早朝の教室はまだ人が少なく、きさらの友達もまだ登校していない。
僕は手帳を広げて考える。
このタイミングで動いた方がいいと思うのだが、悩ましいのは金島涼だった。
彼が一体どう動くかが検討がつかない。
序列に染まっていない彼の動きはとても興味深く、僕にとっては面白いがこういう時に困惑する。
彼は一体何を原動力に動くのだろうか。
さて、どうしようかな
??
どうしたの
うーん
つよしが悩むなんて珍しいじゃない
そんなに悩むこと?
あのことでしょ?
そうだねぇ
僕は金島涼という人間を高く買っているんだ
そうねぇ
つよしにしては距離が近いものね
驚いた
ひどいわね!
ここれでも気がついてるんだから!
早朝の教室はまだ人が少なく、きさらの友達もまだ登校していない。
僕は手帳を広げて考える。
このタイミングで動いた方がいいと思うのだが、悩ましいのは金島涼だった。
彼が一体どう動くかが検討がつかない。
序列に染まっていない彼の動きはとても興味深く、僕にとっては面白いがこういう時に困惑する。
彼は一体何を原動力に動くのだろうか。
僕は彼に興味がある
だから彼が一条さんと仲良することにあまり賛成はしないんだ
あら、どうして?
きさらは涼のことどれくらい調べた?
きさらは髪の毛の先を触りながら答える。
彼女が気になることがある時の癖だ。
彼女は金島涼のことについて気になることがあるらしい。
報告がないということはまだ調べがついていないのだろうと検討をつける。
中学校の時の事件のこととか家族構成とかかしら?
一条さんのことは?
それは調べるまでもなく知ってたわ
じゃあ、僕が言いたいこともわかるだろう
でも、人間のことだもの
どうにもできないこともあるわ
本人の気持ちだもの
そうだよ…ねぇ
気持ちといえば
いつになったらつよしは私に振り向いてくれるのよ!
うーん
別にいいんだけどね
ごめんね
つよしがその気なくてあたしを利用してるの知ってるし
おや?
何度ことみに止められたか…
うずきさんは?
別に気にしないって
そうなの?
むしろ私がつよしのそばできゃいきゃい言ってる方が、都合がいいとも言ってたわ
女子1位相手によく言うね
そういうとこが気に入ってそばに置いてるとこもあるわ
でもまさか、きさらに僕の気持ちがないっていうのがばれているとは
バレバレもバレバレよ!
もう少し隠しなさいよね!
悲しくなるじゃない
あはは
今年は学年中が恋愛一色だねぇ
僕が手帳に視線を動かすと、一拍おいてきさらも手帳を見る。
そこには生徒たちの相関図が書き込まれている。
……イベント、開催するの?
きさらが手帳を見ながら聞いてくる。
レクレーションで告白大会とかどうだろう
思いっきりクラスの中心しか楽しめないじゃない
クラスの中心が楽しむのが目的なんだけどなぁ
それもいいけど、見てる方もなにか参加させてあげたいわ
上位が滑稽なことになってるのって面白くない?
うーん。
もっと盛り上がらせたいわ
あ、あれは?
ドロケイ
ああ、選抜ドロケイ
あれはなかなかみんな楽しんだよねぇ
先輩たちも巻き込めばなかなか面白くなるともうけど
そっちの企画にしようか
告白企画も一緒にやっちゃえば、盛り上がるんじゃない?
きさらはまた僕に告白する気だろう
ええ
じゃあ、君はプレイヤーの方になるんだね
そうなるわね
(あなたが楽しむためなら、ね)
……君ってホントに
なに?
なんでもない
きさらがプレイヤーに回るのであれば僕もプレイヤーかなぁ。
主催者兼プレイヤーはちょっと不公平だからチーム分けなんかは誰かに任せよう。
ルールだけ簡単に作ってあとは役員におまかせかなぁ。
軽く思考をまとめた僕は手帳に書き足した。
5月 選抜ドロケイ 開催。