――スダルギアが
ユベイル城に合流した頃。
――スダルギアが
ユベイル城に合流した頃。
どうしたスダルギア?
この後、軍議を開くんだな。
そのつもりだ。
少し耳を貸してくれ。
なんだ、コショコショ話か?
!
何だ!?
なぁ~に、練兵中にな、
お嬢ちゃんにプロポーズすると
言っちまったから
しておこうかと思ってな。
冗談がすぎるぞ。
ふざけずにおれんのか?
ふむ。面白い。
考えておこう。
姫!
また何か企んでおいでか!
今、聞いたろ。
プロポーズだよ。
その内容を面と向かって
聞く奴がいるか。
デリカシーに欠けると
いつまでもモテぬぞ。
――軍議の後。
よし、ギュダは行ったか?
早くも次の仕事に
取り掛かっているようだ。
絵に描いたような真面目さだな。
おかげで私は裏で
楽しめるんだよ。
俺達もだぜ、
クックック。
それでは、
ウルを呼び戻すぞ。
何だ?
軍議は終わっただろう?
それに……
わぁっとっと、
いいからいいから、
あの五月蠅い男に
見付かるだろう。
ちょっとだけだ。
伝えておくことがある。
ギュダに見付かったら
駄目なのか?
昼間の手紙あんだろ?
ガンツ宛のやつだ。
ああ、それがどうか
したのか?
あれはガンツを
裏切らせる為のものだ。
何だって!?
でも何でそんな事……
そんなもん
読んだからに決まってるだろう。
はぁっ!?
だってアイヅガルドの
封蝋もしっかりあったし
どうやって……
封蝋なんざ幾らでも
誤魔化せる。
俺にとっちゃあ朝飯前だ。
無茶苦茶だな。
だがそのお陰で内容を
知る事が出来た。
そしてガンツはこの後
手紙を読むだろう。
軍議の前に読んでいたら
平然として
いられないだろうからな。
で、どうすんだ?
おそらくガンツは相当に
葛藤させられるだろうな。
そうだな。
相当に悩むだろう。
折角だから是非悩んで貰おう。
その葛藤を越えて
アクションを起こされる前に
我々が動く。
おそらく明日の軍議には
顔を出さないだろう。
そして答えを出すのは
その辺りのはずだ。
そこでだな……
ごにょごにょ……
――その深夜。
!?
おーおー、
悩んじゃってるよ。
やっぱり奴にも
忠誠心らしきものは
あるんだな。
そりゃあそうだろ。
家族が人質にもなるだろうし
自分だけの問題じゃないからな。
それにやはり覗き見なんて
不謹慎だぞ。
だいたい……
声が大きいぞ、ウル。
この葛藤に意味はあるのだ。
特に明日までは
大人しくしていてくれ。
――翌日の軍議前。
なるほど、
ガンツは良い状態だな。
この軍議を手早く終わらせ
話をしよう。
それまで動かないように
監視を怠るなよ。
ハッ!
うひょ~☆
楽しくなってきたぁ♪
姫、耳を疑うような情報が。
何だ?
そーゆうのは好きだぞ。
敵中に潜らせていたあの
ジャグラスなのですが……
駄目だったか?
いえ、その逆です。
逆どころかその向こう側です。
異例のスピードによる
出世に次ぐ出世で
なんと!
三騎将に昇格したそうです。
本当か?
嘘のような話ですが
どうやら確かなようです。
全く理解が及ばん。
――軍議の後、ユベイル城郊外。
…………
ガンツ様、
レジーナ様がお呼びです。
後で行くと伝えてくれ。
だと思ってこちらから
参ることにしたぞ。
レジーナ姫!?
なぜこんな所に?
ガンツ、
軍議をすっぽかすとは
懲罰ものだぞ。
まったくその通りです。
是非…………
そうしてください。
よぉ~っし、
つっかまえたぁ~。
それではいざ懲罰房へ
レッツゴー♪
ようやく雨も
治まってきたか。
レジーナ姫…………
暗い顔してても
色男は様になるもんだな。
この男の取り柄は
前向きな明るさだろう。
おい、そうだろ?
…………
お前達まで。
よし揃ったな。
では聞かせろ。
ガンツ、
返事はどうするのだ?
ま、まさか、
知っているのか?
読んだぞ。
全部な。
マ、マジかよ……
で、それを逆手に取る。
その為にならこちらの
手の内は全て晒す。
ガンツの裏切りを
信じさせる為には、
そちらの方が
真実味があるからな。
まったく悪い事を
考えるやつだな~。
後ろから刺すタイプだな、
あ~恐ろし。
ほんと怖いな。
俺も気を付けよう。
お前等が殆ど考えたんだろうが。
いやいや、
自分の城を焼く作戦なんて
常人が考えれると思えん。
悪魔が全裸で土下座しそうな
作戦かと思ったがな。
もう好きなように言え。
どーでもいいや。
……なるほど。
雨の中でずっと悩んでたのが
馬鹿みたいに思えてきたよ。
まったく風邪でも引いたら
どうするつもりだ。
面目ない。俺はともかく、
レジーナ姫まで雨の中を……
お!?
どうした?
ホントに風邪でも引いたんじゃ
ないだろうな。
それだー!
それで格段に面白くなるぞ。
?
私が倒れて面会謝絶に
なるんだよ。
ギュダが心労で老けそうだが、
私は水面下で自由に動ける。
そうだ、ではその間に
カシアラにでも遊びに行くか。
流石、軍師殿。
考える事がえげつない。
ったく、なんでそーなる。
ふ~。
まったく頼もしいお仲間だよ。
手紙を何枚か送るだけで
大軍を意のままに操れるのだ。
まぁ一番の問題は、
ギュダが無茶し過ぎないように
コントロールする
ガンツの役目だ、頼んだぞ。