバ邸
* * *








衛兵

大変です、ムーンドルバ様!

ムーンドルバ

騒がしいぞ、どうした?

衛兵

街の子供たちが……次々と消息を断っていると報告が!

衛兵

しかも、アンゲドルバの子ばかりです!

ムーンドルバ

なんじゃと!?

ムーンドルバ

……まさか!?
















ムーンドルバ

この雲……。
まるで三年前の……。














ムーンドルバ

まさか……そんな……。
アレは……。

アインスターク

ア……ア……アインスターク!?
























レヴスを覆う影
後編

















ソルフェ

むぅ……。ますます雲が厚くなる……。

シーラ

ソルフェージュ様、教えてください。一体なにが起こっているんですか?

ポメラ

アタシも知りたい。
教えてくれ、ソルフェ。

ソルフェ

いや、まだ仮定の粋なのでなんともだが……。

シーラ

それでも構いません。
一人で抱え込まないでください、ソルフェージュ様。

ソルフェ

……。

ソルフェ

……ふむ。

ソルフェ

そうだな、どうやら我の悪い癖が出ていたようだ。

ソルフェ

……。

ソルフェ

ギーズだ。

ポメラ

ええ!?

シーラ

あの……さっきまでいた召喚士の?

ソルフェ

ああ。

ソルフェ

我の想像が正しければ……。

ソルフェ

ギーズはアインスタークを復活させようと企んでいる!

ポメラ

バカな!?

シーラ

なぜそんな事を!?

ソルフェ

理由まではわからないが……。

ソルフェ

アインスタークは何らかの形で復活の目を残した。

ソルフェ

恐らくアインスターク城のマナプールはその一環だろう。

ソルフェ

アインスタークがその身を実体から、マナへと変換していたのを知ったギーズは……。

ソルフェ

その力を利用して我が物にしようとしているのではなかろうか?

ポメラ

なるほど、そう考えると筋は通るな。

ソルフェ

ああ……。

ソルフェ

ギーズがアインスターク城を訪れたのも、アインスターク復活に関わる何かを手に入れるためだったのだろう。

ソルフェ

だが、それは玉座の間にあった。
……隠し扉の隙間からのみ繋がる、な。

ソルフェ

一人では玉座の間に行けぬと判断したギーズは、我らを利用する策を思いついた。

ソルフェ

そして、我らはまんまとその片棒を担がされたのだ。

ポメラ

しかし、アインスタークを操るなんてできるのか?仮にも魔王だぞ?

ソルフェ

わからん。

ソルフェ

だが、ギーズも超の付く一流召喚士、サーヴァント・マスターだ。その術を手にしても不思議ではない。

シーラ

でも、それとレヴスに何か関係が?

ソルフェ

以前、レヴスが最初にアインスタークに占拠されたというのは言ったな?

シーラ

はい。

ソルフェ

そもそもレヴスはな、アインスタークが降り立った地なのだ。

ソルフェ

恐らくそれが、アインスターク復活と関係があるのだろう。









ソルフェ

さあ、見えてきたぞ。

ソルフェ

あれが、アンゲドルバの治める地、レヴスだ。

シーラ

ですけど……。

シーラ

何か飛んでません?

ソルフェ

気にするな、バイアクヘーだ。
レヴスの上空には多いのだ。

シーラ

気にするなと言われましても……。

ソルフェ

なあに、人語がわかるというだけだ。

ソルフェ

とはいえ、興味を持たれると面倒だ。

ソルフェ

黙ってすばやく通り過ぎれば良い。

\ひょこっ/

ライル

なるほど、では私は出てこない方がいいですね?

ポメラ

なんでこのタイミングで顔をだすんだよ、ライル!

ソルフェ

ライルよ、早く麻袋に隠れんか!

はい!

ソルフェ

さあ、静かに静かに……。

シーラ

は、はい。

シーラ

すー……

ソルフェ

無事すり抜けられたな。

シーラ

あのー……
なんかついてくるんですけど……。

ソルフェ

気にするな、シーラ。
無心になるのだ。

シーラ

……はい。

シーラ

無心無心……。










































ポメラ

朝だってのに、真っ暗だな。

ソルフェ

さて、まずは夜月侯にお目通しせねばな。

シーラ

夜月侯……。ムーンドルバ様ですね。

ソルフェ

うむ……。おや?




