2025年4月15日(火)
12:36 AM








































































優一

住吉さん!

ハッ!

優一

ごめん、待った?








……ううん、全然。

アタシもいま来たとこ……。

優一

はわわぁ



























* * *










2025年4月15日(火)
12:35 AM















優一

ふう、新しいカリキュラム、難しかったね、住吉さ……。

  忽然 

優一

あれ、もういない。

優一

トイレにでも行きたかったのかなぁ?

優一

それにしても、ホント重いなぁ。
新しい教材。

優一

カバンに片付けるのも一苦労だね。
よいしょっと……。

優一

あれ、なんだこの紙……。
教材の間から落ちてきたぞ……。

優一

どれどれ……。

優一

……。

優一

あわあわあわわ……。

優一

まさかまさか


























本日、昼休みに屋上にて待つ。

他言無用。         

          住吉













優一

これって、もしかして

優一

告白!?

露江

キュピーン!


































いつもどおり、誰もいないな。
好都合だ。

それにしても……。

昨日の事件で今日も短縮だろうとたかを括っていたのに……。

なぜ普通に授業が行われてるんだ?

スキマ時間に新たなクシナダとの接点を探す予定が……。

それどころじゃなくなっちまった。

ハッ!

まさか、組織的かつ大規模な隠蔽?

そう考えるとこの学校も、もはやクシナダの手に?

だが、そう決めるには情報が少なすぎる。大林の観点も知りたい。

うぇ!?

優一

住吉さん!

ハッ?

優一

ごめん、待った?

おいおい、確かにアタシは
アイツを呼びつけたが……。

アタシだってかなり本気でここに向かったのに、なんでノータイムで追いついてんだ、コイツは。

ううん、全ッ然!

アタシもいま来たとこ。

優一

はわわぁ

うわぁ……。
絶対変なスイッチ入ってるぞぅ。

優一

ハッ!

優一

しっかりしろ、優一。
ここが男の見せ所じゃないか!

優一

えっと、あの!

優一

ぼく……心の準備ができてなくて……

優一

でも!

優一

でもでも!

優一

よろしくお願いします!

はぁ?

もう、ホント鋼の精神力とマナビヤ並の妄想力だな、コイツは。

そんな事のために呼んだんじゃない。

優一

え?

オマエに聞きたいことがあってさ。ちょっと教室じゃ都合が悪くてさ。

優一

……。

優一

はっ!

優一

僕、彼女はいません!

その話題を
頭から消せっつーの!

いいか、大林。

昨日、アタシと一緒にあの場所にいたのはオマエとマナビヤだ。
オマエも自分で言っていたように侵入したのは覚えているんだよな?

優一

あぁー。立入禁止なのに学校に侵入しちゃったよね。

そこは覚えているんだな……。

で?

優一

でって?

そこで何を見た?

優一

え?

優一

住吉さんも……見てたよね?

アタシのことはいいんだ!

大林ィ、オマエのことが知りたいんだ!

優一

僕のことが……
知りたい!?

優一

はわわぁ

優一

う、うん、わかった。










* * *















八重桜子

ゆえ、はい、あーん。

露江

お、おおぅ。

露江

せっかく面白そうな予感がしたのに、ヤエに捕まっちまった。

学人

カリカリ……。

学人

ムッ!

学人

昼休みは午後の授業の宿題をやらんか!

露江

うるさいなぁ、マナビヤは。

肝田

マナビヤ、ほんとワルだな。









* * *
















優一

えーっと、

優一

マナビヤ君に抱えられて塀を飛び越えたあと―。

優一

校庭にブルーシートがかけられていてー。

うん。

優一

その中には大量の産業廃棄物があってー。

な!?

優一

何あれキモッ!ってなってる時に、杜若さんが来て―。

優一

遠巻きに生田先生に見つかっちゃってー。

優一

素性がばれないように
大急ぎで逃げたよね!

優一

僕とマナビヤくんは住吉さんにおいていかれたけど……

優一

宙を舞う住吉さんを見上げた
僕の不埒なハートは
バクバクだったさぁ……。

……そうか。

……バクバク?

まあいい、悪かったな、貴重な昼休みを奪って。

優一

ぼ、僕、住吉さんになら何を奪われてもいいよ!

え?

優一

住吉さん、何か大事な物を探しているんでしょ?

くっ……

優一

きっと……僕が失った過去のことのように、とっても大事な何かを。

……なんでコイツは
グイグイとアタシの中へ攻め込んでくるんだ?

優一

だから、住吉さんの事、
もっと手伝わせて!

ああっ、もうッ……。
これだけ塩対応してるのに……。

優一

だって、僕のハートは完全に奪われちゃってるし。

もう、いい加減にしてくれ!

優一

びくッ!

確かにアタシはオマエを巻き込んだ。

だが、これ以上、必要以上にアンタを巻き込みたくないんだ!

優一

住吉さん……。

だから……

もう話しかけんな!

























その時だった。










一瞬、それは一瞬。








まるで狙撃手のように狙い続けたスキ。









少女の心が揺れたその一瞬をついたモノだった。














優一

!!

優一

危ない!

え?






うぅ……。

ハッ

ば……バカな。

何やってんだよ……。

なんでアタシなんかを庇うんだよ……。

この程度のアタシへの危険は反射的に取り除かれるんだよ……。

なのに……。








大林ィ!





















屋上の逢引き



つづく

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