* * *
クルナ
広場
* * *
* * *
クルナ
広場
* * *
わーい!待て―、ハッジィ!
捕まるもんか―!
はっはっは。
サティンが元気になって何よりじゃわい。
待て―!
いて!
急に止まらないでよ―
あれ……?
どうしたの、ハッジィ?
鬼ごっこやめるの?
あ……あ……あ……
ハッジィ……?
む?
あ……あ……あ……
え!?
な……なんじゃ!?
あれ、ハッジィ……?どこ……?
き……消えた……。
レヴスを覆う影
前編
* * *
旧アインスターク城
玉座の間
* * *
あれ?
どうした、ポメラ。
アインスタークの体が……。
なんか……小さくなっていないか?
アインスタークの躯体に刺さった
討魔の剣の刀身の部分から、
赤い液体とも気体つかぬ物体が
先程までは滲むように流れ出ていましたが、
いつの間にか脈々と流れるように
なっていました。
そして、
まるで風船の空気を抜くかのように、
アインスタークの躯体は
みるみるうちに小さくなっていきます。
おいおいおい……。
このままでは、この体が消えてしまうわ……。なんとかしないと。
無駄だ。もう間に合わん。
その躯体が吐き出した赤い何かは、
全て玉座の間の大理石の隙間に
流れ落ちていきました。
残されたのは、
討魔の剣の刀身と
アインスタークのローブだけです。
……まさか、逃げたのか?
いや、違うようだ。
シーラよ、何か感じぬか?
そうですね……。この部屋の床から強大な魔力が感じられます。
ですが、先ほどのような邪悪なオーラかというと、そうでもないような……。
うむ。
恐らくこの床の下にあるのはマナプールだな。
マナプール?
なんだ、そこで泳ぐのか?
マナプールとは、魔力の器の総称だ。
先程のギーズの話とあわせるなら、ポメラは巨大なマナプールを持ち、蓄えているマナの量も相当なもの、ということだ。
へ、へぇ〜
理由はわからぬが、アインスタークはもしもの時には、自身の魔力を全てこの部屋のマナプールに保管しようとしていたようだ。
だが、その身を滅ぼしたあとに、それが何の意味を持つのか……。
うーん?
つまり、もともとアインスタークの躯体は、マナだけで象《かたど》られていたって事なんですか?
……はっ!?
……そうだね。
確かに僕には僕の目的があるよ。
む……ようやく来たか。
ヤツの空気が変わった?
余を呼び止める不届き者はキサマか?
そういうことか!
よく気づいたな、シーラよ。
どうやら全てが繋がりそうだ。
はい?
やっぱり、アインスタークの躯体はマナで……。
いや……。
三年前、アインスタークは確かに実体を持っていた。しかし、ここに残されていた躯体には実体がなかったのだ。
どういうことだよ、ソルフェ?
……しかし、待てよ……、それなら……。だが、薬袋は全て……。しかし、そんな気配は……。
ぶつぶつ……。
なにやらぶつぶつと
考え事をするソルフェージュ様。
うぉ、久しぶりの長考モードだな。こうなったら、てこでも動かないぞ、ソルフェは。
そうなのね。
うーん……。
ねえ、ポメラ。せっかくだから、この間に部屋を調べてみましょう。
だな。
たまには私もパーティーリーダーっぽいことしないとね。
なんだ、気にしてたのか?
気にしてたっていうか……。
最近、自分がただ着いて来てるだけのような気がしてて……。
心配すんなよ、シーラ。
シーラはよくやれているさ。
でも……。
私、勇くんの足手まといになりたくないから。
だから!
ちゃんと力をつけたいの!
……。
悪かったよ、シーラ。
なんでポメラが謝るの?
これまでの間、アタシはシーラを守ろうとばかりしてきていた。
心のどこかでシーラを認めてなかったんだと思う。目の前にいるのはお姫様なんだってな。
……。
だが、これからは違う。
シーラはアタシたちのリーダーだ!
イサムと同じ、な。
……ポメラ。
よーし、シーラ!
アタシはどこを調べりゃいい?
そうね、ポメラはアインスタークのマナが流れ込んだあたりの大理石を調べてもらえる?
私は、アインスタークの遺留物を調べるわ!
おっしゃ!まかせろ!
こうして、シーラさんとポメラさんは
玉座の間の調査をはじめました。
うーん……。
どうかしたか、シーラ。
これ、どうしましょ。
アインスタークのローブと討魔の剣の刀身か……。魔力は高そうだよな。とりあえず回収しようぜ。
じゃあ、ローブで刀身を包んで……と。
あら……。
なにか見つけたか、シーラ。
なにか、仕掛けのようなものがここに……。
うーん……。
ポチッとな!
ちょ!
爆発したらどうすんだ、シーラ!
え?
その時はその時かなー?
見ろ、壁が開いていくぞ!
これって……。
外へ繋がるのね……。
でも、外は空中よね。
まるで発進口だな。
それなら空を飛べる人は、ここから外へ出れるわね。
んー……?
どうしたの、ポメラ?
なんかあっちの方の空が……。
ダメだ、真実まで一手足らぬ。
おい、こっち来てくれ、ソルフェ!
なんだ、ポメラ。
騒がしいぞ。
見ろよソルフェ。あっちの方向、レヴスだよな?
む……。
嫌な感じの暗雲が立ち込めてますね……。
……レヴスの方面に……暗雲だと?
アルザレアで
世のため人のため
働いて頭を冷やしてこい。
強制送還!
【リフレクション】
まさか!
顔色を変えたソルフェージュ様。
慌てて懐から地図を取り出します。
アインスターク城とアルザレア城を結ぶ線上にあるものッ……!
……レヴス!
それがどうかしたのか?
はっ!
……すぐにレヴスへ行きましょう、ソルフェージュ様!
ああ!
悠久の風を切り
眼下の大地も意に介さぬ
大空の支配者よ!
その誇り高き翼を我に貸し給え!
いでよ、ワイルドウィンド!
お願い、私達をレヴスへ連れて行って!
なんなりと。
消滅したアインスターク……。
消息のわからぬ信心の鏡……。
三年前の呪詛とその薬……。
悪い予感しかしない。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :24
めいせい :312
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
緋糸手句の防寒具
なかま :[泉守]ダイ
[もふもふ]もふもふ
[魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい:脇役
【シーラの装備】
レベル :12
めいせい :240
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
おみやげ×99
ガラスの破片
討魔の剣の刀身
闇夜のローブ
なかま :戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
[コボルト]ライル
とくぎ :しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
寒さに耐える
好奇心
じょうたい:真パーティーリーダー