慌ててイヤホンをとってポケットにしまう。
後ろを振り向くと、みやちゃんのお友達がいた。
ややこしい感じだけど、こっちはこっちでなんとかなりそう
おい
ひゃ!
慌ててイヤホンをとってポケットにしまう。
後ろを振り向くと、みやちゃんのお友達がいた。
びっくりした。
何?
向き直って聞けば、怖い顔をしている金元さんが口を開いた。
あんた今、盗み聞きしてたでしょ
へ?
みやちゃんの会話
みやちゃんというか、むっちゃんの会話だけど
どっちでもいいわよ
聞いてたでしょ!
それはこっちの仕事の範疇であって、あなたには関係ないことでしょう?
関係ないって何よ!?
はーいはい。
どうしたの?
あ、うずきちゃんにちさちゃん
声をかけてくれたのは、四崎さんに間宮さんだった。
この組み合わせは想定外だなぁ。
ちょっと臭わなくもないけど、それは気にしすぎ?
二人とも大事な人は絶対裏切らない人たちっていうイメージあるんだけど、少し考えとくべき?
どうもこうもないわよ!
この子が盗み聞きしてて!
だって役員でしょー?
それくらいあたしだってするってー
うずきちゃんはいいのよ!
友達だから
あたしだって、友達以外の会話聞くってー
時と場合によってはでしょ!
うるさいなーもう
金元さんって、本当に素直っていうか、バカっていうか。
この世界でよく生き残ってきたなってレベルの素直さだよね。
こんなに思ったことポンポン言って大丈夫なのって、みやちゃんのおかげなところが多大にあるよね。本当に。
役員なんだからしかたないっていうか、周知の事実でしょー
それは、そうだけどぉ…
ちさちゃん!
はいはい。
言い返せなくなったからってあたしを頼らないの
うー
それに、あんまり役員さんに文句言わないの。
これも仕事なんだから
だって、みやちゃんまたあの子に!
ていうかー
もともとあの二人はライバル同士だったから仲いいんだって教えてあげたじゃんあたしー
そうよ、二人は小学校が一緒で、仲がいいんだから少しは大目に見なさいよ
なんであんたに上から目線で言われなきゃいけないのよ!
……間宮さん。
この子なんで自分のグループ以外にはこんなに牙をむくの?
ほら、中学時代いろいろあったから
だから自分の順位が低いって気づかないとこがなかなかいいよねー
もう!
2人はあたしの味方なの!?
あたしは別にー?
中森と繋がれるから一緒にいるだけだしー
ちさちゃん!
はいはい
味方になって!
ふふ。
そんな正直なところが好きよ
三村さん
わかってますよーだ。
間宮さんに言われたら盗聴はこの辺で切り上げるよ
助かるわ
イヤホンだけじゃなくて端末の電源を落とすと四崎さんが首を傾げた。
え?いいの?
なんか調べてたんじゃないのー?
ううん。
らぶについてだからいいの
らぶ?
あー、あれか
らぶ!?
あ
あ
あ
みやちゃんの貞操のききぃぃぃ!?!?
間宮さんまかせた!
えー??
あたしら役員会議あるから!
なによそれ!
ずるーい
じゃ!
よろしく!
ひどいわー!!
ひどいと叫ぶ間宮さんに金元さんを押し付け…、預けて?私たちは役員会議の教室へ向かった。
で?
ラブってあの二人のこと?
やっぱりもう知ってた?
そりゃ金島くんわかりやすいものー
なるべくそっとしておきたいんだよねぇ
中森が動くだろうねー
そう…?
かといって、あなたが動くと今度は変な感じになるのもねー
そうなの!悔しい!
まぁ、でも、全体的に見守って公正な判断を下すのが役員の仕事だしー
わかってるぅ
でも、中森の動きには気を付けてねー
え?
あたしはあいつのそばにいる人間だからー
これ以上は言えないけどー
??
四崎さんは笑って追求は許してくれなかったけど、どういうことだろう。
中森くんってそんな危険人物ではなかったと思うんだけど…。
不安になりながらも私は役員会議に意識を向けることにした。