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ミリオンソードの工房
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ミリオンソードの工房
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だがしかし……。
うーん……。
マキさんは眉間にシワを寄せて
目を凝らします。
モノリスにツヴァイなんたらと書かれているようだが……ここからはよく見えんのだ。
何かが邪魔だ。
何か?
ああ。恐らくお前たちの前に立ちはだかるであろう、な。
……。
……行くのか?勇者勇よ。
はい、しかたありません。
マキさんの問いに答える
勇者様の瞳に
迷いはありませんでした。
雪山のマキと
子羊肉のプレート
後編
あのー……お師匠様……。
ついでと言っちゃなんですが……。
いや、俺としてはこっちが本命なんですが……。
お師匠様の前で、
もじもじするラムディッシュさん。
なにか言いにくそうです。
なんだ、お前まで頼み事か?
その……『忌避の盾』のありかはわかりませんか?
なぜだ?
あの……その……私の不注意で……忌避の盾は……
盗まれたことぐらい知ってらぁな。
アタシが聞いているのはそんな事じゃぁない。
というと?
なぜ『忌避の盾』をお前は求めるのだ?ドールよ。
そ……それは……
『忌避の盾』は三種の神器であり、ツギノを守るための結界の維持に必要で、何より失われた失われた『魔導技術』を紐解く鍵……
アッハッハ!
きょとん
突然笑いだしたマキさん。
驚いたラムディッシュさんは
キョトンとします。
なんだ、『忌避の盾』はゴミじゃないか。
え?なぜ?
わからんか、ドールよ。
仕方ない、説明してやろう。
まず、三種の神器だが……。
あれはウソだ。
はい!?
ウソ?
三種の神器ってのはな、どいつだったか忘れたが、その存在を神格化させるために勝手につけた名称だ。
そもそも神器と銘打たれた強力なアーティファクト郡はその他にもある。
な……
なんだってー!?
次に、忌避の盾の織りなす結界。
うわー、三種の神器の扱い軽いな。
聞くが、ドールよ。忌避の盾を奪われた後、ツギノは魔物たちの群れに襲われるようなことはあったか?
いえ、強力な城塞化を施したため、魔物たちの群れはもはや驚異ではありません。
つまり、結界は不要ということよな?
あ……
ああああ!?
いや、くだんの夢魔の様に小物が忍び込むこともあろうが、十分に人間に対処できるレベルだろ。違うか?
マキさんの織りなす正論に
ラムディッシュさんはあたふたです。
あ、でも、失われた魔導技術を……。
失われてなどいない。
ふえぇぇ?
ことごとく打ち負かされるラムディッシュさん。
その口からは変な声すら出てきました。
確かにお前は魔導パスが開いていないがゆえ、魔力を使うことができない。
魔導パスってなんだ?
だがお前は、『忌避の盾』を解析するために何をした?
えっと、ガラに分けてもらったフローラの泉を、エレザに魔力を込めてもらってエーテルを作り出し、エーテル濃度を変えながら、魔力振動の周期をプロットして、それからそれから……。
もういい、長くなりそうだ。
そこまで言っててなにか気づかぬか?
いやぁ……。
全く呆れるわ。
解析以外にはホント無頓着よな。
いいか、ドールよ。お前は仲間の力を借りて『魔導技術』の解析を行う方法を編み出した。つまり、それそのものが『魔導技術』なのだ!
はっ!
一人で抱え込む必要なんて全く無い!お前と、エレザとが新しい『魔導技術』を体現すればいい。
いいか、もう一度だけ言うぞ、ドールよ。
お前はアーティファクト・マイスターであるアタシのこの世で唯一人の弟子なのだ!
胸を張るがいい!
いい嫁さんをもらったじゃないか、ドールよ。まさか、大巫女のエレザ・スチュアートの心を射抜くとは。アタシゃ嬉しいぞ。
遅くなったな、結婚おめでとう。
は……はい……。
あ……ありがとうございます。
……。
涙をこらえようと
伏し目がちに目を細める
ラムディッシュさん。
そこには
師匠と弟子の確かな絆がありました。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :23
めいせい :312
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
緋糸手句の防寒具
なかま :[泉守]ダイ
[もふもふ]もふもふ
[魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい:感動中
【シーラの装備】
レベル :12
めいせい :240
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま :戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
[コボルト]ライル
とくぎ :しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
寒さに耐える
好奇心
じょうたい:パーティーリーダー