桜の木々ひとつひとつが留まる場所を選べないように、
そこに止まるその枝葉や花びらは一つとして同じものはない。

そして花びらもまたその行く先を決められず、
風に彷徨うだけ。

僕も同じだ。
何を望むべくもなく、仮に望む君が永遠に手に入らなかったとしてもここが僕の居場所なんだ。

この口から滑り落ちる言の葉一枚一枚もまたどこかの街に消え、僕の心にとどまる事を知らない。

永遠、瞬間、一日。

この命が続く限り、これからここに一字一句を綴る瞬間を永遠と感じるような一日にしなければ。

僕は僕の知りうるありとあらゆる種類の言葉を用いて、君と愛をこの胸に呼び戻す。

この場所からどこか遠い君を想い探す。

それが詩人の出来る唯一の仕事なのだから。

赤鬼

うーん、WHAT A DEMONIC.

赤鬼

この詩集、間違いなくデモニキュリオの香りがするね。

青鬼

えー、どこが良いんすか?こんな死んだホームレスがカッコつけて書いた日記なんて。

赤鬼

そこが良いんじゃないか。
名もなき詩にこそ純度の高い心の叫びが綴られているものだよ。

青鬼

それ、心の無い悪魔のいうセリフっすか?
ドゥフフ

赤鬼

Exactly.(まったくその通りだよ)
でもお前は違うよな?

赤鬼

空っぽのフリをして、本当はもうすでに宿っているんだろう。

赤鬼

桜舞い散る逢魔が時。

青鬼

夕暮れ時に悪魔が通りかかったが運の尽き。

赤鬼

DEAD OR BET.
(死ぬか生きるか、選べ)

Now I can feel your heartbeat
and every birth.
Some might say that is“REBORN”.

(いつか輪廻に変わる)
ご臨終

『桜魔が時』(オウマガトキ)for第三回お題DEストリエ

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