――休暇を取った翌日。
――休暇を取った翌日。
後はダナンだけね。
旦那が一番最後ってのは
珍しいっすね。
朝、酒場に居なかったけど
何処か美味い店でも
見つけたんじゃねーの?
ジュルリ
まぁ、いいわ。
それよりロココ。
はい。
コフィンからの伝言よ。
あの新型の刻弾、
『絶対に何があっても使うな』
って言われたわ。
絶対にですか?
そう、絶対よ。
やはり危険すぎるのよ。
次にルグラに会った時に
理由は聞けばいいわ。
はい、分かりました。
頷くロココの額から汗がスゥーと地面に落ちた。
それにしても遅いっすね。
旦那、拾い食いでも
してるんじゃないっすか?
そりゃうけるな。
あんたもしかして
ユフィさん?
階段室に入ってきたのは、ユフィ達と同じくこれから迷宮探索に潜ろうとしているパーティ。いきなり話し掛けてきたのはその先頭を歩いていた男だ。
そうだけど、何かしら?
褐色でスキンヘッドの
大男から伝言だ。
旦那っすよ、それ。
やっぱり拾い食いで
腹くだしたとかっすか?
『スマン、今日は潜れねぇ。
訳はまた話す』らしいわ。
オーケー?
えっ!? 何でだ!?
っておい、それだけか?
冒険者は背中越しに手を振り、そのまま迷宮への階段を降りていった。
チッ、何してんだよ、
あのハゲ。
何かあったのでしょうか?
伝言を言付けするぐらいなら、
命に別状はないはずでしょ。
何か理由があるはずよ。
そうですか。
そしたら今日は
解散でいいですか?
そうしましょう。
明日は今日と同じ時間に集合。
ダナンに会った人は伝える事。
ハル達はダナン抜きで探索に行ける訳もなく、大人しく今日の探索を中止にした。
――翌朝、冒険者の酒場。
は?
え!?
はぁ!?
何て言った?
何で意味のない
嘘をつくんだ?
だ~か~ら~、
嘘じゃねぇって。
皆の集まる酒場の席で、ダナンが話していた。改まって話した言葉を誰もが疑問に抱き、空耳かくだらない冗談だと決めつけていた。
しかし、ダナンの真剣な語り口は冗談でもなんでもない。真剣そのものだと気付き、その言葉の意味を理解しようとする。あまりに突飛な話だが、どうやら現実のようだ。
マジだぜ。
こんなもん嘘ついても
しょうがないだろ。
へ!?
はへ?
だ~か~ら~
結婚だよ。
結婚すんだよ。