ユヅキ

公平に判断しそうにない、か……

ユヅキ

「できそうにない」、じゃないんだな

アサヒ

あれ、ユヅキさん

ユヅキ

あ、アサヒ!?どうしてここに!?

アサヒ

ちょっと時計台に行こうかな、って。何か調べられるかもしれないし

ユヅキ

と、時計台に!?

アサヒ

そ、そうだけど……どうしたの?

ユヅキ

え、あ、いや、その

ユヅキ

まずい、時計台には今ソウスケ達がいる。アサヒを行かせるわけには、いかない

ユヅキ

あーっと……そうだ、アサヒ!

アサヒ

え?

ユヅキ

今からオレ、セナの家に向かうんだけどさ

ユヅキ

道に迷ったから、案内してくれないか?

アサヒ

ああ、それなら……アレがあるでしょ?

ユヅキ

アレ?

アサヒ

ほら、自宅に置かれていたスマホみたいなもの。アレには、地図が入っているみたいだよ

アサヒ

セナさんの家を目的地にして歩いて行けば、大丈夫なはずだよ

ユヅキ

違うんだ、アサヒ。地図が入っていることは知っている、というかセナの家も分かるんだ

ユヅキ

だけど、今お前を時計台に向かわせるわけには……

アサヒ

……ユヅキさん?

ユヅキ

あ、ごめんごめん

ユヅキ

その、さ……昨日充電忘れていたみたいで、電源が落ちちゃっているんだ

アサヒ

あちゃー、やっちゃったね

ユヅキ

だから、その、申し訳ないんだけど

アサヒ

良いよ、分かった。セナさんの家まで案内する

ユヅキ

ほ、本当か!?

アサヒ

うん!結構この辺入り組んでるし、迷子にでもなったら大変だもんね

ユヅキ

ありがとう、アサヒ!助かる!!

アサヒ

どういたしまして。ちょっと待ってね

ユヅキ

……ごめん、アサヒ。本当は騙したくない、だけど

アサヒ

よし、それじゃあ行こうか。ユヅキさん

ユヅキ

……ああ!

ユヅキ

裏切りたくもないんだ

アサヒ

ご、ごめんねユヅキさん……

ユヅキ

い、いや……オレこそ、ごめん

ユヅキ

まさか、アサヒがここまで方向音痴だったなんて……

セナ

だ、大丈夫ですか!?

ユヅキ

ごめん、セナ……こんなに遅くなっちまって

アサヒ

ボクのせいで……本当にごめんなさい

ユヅキ

いや、元はと言えば、オレが充電を忘れていたのが悪いんだ

ユヅキ

アサヒは何も悪くない、むしろちゃんと案内してくれたんだ

ユヅキ

本当にありがとう、ここまで付き合わせてごめんな

アサヒ

……うん。でもやっぱりここまで時間がかかったのはボクのせいだから、ごめんね?

セナ

……お二人とも、今日は泊まっていきますか?

ユヅキ

えっ?

セナ

疲れていますよね?今日はこの家で、ゆっくり休んでください

アサヒ

だけど、迷惑じゃないの?

セナ

全然!むしろ、一人は寂しいので、一緒にいてくれたら嬉しいです

セナ

それに、

ユヅキ

……それに?

セナ

ご飯を少し作りすぎたので、食べてくれたら大変助かります

ユヅキ

……そっか、それじゃあ

アサヒ

うん!お言葉に甘えようかな♪

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