ムーンドルバ

……!……!






ソルフェ

ツイてるな。何やら騒々しいと思ってみれば……。

ソルフェ

あそこに見えるは夜月侯じゃないか。

ソルフェ

おーい!

ムーンドルバ

……む?

ソルフェ

久しぶりだなー、夜月侯!

ムーンドルバ

ぬわぁぁ!
キ……キサマは大魔道ソルフェージュ!

ソルフェ

キサマとは挨拶だな。三年前、レヴスを助けてやった恩を忘れたのか?

ムーンドルバ

た、確かに三年前はあんたらに助けられた。

ムーンドルバ

だが、ワシは一五年前の事を忘れておらんぞ!

ソルフェ

律儀なヤツだ。さっさと忘却の彼方にしまえばよかろうに。

ソルフェ

それとも……。

ソルフェ

また誘惑されたいのか?

シーラ

ええ!?

ポメラ

なんだって!?

ムーンドルバ

ひいぃぃ、ごめんなさい!

ソルフェ

……。

ソルフェ

まあいいさ。

ソルフェ

ところで、こんなところで何をして折るのだ?

ソルフェ

お前が得意なのは執政であろう?

ムーンドルバ

あ……、ああ、それがだな……。

ムーンドルバ

多数のアンゲドルバの幼子らが姿を消したという報告が入った。時を同じくしてレヴスの空が暗雲に覆われてな……。

ムーンドルバ

何事かと空を見上げて見れば、そこに怪しい人影が現れたので、軍を率いてそれを追いかけていたのだ。

シーラ

怪しい人影ですって?

ムーンドルバ

……失礼ですが、あなたは?

シーラ

勇者勇の妻、シーラと申します。

ムーンドルバ

シーラ……。

ムーンドルバ

おお、アルザレア公の一人娘の!

ムーンドルバ

死んだ兄からよく聞かされていたよ。非常に理知的なお嬢さんだと。

シーラ

あ……ありがとうございます。

シーラ

ところで、人影というのは?

ムーンドルバ

ああ。

ムーンドルバ

はっきりとその姿が見えたわけではないが……。

ムーンドルバ

あれはまるで……。

ムーンドルバ

アインスタークが生き返ったかのようだった。

ポメラ

アインスターク!

ソルフェ

やはり……。

シーラ

その人影はどうなったんですか?

ムーンドルバ

それがだな……。

ムーンドルバ

先程まであの空にいたはずなのだが、煙のように消えてしまってな……。

ソルフェ

油断するでないぞ、夜月侯。簡単に気を許すお前の悪い癖だ。

ムーンドルバ

ふん、言ってくれるな。
では、キサマにはどこにいるかわかるというのか?ソルフェージュよ。

ソルフェ

わからん。

ムーンドルバ

なんの冗談だ、ソルフェージュ。
ここに笑い話でもしに来たのか?

ソルフェ

……確かにわからん……が

ソルフェ

おおかたその辺の茂みにでも隠れているのであろう!

ソルフェ

出てこい!

???

スッ……

ポメラ

な!?
本当に出てくるのか!?

ソルフェ

やはりキサマか……

  ギーズ! 

ギーズ



























つづく

【勇者勇の装備】
レベル  :24
めいせい :312
ぶき   :新品の短剣
よろい  :鋼鉄のよろい
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560
      緋糸手句の防寒具
なかま  :[泉守]ダイ
      [もふもふ]もふもふ
      [魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
      カン
      介抱
じょうたい:脇役

【シーラの装備】
レベル  :12
めいせい :240
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      おみやげ×99
      ガラスの破片
      討魔の剣の刀身
      闇夜のローブ
なかま  :戦士ポメラ
      大魔導ソルフェージュ
      [コボルト]ライル
とくぎ  :しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
      寒さに耐える
      好奇心
じょうたい:真パーティーリーダー

第83話 レヴスを覆う影 後編

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