公平に判断しそうにない、か……
「できそうにない」、じゃないんだな
あれ、ユヅキさん
あ、アサヒ!?どうしてここに!?
ちょっと時計台に行こうかな、って。何か調べられるかもしれないし
と、時計台に!?
そ、そうだけど……どうしたの?
え、あ、いや、その
まずい、時計台には今ソウスケ達がいる。アサヒを行かせるわけには、いかない
あーっと……そうだ、アサヒ!
え?
今からオレ、セナの家に向かうんだけどさ
道に迷ったから、案内してくれないか?
ああ、それなら……アレがあるでしょ?
アレ?
ほら、自宅に置かれていたスマホみたいなもの。アレには、地図が入っているみたいだよ
セナさんの家を目的地にして歩いて行けば、大丈夫なはずだよ
違うんだ、アサヒ。地図が入っていることは知っている、というかセナの家も分かるんだ
だけど、今お前を時計台に向かわせるわけには……
……ユヅキさん?
あ、ごめんごめん
その、さ……昨日充電忘れていたみたいで、電源が落ちちゃっているんだ
あちゃー、やっちゃったね
だから、その、申し訳ないんだけど
良いよ、分かった。セナさんの家まで案内する
ほ、本当か!?
うん!結構この辺入り組んでるし、迷子にでもなったら大変だもんね
ありがとう、アサヒ!助かる!!
どういたしまして。ちょっと待ってね
……ごめん、アサヒ。本当は騙したくない、だけど
よし、それじゃあ行こうか。ユヅキさん
……ああ!
裏切りたくもないんだ
ご、ごめんねユヅキさん……
い、いや……オレこそ、ごめん
まさか、アサヒがここまで方向音痴だったなんて……
だ、大丈夫ですか!?
ごめん、セナ……こんなに遅くなっちまって
ボクのせいで……本当にごめんなさい
いや、元はと言えば、オレが充電を忘れていたのが悪いんだ
アサヒは何も悪くない、むしろちゃんと案内してくれたんだ
本当にありがとう、ここまで付き合わせてごめんな
……うん。でもやっぱりここまで時間がかかったのはボクのせいだから、ごめんね?
……お二人とも、今日は泊まっていきますか?
えっ?
疲れていますよね?今日はこの家で、ゆっくり休んでください
だけど、迷惑じゃないの?
全然!むしろ、一人は寂しいので、一緒にいてくれたら嬉しいです
それに、
……それに?
ご飯を少し作りすぎたので、食べてくれたら大変助かります
……そっか、それじゃあ
うん!お言葉に甘えようかな♪