Why don't you talk
about a small story?
ちょっとした世間話、
要りませんか?
Why don't you talk
about a small story?
ちょっとした世間話、
要りませんか?
ところでいにおくん。
forgetというのは実に奥深い言葉だなあと思いませんか?人間とはいかなるものか、この単語一つで説明がつく。
出し抜けに何ですか?
for(~ために)+get(得る)=forget(忘れる)
つまり何かを得るという事は同時に何かを忘れる事でもある、というわけですね。
例の如く、詩的哲学的な話になってきましたね。嫌いじゃないですけど難しい。
もっと具体的にいうと?たとえば?
例えばなし、ですか。
じゃあ今から言う事をヴィヴィッドに想像しながら聞いて下さい。
Are you ready?
オーライッ、カマ~ンヌ!
たとえば。
いにお君の趣味はカフェ巡りですよね?
はい!実際かなりの数いってると思います。毎回手帳にメモしてますし。
素晴らしい!因みにどのようなメモを書いているのですが?
えっとですね、店名。
飲んだコーヒーの銘柄。
最大☆5評価にして点数付け。
そして味の感想ですね。
あとメモに余白があれば店全体の雰囲気とか
なるほど、意外にいにお君はマメ助くんなのですね。
因みにいまそのメモには何軒分のレヴューが書かれているのですか?
はい、ざっと203軒ほど。今日のお昼休憩中にも行ってきたので間違いのない数字かと。
おお、それは実にタイムリーな話ですね。是非、寸評を聞かせて下さい。
コホン…純喫茶モロウ。
ガテマラ
☆3.5
味と香り、そしてカップのイメージがマッチしていて統一感がある。
Wi-Fiもあってすごくコスパが良い。
なるほど、興味深い。テイスト以外の事柄までしっかりメモしてるのですね。
では、カップは何色でした?
基本白地に受け皿に赤と青の模様が入ったものだった気がします。
ではどんな模様?
どんな模様…どうだったっけなあ?
そう、人はさっきあった自分のライフワークですらすぐ忘れてしまうものなのです。
うぐぐ。悔しい。増して自分の好きな分野でケチ付けられるとなおさら…
そう!そして今得た動揺によって君は記憶を失った!
その論理はいささか力業じゃありませんか!?さすがに?
因みに私もモロウにはよく行きますが、たしかに波模様なのですけれども、赤と緑が正解です。
なぜならその縁取りは波ではなく薔薇を模したものだったからです。
因みに飲み切ったカップの底には美しい大輪の薔薇が描かれているというユーモアあふれる仕様となっていました。
グググ、そんなオシャレな心遣いに気づけないなんて僕はカフェ男、失格です!
まあ、もっと言うと僕がいにお君に一番指摘したいのは、そもそもモロウのコーヒーはガテマラではないです。
Instant Coffee.
(〇スカフェゴー〇ドブ〇ンド)
It's a fake business.
(ホントぼったり商売な)
WHAT A HELL!!
(なんてこったい!!)
Don't tell the truth!!
(堪忍して!ヨソには言わんといてえな!)
ううう。もうカフェ巡り辞めようかな。自信を失ってしまった。
いにお君、それは違いますよ。
忘れるために何かを得る。
それはまた同時に何かを得るために忘れるという事なのです。
この無限ループを繰り返しながら、人々は成長とも退化ともつかない束の間の一生にすがる存在なのです。
全ては忘れるためにあると言っても過言ではない。
A.N.D.
(そ・し・て)
This is not only a small talk,
but the first introduction of the old man's story theme.
(これはただの世間話じゃないよ。これからはじまるある初老のストーリーテーマの挿入部なのさ)
why not?
(つまりどゆこと?)
Say nothing.Take your soul.
(つべこべ言わず、まあ聞いてくれよ)
He went to forget for getting his lost memory with demonicurio.
デモニキュリオと共に彼は失われた記憶を取り戻すために忘れに行くのでした。
ドリームキャッチャー要りませんか?
はいっ!?
この続きは『純喫茶モロウ ウィズ グッドフェローズ“ワンダーソング”』でお楽しみ下さい。
(11月下旬公開予定)
Thanks for Odaide Storie vol.2!!