二千XX年九月五日。
社会人になってから五ヶ月と少し。
スカイ二十三歳は『メンタルクリニック』なる物に足を踏み入れていた。
二千XX年九月五日。
社会人になってから五ヶ月と少し。
スカイ二十三歳は『メンタルクリニック』なる物に足を踏み入れていた。
人が多くて気持ち悪い。だから病院は嫌いなんだ……
落ち着かない気持ちを好きな音楽を聴く事で紛らわし、何とかかんとか待合室に入ってから既に三時間余りが経過している。
……どうしてこんな所に居るんだっけ
思い出したのは二ヶ月前。社会人になって三ヶ月余りが経過した頃だった。
その頃自分はまだ特別養護老人ホームのユニットに配属されていた。
小さい頃からの夢である『介護福祉士』としての配属だ。
本当はデイサービスが良いと高校福祉科での実習では思った物だけど……現在自分は独り暮らし。誰にも制限されない幸せな暮らしを守るには……家賃と光熱費は必須。
だから夜勤のある勤務だろうと仕方無い。そう思って少しの妥協と共に就職活動をしたのは……一年前の五月だった。
GWながら実習と面接を受けてくれた現在の事業所に大学一年の時に憧れてから三年。思った通りの場所だと感じ、就職が決まった時は本当に嬉しかった事を覚えている。
最初は人見知りのご入所者様に毛嫌いされて傷付いて……そんな事もあったけれど。
今ではそのご入居者様とは他のどの介護職員さんとも仲が良いと……胸を張って言えるまでになった。
幸せに満ち満ちていた日々だった。その筈だったのに……。
どうして夢を叶え、望み通りの仕事についた自分が精神状態を崩し、こんな所に居るというのか。